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『パフューム -ある人殺しの物語』試写会見ました

2007-02-20 17:15:52 | 本・コミック・かってに配役
いや~,なんといいますか,すごいの一言ですね。
「究極の香りが誘う未曾有の衝撃に,世界はひれ伏す」
ってキャッチコピーですけど,
本当に世界に太刀打ちできるものがいない,超人の物語でした。
スピルバーグ、スコセッシが奪い合った禁断のベストセラー、遂に完全映画化!
最初の熱狂は、1985年のドイツで始まった。ランキング1位を15週連続で獲得したベストセラー小説が誕生したのだ。“どんな読書家でも過去にこんな物語を読んだことはないだろう”そんな挑戦的な触れ込みで紹介された、パトリック・ジュースキントの「香水 ある人殺しの物語」である。超人的なまでに鋭い嗅覚を持って生まれた主人公が、社会の最下層から這い上がって香水調合師になり、この世に一つしかない香水を創り出そうとする物語。しかしそれは、決して創ってはならない香りだった……。奇想天外、前代未聞、破天荒──言葉では言い尽くせない至福の読書体験の噂が国境を越えて広がり、45ヶ国語に翻訳され全世界で1500万部以上の売り上げを記録した。
そんな独創的な物語を映画界が放っておくはずがない。スティーヴン・スピルバーグ、マーティン・スコセッシを始めとする名だたる巨匠たちが映画化を熱望した。激烈な争奪戦が繰り広げられたが、結局は原作者のジュースキントが、頑として映画化を許さなかった。しかし、『薔薇の名前』(86)で知られるドイツの名プロデューサー、ベルント・アイヒンガーの企画に、とうとうジュースキントが同意、完全映画化が実現した。
2006年9月、遂に完成した映画がドイツで公開、実に21年の時を経て第2の熱狂がドイツ全土を覆いつくした。その波は全米へと押し寄せ、早くもニューヨークタイムズ誌が絶賛、“本年度アカデミー賞最有力候補”の声があがっている。20077年3月、次は日本が香り立つ衝撃に満たされる── 。
天才的な嗅覚を持つ香水調合師が創った許されざる香水とは?
18世紀、フランス。類稀なる才能を持つ1人の孤児がいた。彼の名はジャン=バティスト・グルヌイユ。何キロも先の匂いを嗅ぎ分ける驚異の嗅覚を持っていたが、なぜか彼自身の体臭はなかった。やがてグルヌイユは、パリの香水調合師バルディーニに弟子入りして香水の作り方を学ぶと、もっと高度な技術を持つ職人の街グラースへと向かう。グルヌイユは、天使の香りの如き至高の香水を創りたいと願っていた。それはパリの街角で出会い、誤って死に至らしめた赤毛の少女の香りだった。彼はグラースで、赤毛の美少女ローラが放つ運命の香りと再会する。遂に、命あるものの匂いを取り出す技術を 我が物にしたグルヌイユは、禁断の香水創りに着手するのだった……。
ハリウッド屈指の演技派と驚異の新鋭、15歳のミューズの華麗な共演
映画を観ることが娯楽を通り越して快楽となる、この興奮と陶酔の物語にふさわしい、最高のキャストが選ばれた。かつてはパリ随一の香水調合師だったが、今では落ち目のバルディーニには、アカデミー賞に2度輝く、ハリウッドが誇る名優ダスティン・ホフマン。主人公のグルヌイユには、ホフマンに“10万人に1人の才能”と絶賛されたベン・ウィショー。トレヴァー・ナン演出の舞台「ハムレット」で高く評価された新鋭だ。彼が追い求めるローラには、ロンドン生まれの驚異の新人、レイチェル・ハード=ウッド。15歳の新たなるミューズの誕生だ。彼女の父親の裕福な商人リシには、『ハリー・ポッター』シリーズのスネイプ役で知られる個性派俳優アラン・リックマンが扮している。


なんといいますか…
孤児として育ち,超人的な嗅覚を持つ才能ゆえに子どもの頃から
周りの子どもらからも敬遠され,成長していっても数フラン,数十フランで
売り買いされる人夫としてしか見られず,1人の人間として認められ
愛されたたことがないグルヌイユが他人からの愛を切に渇望していようが
体臭がない特異体質で,それ故に誰からも存在を認められないのだと悩もうが
やっぱ殺人はよくないことなので,
いくら主人公とはいえ歯止めのきかない殺人鬼となってしまった
彼の立場で映画を見ることはできず,
むしろもっぱら娘を持つ親の立場で,一刻も早く
凶行に終止符を打ってほしいという思いでストーリーを追っていましたが

…すごいわ。
グルヌイユの存在というか存在感というか,
人智を越えた超人ぶり。
調香師バルディーニの家に入った途端,隠してあったライバル調香師の香水を
かぎ当て,その場で調合室の材料を調合して同じ香りを再現してしまう
…ってのは,そりゃそのくらいやるだろって話ですけど

あれだけ次々と殺人を犯しても見つからない,
街中大騒ぎになって,娘のいる家は日中でも外に出さないで
警戒してるというのに犯行が止まらない。
もう早く捕まってくれと思いながらも呆然と成り行きを見守るしかない
無力感。
一方,そんな人か悪魔かわからないような殺人犯の恐怖に襲われた
街の連中のほうも右往左往するばかりで
ピント外れの対策しかできずダメだこりゃと
突き放して見ざるを得ない展開に。

そう,もう人間を超えたジャン=バティストの所行を
ただただ目で追っていくしかできなくなってしまうんですよ。

グラース一の美少女・ローラが殺人鬼の最大のターゲットだと
確信した彼女の父親は,彼女を男装させて囮の馬車を別方向に走らせて
馬で疾走,崖っぷちに建った宿屋の全室を借り切って
翌朝修道院に逃げ込もうとまでしたのに,匂いだけでそれを見破り
徒歩で迫るグルヌイユ。(しかも,香り抽出機持参で!)

生身の行動ですら常人離れしているのに,
パンフやポスターの写真よろしく,彼が調合した香水まで最強の武器ですよ。
もう誰が彼を止めることができるっていうんですか?!

ここまで人間の無力さというかチンケさを見せつけられると
逆にどこかすっきりした気さえしてしまいますよ。
18世紀の人間はバカで汚くてゴミゴミとひしめき合って
己のせこい欲望のままにのたうち回って生きていって死んでいって
天災や事故やパニックといった大きな力の前にはまるっきり無力で。
そしてふと21世紀に生きる我々もそんなに大差ないんじゃないかと
思い知らされる,そんな映画。

何か心に残るとか何かを与えてくれるといった映画じゃないと思いますけど
キャストの放つオーラや映像,音楽などスクリーンから放たれる力に
ただただ身をゆだねましょう,って,そんな感じですかね。

去年試写会を見て乾燥を書けずじまいに終わった映画で1本,
『ナイロビの蜂』があったんですけど,それといい
今回の『パフューム』といい,なにげに見たら予想外にスケールが大きくて
びっくりさせられました。
ふだんの生活の中では外国映画というとCMバンバン流して火薬やCGで
ドッカンドッカンぶっ放すハリウッド系作品ばかりが印象に残りますけど,
なかなかどうして,重厚でパンチのある作品はけっこうあるもんですね。

関連サイト
映画『パフューム -ある人殺しの物語』 公式ページ
 PERFUME The Story of a Murderer

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香水―ある人殺しの物語
パトリック ジュースキント, 池内 紀
文藝春秋




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2 コメント

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ありがとうございます。 (Chatty)
2007-02-21 12:47:13
トラバありがとうございます。

読み応えのある感想ですね~
そうそう!!そうだった!!って思いながら
楽しく読まさせていただきました。

ストーリーは簡単だけど、
1シーン1シーンが強いというか。

こういう映画あったら、教えてくださいな。
返信する
コメントありがとうございます (d_d-)
2007-02-22 12:14:36
Chattyさん
共感頂いてとても嬉しいです。

要するに「ある人殺しの物語」なんですけど
まさに
> 1シーン1シーンが強い
映画でしたよね。

これからもいい映画に出合っていきたいですね。
ありがとうございました。
返信する

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