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心神喪失:殺人に「無罪」カードは不要

2008-06-27 19:16:33 | ニュース
両親と姉殺害 男性に無罪判決 責任能力を認めず
2008年6月27日(金)13:51(朝日新聞 - goo ニュース)

 茨城県土浦市で04年11月、両親と姉の3人を殺害したとして殺人罪に問われた飯嶋勝被告(31)の判決が27日、水戸地裁土浦支部であった。伊藤茂夫裁判長は「被告には犯行時、刑事責任能力はなかった」として、無罪(求刑・死刑)を言い渡した。
↓ ※更新時刻が同じなのに現在の記事は一部記述が変わっています。
 茨城県土浦市で04年11月、両親と姉の3人を殺害したとして殺人罪に問われた男性被告(31)の判決が27日、水戸地裁土浦支部であった。伊藤茂夫裁判長は「被告が弁識に従って行動する能力を失っていたことは否定できない」として、無罪(求刑・死刑)を言い渡した。
 判決によると、被告は04年11月24日、母親(当時54)の胸を包丁で刺し、姉(同31)の頭を金づちで殴るなどして殺害。その後、帰宅した土浦市立博物館副館長の父親(同57)も金づちで殴り殺害した。
 犯行時の精神状態について、検察側が起訴前に行った精神鑑定は「犯行時、精神病の状態にはなかった」としたが、弁護側が請求した鑑定は「24歳ごろから統合失調症にかかり、善悪を判断する能力は著しく損なわれていた」と、異なる鑑定結果が出され、双方の主張が対立していた。


死刑求刑の男性に無罪=心神喪失と認定-両親、姉殺害・水戸地裁支部(時事通信) - goo ニュース

死刑求刑被告に無罪 「心神喪失」と水戸地裁支部(共同通信) - goo ニュース


兄刺殺の男性無罪 大阪地裁、心神喪失を認定
2008年6月26日(木)16:25(産経新聞 - goo ニュース)

 大阪府八尾市で平成18年、家事の分担を命じられたことに腹を立てて兄を刺殺したとして、殺人罪に問われた無職の男性(43)の判決公判が26日、大阪地裁であり、笹野明義裁判長は「統合失調症により変化した人格に基づく犯行で、善悪の判断ができない状態だった」として心神喪失を認定し、無罪(求刑・懲役7年)を言い渡した。
 男性は、捜査段階の簡易鑑定で犯行当時は統合失調症が重度ではなく、限定的な責任能力がある心神耗弱状態だったとされたが、公判での精神鑑定では心神喪失状態と判断されていた。


実兄刺殺で被告に無罪=統合失調症で心神喪失状態-大阪地裁(時事通信) - goo ニュース

過去の関連ニュースかと思ったら,たてつづけですか…。
どちらも身内の殺人事件。
ちょうど1月前に判決のあった渋谷の妹バラバラ殺人事件も
被害者の遺族が犯人(被告人)の家族ということで
厳しい処罰を望まなかったせいもあってか
兄の元歯科予備校生には懲役7年という超温情判決が下りましたが,
「疑わしきは罰せず」といっても,これはどうなの?
と疑問に思いますね…。

八尾のほうはいかにも突発的事件ぽいですけど
「善悪の区別がつかない心神喪失状態」ってそんな簡単に
(という言い方も失礼ですが)なっていいもんじゃないと思いますし,
茨城のほうに至っては,凶器の庖丁と金づちを買いに行って
3人殺して責任無しって,これはないでしょう…。
裁判長は厳格に法律を適用した結果こうなったというのでしょうが,
世の中に報道される裁判の判決を見ると,
まず結論が先にあって,それに法律をあてはめていくという
順序で組みたてられている節が見うけられる判決が多い,と,
感じるんですよね…。
もしくは,政治(活動)絡みの裁判になると,法律では
反政府的な原告の訴えは認めようがないから賠償請求とか
本筋では否決するけど,日本軍や日本政府は悪かったとコメントつけてみたりとか。

この件,殺された父は博物館長で,祖父は市議会議長も務めた名士だそうですが,
御存命なら祖父サイドからの手心工作があっても不思議では…。

2000年の西鉄バスジャック事件は入院中の精神病院が犯人の少年に
あっさり外泊許可を出した結果起こってしまったように
精神科の診断なんて怪しいという懐疑的な見方もありますわね。
Wikipedia 西鉄バスジャック事件
同じ被告人を鑑定しても鑑定者によって違う鑑定結果が出たりする現状,
弁護側の審理引きのばしに使われたりするだけで
無駄骨という気がしないでもないのは私だけでしょうか…。
そもそも,精神鑑定をいくら正確に診断できたとしても
わかるのは検査するときの精神状態でしょ?
事件当時の本人を鑑定する方法なんてないわけだし。

それにしても,こうやって大きく報道されるから注目を浴びるので,
実際の刑事事件で適用される数は少ないのでしょうけど
心神喪失や心神耗弱で刑の減免がこうやって適用されると,
犯人が異常で残忍で常軌を逸しているほど,
それは同時に被害者に落ち度がないほどに刑が軽くなるという
矛盾を示すことになるんですよね…。

で,他人様に迷惑をかけたのではない家族内殺人となると
さらに適用率アップ!?
となると,ちょっとあぶない家族をもつ人は,
先手を打って殺す側に回るか,
予防策として精神病院に送ってしまうしかないということですね…

精神病院…『ブラックジャックによろしく』によると,
日本国内で一番入院患者の多い科なんですよね。
そして,他の科では考えられないような長期入院の“患者”が多い…。
先日「SPA!」で,精神病院に送られて人生終わりかけた
人たちの体験談を特集していましたが,もう医師側の一存だけで
入院(延長)も退院も思うがまま,出された薬を飲めばどんどん
精神力が減退する患者とか,こっそり飲まずに捨てながら
おとなしくしていたらいつしか「直りました」と退院決定とか,
とにかく一度精神病院に入院させられたことで(特に田舎では)
社会的信用がゼロになったとかETCetc…。
SPA!の特集記事をどこまで信用するんだって話はありますけど
未だ残されている日本の暗部のひとつではあるんでしょうね。

また,何年か前に,雑誌名は忘れましたけど,
家に引きこもっていてやばい状態の人を連れ出して
精神病院に搬送する民間救急士の談話が載っていて
あれも強烈でした。報酬がものすごく高くて国会で問題にされた
こともあるそうですが,家族との準備にかける時間や手間,
実際に連れ出すときに起こり得る危険など考えたら赤字のときもあるとか。
その人はたしか,10年引き篭もりが続いたら
もう(家族が)自力での打開は無理と語ってたと思います。
20年以上引き篭もった男が母親を巻き込んで家の中で
おぞましい地獄絵図が繰り広げられていた話とか…。

話が大きく脱線して,引籠り危険視論みたいになってしまいましたけど
精神鑑定の結果で刑が軽くなりうるという考え方,
どこから始まったものなのかわかりませんが,
時効などの制度と同様,「昔からあるから」ではなく
見直す必要もあるんじゃないでしょうかね…。
(もちろん死刑制度についても見直し論があることは健全だと思いますよ。
 ただ,表に出て来る死刑廃止論者には法を無視してまで主張を
 通そうとする非常識な人が多いのが気になるだけで)

私としては,寝ぼけているときに外部から与えられた
刺激や情報に対して正常とかけ離れた思考や
行動をすることを自分の体験としてもっているので,
正常でない精神状態のときに犯罪を犯してしまった人は
気の毒だと思います。しかし,罪は罪として償わなければ
ならないのではないでしょうか。
少なくとも「無罪」になることが制度としてあるというのは
間違っていると思います。心神喪失や心神耗弱でなくても
執行猶予はあるのですから。

また,「無罪」になって,その犯人(犯罪を犯したことは
事実)のその後を誰がどう責任をもつんだという話も
あるわけで…。

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獄窓記
山本 譲司/ポプラ社
秘書給与詐欺事件で国会議員から一転獄中の人になった著者が見た塀の中は,精神病患者のはきだめのようでもあったのでした。レッサーパンダ男通り魔として知られる殺人犯も,知的障害者およびその家族への社会の受け皿がなくて行き場を失った末の兇行だったとか…。

民間救急救命士の使命と実態―命の現場24時!!
鈴木 哲司
知玄舎

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