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柏崎原発に送り込まれた「北のスパイ」(3)

2010-06-25 | 危機管理情報
週刊文春2010.6.10号掲載ジャーナリスト谷口浩明氏の記事より抜粋します。

しかし、原発関係者は、破壊工作は否定する。「原発内部からの破壊工作(サボタージュ)は、現実味がない。相当な爆発力をもってしても放射能が外部漏洩しない頑強な構造となっているからだ。しかも、入退出時の検査は徹底しており、爆発物を持ち込めるはずもない。また核反応を暴走させようとする試みも無駄だ。二重三重の安全システムが完備されている」

柏崎原発の、1号機から4号機までの原子炉が入る建屋は、地上3階、地下5階(一般のビルなら地上9階、地下15階に相当)と巨大だが、窓がない。

正面の警備は厳重で、屋内でも重要な部屋は、カードで電気錠を解除して初めて、取っ手を引いてドアを開けることができる。管理区域へも、PADという入退出管理システムで登録が必要であるなど、原発全体が厳重なシステムに守られている。

そして、心臓部である原子炉棟は、建屋の中心にあって、エアロックされ、放射能漏洩を防ぐため低圧となっている。ドアは、二重のインターロックシステムで、カード認証で自動で開く。操作している間は、軽やかな音楽が流れる。

ゆえに、内部に潜むスパイの役目として最も現実味があるのは、北朝鮮特殊部隊の誘導だ、と前出の北朝鮮ウォッチャーは語る。特殊部隊は、破壊を行う必要はない。内部に潜入し、占拠すること。それだけで、放射能という言葉だけでも敏感になる日本人へのパニック効果は、絶大だというのである。

前出の北朝鮮ウォッチャーは続ける。「大型貨物船に偽装した『工作船母船』が、北朝鮮にはある。その母船は、日本の近くで、底腹から小型潜水艇を放出。そこに乗った特殊部隊が上陸する想定はあり得る。特殊部隊の原発への侵入方法は、真正面からはあり得ない。警備システムに影響する悪天候の状況で、原発の脆弱な部分が狙われるはずだ。例えば、冷却水の取り組み口―。そこまでするか、という楽観論が支配し、盲点となっている場所だ。そのとき、内部のスパイは、セキュリティシステムを無力化したり、潜入してきた特殊部隊を誘導したりといったサポートを行う危険性がある」

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