呪縛解けた恐竜打線，松坂ら屠り所沢へ<日本シリーズ第２戦>

前回のコラムでも書いたように，「１，２試合やったら選手も慣れるから」と
コメントしていた落合監督，「２試合も捨て覚悟かよ！」と驚いたものです。
１試合は終わった後だから当然として，２試合というのは言葉のあやかと思っていましたが…

第２試合も，先発の山本昌がライオンズ打線を術中にはめる前に
初回からど真ん中へ失投してフェルナンデスに２ランされる乱調，
せっかく松坂君が３回に２死球やら乱れたのに乗じて３点をもぎとり逆転しても，
５回に再逆転され，落合・平井・バルデスと繰り出すもまた和田にＨＲ食って
０－２，３－２，３－５，３－６と，汗握るシーソーゲームといっても
僕的にはリードしてもかえってはらわたがキリキリする重～～～～い雰囲気でした。
６回までは。

なんということでしょう。
７回に代打大西の，魂の内野安打が口火を切り，
１５０キロ台の速球にスライダー・チェンジアップと緩急を駆使して
５回・６回と竜打線を手玉にとり，あとノルマの７回を抑えて小野寺・豊田に
バトンタッチするだけの松坂君をたちまち恐竜打線が屠ってしまいました。
リーダー立浪が渾身の同点３ラン，日本一を知る男谷繁が勝ち越し２塁打。
代打高橋光も続いて，一気に打者一巡の５得点。

８回裏も救援森が炎上，「神がかってきました」と実況された
４連続長短打で３点追加。

３の０で，日本シリーズ通算１７打数ノーヒットとなった井上も，
５回の超ファインプレーで結果的に（その時は負けていた）勝利に貢献することになって
本当によかった。
第１戦で屈辱の落球をした英智も８回に痛快なダメ押し３塁打と
９回にはガッチリ守備機会もこなし，本当によかった。
立浪に代わって守備固めに入った川相にもしっかりゴロが飛んできて，本当によかった。

日本シリーズの雰囲気に飲まれた第１戦からの呪縛から解き放たれ
竜ナイン（この試合は20人が出場）が縦横無尽に暴れた試合となりました。


前半息詰まる気持ちで見ていた僕にとっても，
終わってみたら，本当に気持ちいい試合となりました。
これで第３戦以降は，レギュラーシーズン中と同様，
リードされてもゆったりとした気持ちで見ることができそうです。

それにしても落合監督，
「２試合はなるべく全員に慣れてもらって，
　所沢に行ってからきちんとやろうと思っていたけれど，１試合早く勝てた。
　（ナゴヤに帰ってこない可能性も…）それは充分にあると思いますよ。すみません」
この胆力というか，洞察力は底知れないものがあります。
これを受けて谷繁もヒーローインタビューで
「所沢で決まってしまうかもしれません」との答え。
横浜時代のイケイケ日本一気分でいかれるとちょっと落とし穴があるかもしれませんが，
猛打爆発に浮かれず，また原点に帰り，１点を争う試合で
楽しませてほしいと思います。