インターネットの新保守主義を分析する

以前から興味のあった2chニュース速報の大多数派となったネット右翼と呼ばれる人々の思想の源流と現在の考えを分析します。

ネット右翼はNEETと呼ばれる若者に理解と親近感を持っている

2006年12月16日 | インターネットの新保守主義の源流
ネット右翼たちはNEETと呼ばれている現代の就職しない若者に、彼らより上の世代とは違い理解と親近感を寄せる。またネット右翼の中には自らがNEETだとカミングアウトする者もいる。だからといってネット右翼のほとんどがNEETで構成されているということでもない。またネット右翼は労働問題にとても関心をもっている。反動保守が推し進めている競争社会は資本主義の競争ではないし、権力者が支配し易くするために奴隷同士を競わせていた古代の奴隷制と変わらないと考えている。

ネット右翼はNEETについてこう考える。NEETとは何かしらかの青少年期の挫折によって、無気力になってしまい長期間、閉じ籠もってしまった感受性の強い人たちだ。心を再生して社会に戻ろうとしても社会生活での激しい競争をみたり、他者からの蔑視などによって社会に戻れなくなってしまった人たちであると。

そのような社会の蔑視は日本人であるということの仲間意識さえあれば同じ仲間同士で見下したり争ったりしないのであるとネット右翼たちは主張する。その仲間意識を個々の国民がもてるようにするには地域社会の回復と日本の文化や伝統を守り続けることが重要だとネット右翼は主張する。
ネット右翼たちの求める愛国心とは、共存の為の仲間意識なのではと筆者は思う。

製造業が労働コスト低い海外へ製造拠点を移転したり、技術革新によってサービス業のオートメーション化が進むと、国内で必要とされるのは社会のシステムを管理・運用する人間のみになる。余剰した労働者はそこで新しいサービスの可能性を発見したり、技術を発明したりして新しい労働を産み出す。我々の社会はそのようにして発展してきたのだろう。しかし、我が国では90年代以降発展してきたサービス業とはパチンコ業・消費者金融・ITベンチャー(わらしべ長者)・派遣業のみである。これらはとても法律の曖昧なところに位置するサービス業であると思う。
日本では90年代に大企業が合理化と称して独占のために合併しさらに巨大な権力を手に入れた。そのなかで社内の面倒な業務をより専門化させ、外部委託という形で本体と分離し、本体は指揮・管理系統のみとし、利益とブランドを中抜きし旨いところは残すという形に変貌したために、とても強固な労働者のヒエラルキーが作られてしまった。
経済の上流では企業間の競争もなく従業員の収入も高いような状態で、その下流へ向かえば向かうほど競争が激しくなり従業員の労働内容も収入も酷くなる。これは現代の奴隷制ともいえるもので、民主主義国家としてとても危うい経済構造になってしまっている。
また経済構造について、ネット右翼は政府が経済構造を横(大企業同士の競争)ではなく縦(多層構造)に拡大したことは資本主義的な本来の競争に反し、彼らの考える経済全体の合理性、効率性に反することだと考えている。そしてネット右翼たちは歪みによって日本製品の技術水準や品質を低下させているとよく主張する。
(技術については一部のネット右翼は日本は産業スパイや特許にたいして意識が薄いために中韓の企業に技術者が売り渡したり、特許侵害や海賊版を許してしまい価格の低い劣化コピーが製造されているために日本が大きな損害を被っているのでそれらを厳しく取り締まるべきだとの主張もしているが、それは機会があればニュー速のスレッドなどの発言でまとめたいと思う)

ネット右翼は日本古来の伝統と文化を大事にすることで、社会と隔絶してしまった若者も地域社会の力で再生させることができると考えている。また大企業の既得権を取り除き、競争とは本来の資本主義の競争である企業間の競争を促すべきで、格差を拡大させ国民一人一人に過度に競争を促すべきではないと考える。

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