例によってアレな点の多々あるトップテンでしたが
2004年の当ブログ開設以来恒例となっているトップテン/大賞予想の
採点と総括をしてみたいと思います。
今年の大賞&トップテンの顔ぶれは速報版で既に書きましたが,
今度は私の予想の採点・答え合わせと合わせてみます。
ユーキャン新語・流行語大賞のホームページ
大賞的中 | (宮崎を)どげんとせんといかん(東国原英夫・宮崎県知事) | しがらみだらけの真っ黒な県政にメスを入れ,鳥インフルエンザに立ち向かい,県の特産品アピールと明るい話題だらけの人ですからね。妥当。 |
---|---|---|
外した | ハニカミ王子(石川遼・アマチュアゴルファー) | 授賞式直前のJTカップでなんと初日3位でしたからね。もしかしたらとは思いましたが。 |
怪しい | 大食い(ギャル曽根さん) | まさかとは思いましたけどね…。トップテンは五十音順で並べているためによりによってこれが最初にきてしまう不条理 |
的中 | (消えた)年金(桝添要一厚労相) | 受賞者については長妻昭氏と予想 |
外した | 食品偽装 | 確かに今年を代表するキーワードですけどね。 |
的中 | そんなの関係ねぇ(小島よしおさん) | 流行語という点では一番。 |
的中 | 鈍感力(渡辺淳一さん) | 文化人枠みごと的中。しかし渡辺先生,出席されたんですかね? |
大賞予想 | どんだけぇ~(IKKOさん) | 大賞ならず。 |
的中 | ネットカフェ難民(川崎昌平さん) | 複合カフェ業界からクレームついてるのによく選んだな |
外した | 猛暑日(瀧沢寧和・埼玉県熊谷市直実商店会会長) | 確かに今年からの新語ですけどね |
※私の大賞/トップテン予想
なんだかなぁと思いつつ流行語大賞2007予想(11/27)
大賞(2人受賞と予想) どげんとせんいかん/宮崎のセールスマン/そのまんまショック…東国原英夫 ※明るい話題の人を選ぶでしょう どんだけぇ~…IKKO トップテン そんなの関係ねぇ/オッパッピー…小島よしお ※大賞は荷が重い KY(空気が読めない)※流行ったけど該当者なしでは大賞はない 国民の期待(に応えられました)…内藤大助 ※全く問題なし モンスターペアレント…小野田正利(または向山洋一) ワーキングプア…受賞者なし(「NHKスペシャル」ディレクター?) 消えた年金…長妻昭(衆議院議員) ハケン…中園ミホ(脚本家) 鈍感力…渡辺淳一(作家) ネットカフェ難民…日本テレビ・水島宏明ディレクター |
ハニカミ王子
※去年のハンカチ王子の二番煎じな上にマスコミ等の騒ぎすぎによってマイナスイメージ。アマチュアリズム的に拒否られる危険も
10個中5つ的中。
ジャンル別抽出段階で○をつけながら,裏事情を深読みして
わざと除外した「ハニカミ王子」が大賞になってしまったことと
確実と思っていた「国民の期待」が漏れてしまったことは
完全に私のほうが目算違いでした。
内藤選手に対する注目がこんなに早くフェードアウトしてしまったのは
まるで想像していませんでした。本当に信じられません。
あんな気持ち悪い(人とコミュニケーション不可能の域まで達してる
二男,目つき顔つきからして放送禁止のレベルでしょう)一家のほうは相変わらず
追いかけるマスコミ達の神経はいいかげんにしてほしいと思います。
絶対入ると思っていたKY,これは他のブロガーさん予想でも
けっこう大賞レベルで推されていましたからあながち私の
ひとりよがりでもないでしょうが,これが外れてしまったことは,
ユーキャン新語・流行語大賞の性格を分析する上で
重要なポイントと思います。
これまで,流行語大賞に関しては毎年検証を重ねてきましたが,
流行語大賞2006分析と予想の反省(2通り予想してどちらも4つ的中)
流行語大賞2005 総括/落選した本命語の事情(5つ的中)
かってに「流行語大賞」改革案!
流行語大賞2004予想・結果と総括(4つ的中)
今年の顔ぶれを見てみると,やはりと思われるポイントが。
基本的に
NHK夜9時のニュースで報道されるに
ふさわしいメンツを選ぶと考えればよいのです。
今年もたかだか一通信教育会社の金で一出版物の編集部が選ぶ
おかしな選考だらけの「新語・流行語大賞」を,9時半頃にしっかり
4分25秒も報道しておりましたよ(VTR後のスタジオトーク含む)。
日本放送協会さまは。
そのニュースの中では小島よしお氏の姿もしっかり映されておりましたが
これが大賞だとさすがにやばいと思うでしょう。
IKKO氏についてもまた然り。
10組ある受賞者の中にオネエキャラの人が含まれている分には
「へぇ,最近はこんな人が人気あるのか」で済みますが,
大賞になってババーンと「どんだけぇ~~~!!!」と言われたら
「なんだこれは?!」おいおいと思う視聴者が出てくるのではないかと。
『ニュースウォッチ9』ではこの2人を最初に紹介してましたけどねw
そういう意味では,自然発生的に産まれた本当の流行語,
「どんだけぇ~」や「KY」は大賞には選ばれにくい,
2004年の「チョー気持ちいい」や今年の「どげんとせんいかん」みたいに
マスコミ発,特にニュース映像発で老若男女誰でも知っている
言葉でないと,大賞に選んだときに,NHKを見たお父さんお母さん
おじいちゃんおばあちゃんの大部分が初めて聞くような言葉では
格好がつかないというわけです。
せめて「お父さんのためのワイドショー講座」で
数週間トップに入るような話題でないと…みたいな基準はあるかもしれません。
今年相当流行ったように思われたKYもニュース等で誰もが見るような
取り上げられ方はしてませんから「何それ?流行ってるの?」と
言われる危険を回避するために外したのでしょう。
選考委員の中に知らない人がいたのかも…さあ誰だろう?
NHKニュースの視聴者相手に賞を選考すると考えれば,
ネットやオタク系の話題は1年~数年遅れるのも説明がつきます。
去年株式上場で各局トップニュースにもなったミクシィについては
選ばれるけれど,「スクラップ&スクラップ」「きしめん」
「1万年と2千年前から愛してる」など数々のヒットを世に出し
今年ネット界で抜群の存在感を見せたニコニコ動画は
選ばれるはずがないということになります。
NHKを基準に考えれば,
当然「猛暑日」はしっくりくる“新語・流行語”ということに。
去年のハンカチ王子(受賞者なしで選ばれてましたね)や
今年のハニカミ王子は選びやすい。
内藤選手は「国民の期待」という言葉の背景を語るにあたって
亀田の影を抜きにはできない・民放的色がついていて
防衛戦後何週間も引っ張れる話題ではないということになると。
まあ露骨に『おしりかじり虫』を選ぶなんて無茶はしなくてなによりでした。
あとは,
今年もあった政治家枠
去年は安倍晋三首相の「美しい国」「再チャレンジ」を見事に排除し
政治家におもねるのをやめたかと思ったら,
あえて避けることはしないようです。
それも,受賞者は与党から呼びます。
(2004年未納三兄弟の菅直人氏が外れ,
サプライズでも何でもない武部自民幹事長が受賞など)
これを踏まえていれば,「(消えた)年金」の受賞者に民主党の長妻氏は
ないということも納得できるわけです。
体制にケチをつける形の表彰よりは,それを解決する立場にある
厚生労働大臣に賞を与えた方が穏便でよいということでしょう。
2002年に「ムネオハウス」で共産党の議員の方が受賞したのは
体制攻撃ではなく特定の悪役を攻撃した形だからでしょうかね。
どうしても女性を呼びたいらしい
去年はイナバウアーの荒川静香さんが海外の大会に出場中ということもあり
1年遅れで「エロカッコイイ」倖田來未嬢を呼んだのみならず
たらこたらこたらこの小学生コンビ・キグルミを呼ぶ始末。
さらに2005年には「クールビズ」小池百合子環境大臣では華が足りないと
思ったのか今さらの「萌え~」を選出し,なぜブッキングしたのか
完全メイド宣言の皆さんを呼ぶ始末。
今年も予想の際に,ふつうに選ぶと女性が入らないので
しょこたんかオグシオ,ギャル曽根の誰かを強引に選ぶかもと
書いておいたら見事に今年の流行語で「大食い」ですって。
ねーよ。まぁ,「メガ○○」を選んだらほとんどマクドの宣伝に
なっちゃうし「フードファイター」もテレ東系?の色がついちゃうんで
一番無難な「大食い」にしたんでしょうかね。
どっちにしてもねーよ。
今年渡辺淳一先生受賞を予想して的中しました
文化人枠。
2002年 声に出して読みたい日本語(明治大学教授・齋藤孝助)
2003年 マニフェスト(早稲田大学教授・北川正恭)
2003年 バカの壁(東京大学名誉教授・養老孟司)
2003年 年収300万円(UFJ総合研究所部長 森永卓郎)
2004年 セカチュー(作家・片山恭一)
2006年 品格(数学者・藤原正彦)
2006年 脳トレ(東北大学教授・川島隆太)
2006年 格差社会(東京学芸大教授・山田昌弘)
で,大前提として言われる
言葉が流行っていたかどうかより受賞者として選びたいかどうか
ですが,出席できるかどうかは考えなくてもよいようですね。
去年「ハンカチ王子」は高野連の壁で斉藤選手の出席は早々になくなって
いたものの受賞者無しで選出されましたし,トップテンのうち
3~4人なら受賞者なしで問題ない。
というようなことを踏まえて来年も予想してみますか。
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「流行語大賞」を読み解く (生活人新書) 木下 幸男 (著) ※予想の際に名前を挙げた選考委員5名の名前はこの本を参照しました。 | 新語・流行語大全ことばの戦後史 1945‐2006 木村 傳兵衛 (著), 谷川 由布子 (著) | 新語はこうして作られる (もっと知りたい!日本語) 窪薗 晴夫 (著) | OLD IS NEW!20世紀語辞典―死語の世界60年代&70年代篇 (文庫) 二見書房 |
新語・流行語で振り返る「今年の空気」~nikkeiBP on Yahoo!ニュース(もり ひろし=新語ウォッチャー)
昨日の発表をみて、選ばれた言葉に少なからずびっくりしました。
まず、ハニカミ王子の大賞受賞。本家?ハンカチ王子は去年、あれだけのフィーバーを巻き起こしたのに、
なぜかトップテン止まりでした。ハニカミ王子が選ばれて、しかも大賞を取るとは思ってもみませんでした。
この二つを見比べると、やはり外部からの圧力が賞にも影響するのかなとか、そんなことを考えてしまいます。
ネットカフェ難民が選ばれたのも意外でした。日本複合カフェ協会が使用を控えるよう要望した時点で、
間違いなく選ばれないと予想していたのですが…。協会がOKしてくれたんですかね?
受賞者は日本テレビでも複合カフェ協会でもなく、新書の著者でした。得意の、間を取る戦略ですねf(^ー^;
「大食い」も、そのまんま過ぎる言葉に驚きました。確かに、メタボの反動という背景もあるのでしょうが、
「メガ」物の先駆である「メガマック」を選ぶと思っていました。
そして、KYの落選。ノミネート語の解説には「安倍(前)首相に関して頻用され」とあり、去年と同様に、
安倍前首相に絡むからという理由で落とされたのかもしれません。しかし、ここまで徹底的に排除しなくても
いいと思うのですが。
どちらにしても、選んだ理由、落とした理由をきちんと知りたいです。
こうして総括してくださると
来年は法則を元に、「予想」してみようかと・・
ちなみに、今年は6個予想で3個入賞
ですが、「KY」を大賞候補に予測して大ハズレ
来年は・・政界、芸能界、スポーツ、ベストセラー
混ぜ混ぜして・・・頑張ってみます!
来年はノミネートされた段階で100%当てる自信がつきました。
私は、何となく選んで、2つ。完敗です。
私も「KY」は入ると思ったのですが、、
それどころか大賞と予想していました(汗)
● Y441さん
わたしの推定できる範囲で申しますと,
ハンカチ王子は流行度からいえば間違いなくイナバウアーと並んで大賞レベルでした(知恵蔵「Word of the Year」でも1位でしたし)が,前々から高野連のダメ出し(アマチュア高校生選手のメディアへの露出厳禁)があったのでその時点で大賞は消えていました。大賞だけは,受賞者が表彰式に出席できてなんぼなので。
ネットカフェ難民は,選考の背後に電通が糸を引いているという説もありますので,それでいくと中小企業ばかりで大きい広告を打つことのない複合カフェ協会のことなど配慮する必要などさらさらないということに。
メガ○○は,マクドの宣伝になってまで表彰するほど流行ってはいなかったということでしょう。要はギャル曽根が呼びたかっただけ。で,『NHKニュースの視聴者対象説』でいけば,◆どうせわかんないんだから◆,「大食い」だろうがバカ食いだろうがチョイモテおやじだろうが,何だっていいんですよ。
KYは,たしかに,去年からの安倍晋三関連語の徹底排除はすごいものがありますね。まあ,ネガティブな言葉ですし,もともと安倍氏とは何の関係もないところから流行った言葉ですから落選の理由は別だと思います。
ともあれ,長く続いていてマスコミが取り上げるから権威づいちゃった感じになってますけど,「選んだ理由・落とした理由」なんてそんなに大したことないと思いますよ。
■スナッチャーさん
基本は各ジャンルの「枠」ごとに選ぶとバランス良くいけますけど,
去年は野球関連で3つ,学者関連で3つ
というふうに年によってジャンルの偏りに波がありますから柔軟に考えるのがいいんじゃないかと思います。
■のびぃ太さん
> 来年はノミネートされた段階で100%当てる自信
いや,でも毎年必ず「交通事故」的選考がありますから…
■ぜんさん
KYは,知恵蔵の「Word of the Year」が今年もあったら
必ず「どんだけー!」と1位2位を争っていたでしょうね。
ですから,あの流行語大賞は私たちや各番組・雑誌などの企画で選んでいる流行語ランキングのうちの1つ,あくまであそこの中での基準で選んでいるにすぎないんで,本当に流行った「流行語」を選ぶのとは別に考えないといけないんですよね。
5つも的中させるとはさすがですね(祝)。
Mr.流行語って所でしょうか??(ヨッ)
ものすごい精査な分析に感服いたしました。視点も,「単に言葉」だけではなく,周辺事情まで考察しており,なるほどとうならせるものばかりでした。
個人的には,「そんなの関係ねぇ」あたりが大賞に来るのかなあ,って思ったのですが,授賞式のことを考えるとあの位置でよかったのかもしれませんね。
小島よしおさんがブレイクしなければ,「欧米か」があの位置だったのかもしれませんね。
去年の大賞には、言葉の意味を重視して「品格」を選んでいながら、
今年は人物重視で「ハニカミ王子」を選ぶなんて、一貫性がないなあ…
と思ったのですが、選ぶ側の事情からすれば(汗)、一貫性があったんですね。
「私の推定できる範囲で」とおっしゃいましたが、かなり的確な分析
だと思います。