題詠100首blog

こちらは「題詠100首blog」のイベント会場です。「イベントの仕組み」をお読みの上、ご参加ください。(五十嵐きよみ)

090:匂

2005-12-31 | 081-090の歌
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題は「匂」です。「臭い」との変換ミスにご注意ください。

090:匂(エクセレント安田) (風流三昧)
午後六時夕食準備いい匂い今夜献立すき焼きかしら?

090:匂(ねこまた@葛城) (ねこちぐら)
紅梅の匂い初めたる狭庭にて満悦するは野良猫ばかり

090:匂(美山小助) (小助の和歌)
腕枕 あなたの髪が 頬に付き 匂いに母を 思い起こさん

090:匂(しゃっくり) (春雨じゃ)
匂ひには癒し効果のあるらしく理屈三昧高けりゃ売れる

090:匂 行方祐美 (やまとことのは)
玉ねぎに似たる約束ひとつして鍋にシチューを匂い立たせり

090:匂 (西中眞二郎) (しなやかに、したたかに、無責任に・・・西中眞二郎雑記帳)
美味そうな何かの匂い漂いて妻に呼ばれし厨に降りぬ

090:匂(はこべ) (梅の咲くころから)
舞いおるは花染め衣の襲着け 紫匂うその姿なり

090:匂(船坂圭之介) (kei\'s anex room)
匂やかな裳裾恋しき汝が去りてふたとせを経ぬ悔や残れる

090:匂(まつしま) (心の空)
近視なの、ちょっと失礼。好き嫌い匂いでいつも嗅ぎ分けてるの。

090:匂(みずき) (空)
宿命か亡母(はは)の箪笥の小袋が匂ふ雨夜に母の年越ゆ

090:匂(草野つゆ) (草野つゆ@はてな)
お隣の香辛料のいい匂い 間違いないな今夜はカレー

090:匂(紫女) (クロッカスの歌)
雨匂う庭を裸足で歩いては若さを憎む向日葵となる

090:匂(飯田篤史) (ひこうき雲)
かぜのいろあなたのゆびがさみしさの風の匂いであるのに気づく

090:匂(ほにゃらか) (♪おみそしるパーティー♪)
あたたかき夕餉の匂ひする道をうた唄ひつつ帰れればよし

090:匂(よっきゅん) (よっきゅんの100首)
エレベーター みんな匂いに 気付いてる 俺じゃないんだ 隣の女

090:匂(丹羽まゆみ) (All my loving ♪)
消毒の匂ひただよふ夜の底に義母は五尺の身の背を伸ばす

090:匂(柴田匡志) (明日はきっといいことがある)
夏芝の匂いの中を選手走る今はサテライトいつかはリーグ戦

090:匂(川内青泉) (青泉の部屋)
入院し入浴許可が出ないからシャワーもできず嫌な匂いす

090:匂(本原隆) (それについて)
ヒトよりもハナがいいから駆け回る犬を見ている春の匂いだ

090:匂(animoy2) (~うたよみ日記(短歌とともに)~)
君の髪海の匂いを運んではひとつになれる何度でもまた

090:匂 (新津康) (NOTHING WORKS)
僕の思い、風の匂い、波の音。夏に紛れて寄せては返す。...

090:匂(aruka) (外灯都市)
黄昏の昭和が匂う商店街 少年時代の父とすれちがう

090:匂(畠山拓郎) (想いまっすぐに)
春だから機嫌がいいと推し量る君から匂うほのかな香水

090:匂(春畑 茜) (アールグレイ日和)
匂ひたつ五月の緑(りよく)の底を来て胸に揺らげりひとりのこゑは

090:匂(藤原 湾) (湾の歌詠の日々。)
芳しき匂いに誘われ飛び交うは花の盛りの庭の蝶ら

090:匂 (新井蜜) (暗黒星雲)
海亀は塩の匂いに導かれ生まれてすぐに海へと向かう

090:匂(暮夜 宴) (青い蝶)
誰にでもやさしくなれる気がしてた金木犀の匂うひだまり

090:匂(秋野道子) (気まぐれ通信)
打ちけせば打ちけすほどに匂いたつ柑橘類のような好意よ

090:匂(西宮えり) (aglio-e-olio)
八月の夜へアンテナひろげてはきみの生まれた匂いを拾う

090:匂(髭彦) (雪の朝ぼくは突然歌いたくなった)
菜種油の匂ひ包める雲南に今年も黄に咲け菜花の畑(はた)よ

090:匂(ゆあるひ) (ゆあるひの鍛高短歌4)
けしは咲くイチゴは実る蝶は舞う土の匂いを嗅ぎたくもなる

090:匂 (青野ことり) (こ と り の ( 目 ))
彼のこと誰も知らない乗り物で砂糖とバニラの匂いをさせて

090:匂(ざぼん) (グレイト・エスケイプ!)
燃え尽きた花火の匂いさせながら夕餉の糧をどこで買おうか

090:匂(濱屋桔梗) (桔梗の独白)
小豆煮る匂いを照らす蛍光灯午後五時半の白い静謐

090:匂(スガユウコ) (ココロに花を)
曇天の湿の匂いにせかされて洗濯すればいつか梅雨晴れ

090:匂(やな) (やなさんの基地)
雲厚き朝 幸ならざる子の生れてミルクの匂ひほのかなること

090:匂(ドール) (花物語?)
美しい命を食べる その鮎は冷やした甘い西瓜の匂い

090:匂(わかば) (わかばのうた)
おなじ空おなじ匂いを遠くから「素敵だね」って言うことにします

090:匂(改行やたら好きな人) (軟骨れいあうと)
 おもてでは  匂いが味の  よだれさえ  うちにかえれば  あとかたもない

090:匂い(あんぐ) (あんぐの短歌)
極真の若き血潮の匂い立つ昇級審査春風を突く

090:匂(goldfish) (月と金魚鉢)
夏の匂い迫り来るなか離れずにいられる距離なんか探してて

090:匂(澁谷 那美子) (題詠100首に参加中)
この部屋に一人貴方の写真見つせめて匂ひの残らましものを...

090:匂(水都 歩) (水都blog)
梅雨空に咲く山梔子の纏いつく匂いそのまま立ちつくす吾

090:匂 (寺田ゆたか) (素浪人Joeのスローライフ)
・紫陽花ははつかに濡れて夕明かり淡き縹(はなだ)の匂ひ移ろふ

090:匂 (寺田ゆたか) (素浪人Joeのスローライフ)
・紫陽花ははつかに濡れて夕明かり淡き縹(はなだ)の匂ひ移ろふ

090:匂 誤TB取消 (寺田ゆたか) (素浪人Joeのスローライフ)
090:匂(寺田ゆたか) 誤って同じもののTBを2度致しましたので、一つ取り消します。失礼しました。

090:匂(みゆ) (*** ことばあそび ***)
どこからか甘い匂いの梔子香 静寂の中 夜は明けゆく

090:匂(中村成志) (はいほー通信 短歌編)
かあさんをぶったことなど忘れてたラムネの青い匂いかぐまで

090:匂(小早川忠義) (ただよし)
少年は男とならむ吸ひ差しの煙草の匂ひゆるくまとひて

090:匂(るくれ) (とっても単純なこと)
何よりも好きだった匂いもっともっとあなたに笑ってもらえばよかった

090:匂(愛観) (ひ と ひ ら こ と ば)
あの日から真冬とけない封印は匂菫が香らなければ

090:匂(謎彦@題詠100首) (ジャポン玉)
プリンセス・テンコーが会釈をするときの、匂ひでも臭ひでもないもの

090:匂(Yosh) (★光に向かって★)
会う人らに 「何か」を匂わす日本人 そういうオーラを私は持ちたい

090:匂(碓井和綴) (雨歩日記)
自転車のパーツ交換されてゆく君の匂いが思い出せない

090:匂(美里和香慧) (     Popん?TANKA)
雨の匂いとJasmineTeaがけんかする君が帰ったリビングの窓

090:匂(日下智世) (万美愛任叶結実)
会いたさがより一段と強くなる昨日のシャツにあなたの匂い。

090:匂(ふしょー) (DEATH IS A LONELY BUSINESS)
あなたから海の匂いがする夜は枕を抱いて一人で寝ます

090:匂(花夢) (花夢)
同じ土から生えた百合になりそういつしか匂うように親しい

090:匂(五十嵐きよみ) (ドン・ジョヴァンニはアリアを歌わない)
否、これが父からの罰 憎しみも愛も奪われ死が匂うのみ

090匂(帯一 鐘信) (361℃)
夏色のとうもろこしの風吹けば麦わら匂い焼けてゆく肌

090:匂(はるな 東) (菜の花の道)
白百合の匂う座敷で美しく起きてきそうに眠る親友

090:匂(星桔梗) (風船がわれるまで)
懐かしき思い出さえも甦る匂いの基には母の鏡台

090:匂(智理北杜) (智理北杜)
午後6時私の脳も胃袋もかき回してるカレーの匂い...

090:匂(小雪) (朱紗)
いつからか 柑橘類の 匂い好き なぜか落ち着く 心が和む

090:匂(なまねこ) (路地裏稼業)
かあさんの手まねきみたいにカーテンはかすかな秋の匂いに揺れて

090:匂(びっきい) (チョキで殴るぞ!)
きな臭いホシの匂いを嗅がせたら警察犬が失神したよ

090:匂(原田 町) (カトレア日記)
薫より匂に惹かれる浮舟の女心よ雪の宇治山

090:匂(鈴雨) (鈴雨日記)
はつ夏の風に黒髪ながるれば乙女のうなじ匂やかに立つ

090:匂(飛鳥川いるか) (しぐなすの短歌感電ノート)
くちなしの匂ひぬるき夜いけずさうな人に塚本邦雄かぞへて

090:匂 (紫峯) (時空の扉)
大輪の白百合匂う熱月を振り向くなかれオーガストならば...

090:匂 (紫峯) 再投稿 (時空の扉)
大輪の白百合匂う熱月を振り向くなかれSeptemberなら...

90:匂(栗凛) (ス芸紙一重?)
浜風の匂いに息が詰まるほど 夏に貴方を思い出してる

090:匂(彼方) (心を種として)
友人の胸から匂う香水に自分の声色見失う夜

090:匂(みなとけいじ) (海馬)
コーヒーの匂いの中に居眠って目覚めればもう夜が流れる

090:匂(富田林薫) (カツオくんはかもめ第三小学校5年3組&『まぐろ袋ブログ』)
さよならを匂わすせりふ 左目はかたい光を放射している

090:匂(佐藤紀子) (「題詠100首blog」参加作品)
朝風に秋の匂ひの漂ひて白きコスモス露を零せり

090:匂 (お気楽堂) (楽歌三昧)
雑踏に一際目立つ力士ゐて鬢付油甘く匂へり

090:匂(振戸りく) (夢のまた夢)
かあさんの和箪笥にある白檀の匂い袋と深紅の魔除け

090:匂(David Lam) (でたらめなうたどもよ!)
カカオの匂いほのかなる君のキス愛の含有率は訊けない  

090:匂(やすまる) (やすまる)
まんなかにうまれたねつをすくいとり匂い袋にしてぬいつける

090:匂(月影隼人) (人間万事塞翁が馬)
おみやげの匂い袋とかんざしは君に似合うと思うのだけど...

090:匂(野良ゆうき) (野良犬的)
手探りで未来(あした)の匂いのするほうへ歩み続けるしかないだろう

090:匂(素人屋) (素人屋雑貨店)
同じ時代同じ地球を生きるから風よ運んで 沈丁花匂う

090:匂(おとくにすぎな) (すぎな野原をあるいてゆけば)
本棚のなかで植物図鑑だけ(ラフレシア・雨)ちがう匂いだ

090:匂(小籠良夜) (DARKSIDE OF THE MOON)
昼食のパスタに匂うガーリック 顔を顰むるひとりありけり

090:匂(kitten) (kitten song)
海の匂いがするかってここに風が吹いていた過去の記憶よ

090:匂(岩井聡) (North Marine Drive)
パスワードだらけの森に季は透けて行き場処のない自恃ほど匂う

090:匂(村上はじめ) (spidyな日々)
窓を開け夜の匂いを吸い込むと キンモクセイが鼻腔をなでる

090:匂(本田瑞穂) (空にひろがる枝の下から)
このところおもいださせる匂いがあって顔のほうから歩きはじめる

090:匂(笹井宏之) (【些細】)
いつからか貝の匂いをさせていた シーツにまるくなってあなたは

090:匂(みの虫) (みの虫が居る「書」のぷらぷら道)
  雨の夜をコマ送りのごと蘇る匂ひかなしもわが犬のこと

090:匂(松本響) (春色ぶれす SIDE-D)
髪の毛が焦げる匂いは懐かしくタイムボカンのような負け犬

090:匂(遠山那由) (百億粒の灰の鳴る空)
タナトスを匂わせながら明後日逝くリストカッター最後の笑顔 (本歌を詩人の故・はなだはなぞう氏(2001.9.12歿 http://home.press.ne.jp/~unagi/diary/cgdiary.cgi?no=1)に捧げます。)

090:匂(ワンコ山田) (歩道を走る自転車のこども)
凶暴で哀しき秋の捕らえ方しとめた後の火薬の匂い

090:匂(市川周) (ミルミルを飲みながら)
銀杏の匂いにむせて告げざりし愛のことばもあるらむ秋夜

090:匂(瀧口康嗣) (可燃性連鎖)
明け方は夢で渇いた永遠を生かすみたいだノイズが匂う

090:匂(Harry) (四月なかなか)
つぎつぎとこぼれ種より増えてゆく匂ひスミレは雑草(あらくさ)に似て

090:匂(佐原みつる) (あるいは歌をうたうのだろう)
ゴミ箱に放り込まれる珈琲缶 雪の匂いの満ちている午後

090:匂(理宇) (±雑記蝶)
頂いた君の匂いをTorr権利 奪うヤツから殺してあげる

090:匂(上田のカリメロ) (ほわほわの森)
秋風とともに香りし金木犀 匂い麗し大きく息する

090:匂(ぱぴこ) (テクテク)
路地裏の秋刀魚の匂い町じゅうに知ることのない日常がある

090:匂(今泉洋子) (sironeko)
乳足らひし母に代はりて叔母さんが送る赤茄子昔の匂ひす

090:匂(KARI-RING) (ほとりほとりと藍色の海)
おにぎりにも匂いがあるんだしょっぱめの力でそうなやつをほおばる

090:匂(末松さくや) (旅人の空(待ち人の雪別館))
現場にはかすかな匂い わたしだと暴いて責めてほしかったのです

090:匂(凛) (臥薪嘗胆)
秋の日の雨の匂いが網膜に君傷つけた僕映し出す

090:匂(空色ぴりか) (題詠100首blog/空色ぴりか)
10月の日なたの匂いのする君を抱きしめながら暁を待つ

090:匂(かっぱ) (きゅーりをこのむ)
酔うとすぐ泣き出すひとのワイシャツの嗅ぐはずなんかなかった匂い

090:匂(方舟) (方舟)
金木犀の花は匂いをそのままに玄関前を敷きつめてをり

090: (楽し気に落ちてゆく雪)
週末に会えない理由整理して残す匂いは手つかずにいて

090:匂(田崎うに) (楽し気に落ちてゆく雪)
 週末に会えない理由整理して残す匂いは手つかずにいて

090:匂(萱野芙蓉) (Willow Pillow)
やがて来る冬をはつかに怖れたり夕雲匂ふ秋のもなかに

090:匂(田丸まひる) (ほおずり練習帳。)
寝返りをうつあなたからあふれだす雨の匂いにまみれたいです

090:匂(黄菜子) (月待ち人の窓辺)
アルタ前、午後六時半 その人は雨の匂いをさせて会いに来る

090:匂 (題詠100首blog-あいっちのうたあそび。)
過ぎし恋、成らざりし恋裡に居てふいにやさしく匂う日のあり

090:匂(桑原憂太郎) (桑原憂太郎.com)
吸ひ殻を拾つて歩く放課後の女子更衣室にはコロンが匂ふ

090:匂(水須ゆき子) (ぽっぽぶろぐ)
図書館の黴の匂いを吸い込んで禁帯出の地図が爆ぜるよ

090:匂(あおゆき) (メソトリウム)
きみ薫りわれは匂はむ無機質な部屋の許した距離は越えない

090:匂(佐藤羽美) (one hundred gumdrops , elephants and sandals)
白光に濡れるあの日の中庭で匂宮のうなじに触れる

090:匂(我妻俊樹) (喜劇 眼の前旅館)
この愉しい匂いはどこの動物舎から漏れて眼の裏にたちこめる

090:匂(みち。) (虹色アドレナリン。)
匂いだけ思い出せるよう吸いこんだ あとはひたすら目を閉じていた

090:匂(shall3) (山歩き録)
いずこから 匂い来るかと 思いつつ 道端の花 通り過ぎけり

090:匂(寒竹茄子夫) (鶴太屋別館「マニエリスム」)
牡丹雪匂へる初夜の膚(はだ)愛(かな)し古陶の壺に「無」が挿してある

090:匂(フワコ) (きくとわたし)
褪せた落ち葉しんしん凍る朝とうに知ってる、ゆきの匂いだ

090:匂(フワコ 再投稿) (きくとわたし)
色褪せた落ち葉しんしん凍る朝とうに知ってる、ゆきの匂いだ

090:匂(濱田花香) (紅葵爽♪)
格子窓多き町道歩行(ゆ)けば 家門(いえかど)の百合、匂色(さきいろ)深し

090:匂(夢眠) (夢眠・日々綴り)
背広から匂うタバコの残り香を着信ないと恋しく思う

090:匂(わたつみいさな。) (乱切りくじら)
すれ違う匂いに今も振り返るごめん記憶はとぎれとぎれに

090:匂(睡蓮。) (睡蓮。の隠れ家ブログ)
思い出はふとしたことで蘇る例えば空港ロビーの匂い

090:匂(内田誠) (その言葉の行方)
ひだまりと雨の匂いがする君の背中に咲いたうたかたの花

090:匂(まほし) (うた・たね)
さみだれは海の匂いをつれてきて傘にはじけるくらげの歌が

090:匂(透明) (limerence)
すれ違う人の匂いに振り返り振り返られて運命となる

090:匂 夜さり (夕さり夜さり)
包まれて腕の中に匂はしくあぎとふ女どこに仕舞はう

090:匂(橋都まこと) (笑って東京サヴァイヴァル)
最愛の人から病(やまい)の匂いして胸が痛んだ如月の午後

090:匂(遠藤しなもん) (忘れちゃった。)
ひまわりは匂わないから明るいし、枯れるし、あたし見習いたいです

090:匂(幸くみこ) (そこそこがんばる)
どこからかカレーの匂い ベランダの吸殻並べて顔を作った

090:匂  (翔子) (花こみち)
石鹸の匂いのする人理想像そんなこと言いスターは早世

090:匂(瑞紀) (歌信風(かしんふう))
夏服にシダーウッドの木片をおけば来夏はやさしき匂ひ

090:匂(癒々) (Romantic irony)
来週も潤んだ匂いで此の肺を浸しておく為だけの抱擁

090:匂 (斉藤そよ) (つれづれつづり)
からまつの匂いに迷いまちがえて採ってしまったきのこ さよなら

090:匂 (如月綾) (お気に召すまま)
「この匂い、俺、好き」 …知ってる。あの人がつけてた匂いとおんなじだもの

090:匂 (里坂季夜) (コトノハオウコク)
霧雨のやんだ日比谷に降り注ぐ甘い匂いのひかりの軌跡

090:匂(pig_pearl) (ブタに真珠)
匂いフェチ くんくん至福の 匂い嗅ぎ 安心して寝る 丸まって寝る

090:匂(林本ひろみ) (いきがかり上いたしかたなく・ぶろぐ)
夕焼けの記憶の底にある匂いパン工場のジャムパンの風

090:匂(究峰) (思い浮かぶがままに)
マンションの廊下に匂ふ香水は別れし君の想ひ出にも似て...

090:匂 (象と空)
手をつなぐ秋の匂いの昼下がりフォークソングが聞こえてくるよ

090:匂(ことら) (ことらのことのは)
悩ましき匂宮の奔放に今宵臥待月を憂へる

090:匂 (きじとら猫) (きじとら小部屋)
おひさまの匂いにそっとくるまって秋の夜長を待ち受けている

090:匂(けこ) (あきのうた声)
むせ返る蘭の匂いに蕩かされ揮発してゆく最後の理性

090:匂 (ケビン・スタイン) (In Other Words・別の言葉で)
寂しさが僕のお腹を満たしてる ウサギの餅の匂いはキライ

090:匂(堀 はんな) (たん たん 短歌)
石鹸の匂うが如き肌をして湯上りの母行きつ戻りつ...

090:匂(新藤伊織) (月が堕ちるころ)
細い雨に抱かれた夜は憧れの匂いになれたような気がした

090:匂 (みあ) (言の葉たち)
おもいきり横隔膜を広げれば音楽室の匂いあふれる

090:匂(まゆねこ) (家事、ときどき短歌)
 もう一つ家があるらし帰りきし猫は乙女の匂いを纏う

090:匂(浅葱) (空耳の森*番外地)
平安の昔語りに語られし「匂う」と「薫る」の違いについて

090:匂(ゆづ) (透明ランドセル)
やむことのない雨が降り動かない体は土の匂いにまみれて

090:匂(もりたともこ) (短歌、すきです。)
薄雲に覆われている夕間暮れ雨の予感が匂う妖しく

090:匂 (砺波湊) (となみ☆みなと)
膝枕して 缶詰の白桃の匂いさせてるあなたの膝で

090:匂(内田かおり) (題詠2006深い海から)
匂い出す昨日飾った木犀の小さな花をみんなが覗く

090:匂(大辻隆弘) (大辻隆弘 題詠100首のために)
匂ひなき冷たい部屋に椅子を引きあなたは明日の予習をしてた

090:匂 (近藤かすみ) (気まぐれ徒然かすみ草)
日の暮れのあの『家の匂い町の音』路地でむかしの私が遊ぶ (久世光彦 主婦の友社)

090:匂(小軌みつき)  (小軌みつき-つれづれ日和-)
ボールペンインクの匂いのキャップを閉じるあなたはいつも遠くを見てた

090:匂(折口弘) (はっちんずBLOG)
匂うねと言う人ありてふと腕を嗅いでみている加齢なる吾

090:匂(小太郎) (ねこのにくきゅう)
お互いの匂いを確かめ合う夜の軋むベッドの外は粉雪

090:匂(ひろこ) (ひろたんの創作日記)
そこはかと匂い漂う石鹸は 母の思い出連れて来たれり

090:匂 (佐田やよい) (言の波紋)
くちづけを教わっているしんとした金木犀の匂う校舎で

090:匂(ひぐらしひなつ) (エデンの廃園)
匂わせるような言いかた 引出しに鳥のかたちの消しゴムがある

090:匂 (にしまき) (びおん書局 ※にしまき※)
午後一時洗濯物を取り込んだ包む匂いが切なくむせた

090:匂。   (P) (猫の毛玉 別荘 -しろうとたんか-)
雨と土 根っこの匂いが混ざり合い 粘土遊びを思い出しつつ

090:匂(星川郁乃) (Air Station)
茉莉花茶のかつては花でありましたみたいな匂いまみれの深夜

090:匂(瀧村小奈生) (陽だまりのふちっこで)
唐突に金木犀は匂いだす信号待ちで開けた窓から...

090:匂(春村蓬) (風見鶏)
ラベンダーの匂ふ枕にしみじみと沈めてをりぬ明日はいかに

090:匂(ヒジリ) (*tRIGger.)
あいたいとくりかえされるその度に心がわりの景色が匂う

090:匂(yurury**) (Scene-Flow into space*写真短歌・五行詩)
落葉焚く煙は鼻腔で戯れて我が身葬る匂ひを探す

090:匂(中野玉子) (薔薇がなくちゃ生きていけない)
カーボンの匂い懐かし現文をさぼった先の生徒会室

090:匂 (nine) (songs)
病室でまた眠り落つ 窓辺には春の匂いの金の蒲公英

090:匂(ベティ) (Betty's second Bar)
こいびとは匂いの薄い薔薇のよう触れて確かめずにいられない

090:匂(のんちゃん) (のんちゃんの衣裳部屋裏)
人によりオナラは香り、が一応に書くニオイは匂でなく臭わない

90.匂(文月万里) (Kagerou つれづれ)
なつかしい匂いだ母さんの鏡台の中の薔薇の香水

090:匂(みにごん) (MINI'S LIFE blog)
交差点 あれから五年経ったのに同じ匂いに動けなくなる

090:匂(魚虎) (脳内に散らばり在りし言の端をDJ的感覚で編む棄てるダム)
ためらいを匂いにこめて(くもりぞら)あなたの声を待つふりをする