うっとしい梅雨空の東京を離れこの日の夕刻、ニューアーク・リバティ国際空港へ。
飛行機から外の景色を眺めていると雲の切れ間から、どんよりした色合いで地上の街並みが少しずつ近づいてくる。窓にはポツリポツリと雨粒もぶつかり始めた...
そもそもこの時期にニューヨーク行きを決めた理由の一つに、かねてから思い描いていた“梅雨時の日本を脱出し外国へ高飛びする!”という、海外旅行の理想というか、自分にとってのささやかな(?)夢があったからなのだがそれなのに、この鉛色の空は日本を出発する時と全く同じ(笑)。
しかも搭乗前に“天ぷら”を食べた直後から少し胸やけ気味だったのが、気流の関係とやらで途中から飛行機が激しく揺れたため、乗り物酔いのような症状を起こし酷く気分が悪い(笑)。
それでも何とか気合を入れ直し、エアトレイン(モノレールみたいな無料の乗り物)とニュージャージー・トランジット(鉄道)を乗り継いでマンハッタンへ向かう。
エアトレインの車内で大きな荷物キャリーを持った女の子から 「Are you from Japan? , Holidy?... 」
などと話しかけられる。
そこで短時間の車中ではあったがしばし雑談(もちろん英語だよ!)。プルーギー、という国(ポルトガル?)から仕事でやって来たという彼女、褐色の肌と知的な表情が印象的... うん、楽しい滞在になりそうな気がしてきた!
そして無事タイムズスクエアの中心から少し歩いた住宅街にあるアパートメントへ(写真)。
雨はいっそう激しさを増し、まるでスコールのよう。
アパートメントで待っていてくれた案内係の女性によると、季節の変わり目にあたるこの時期は天候が安定せず、雨の日が多いんだそう。
それってまさに日本の梅雨と同じぢゃありませんか。
ニューヨーク、そしてアメリカ(英語、といったほうがいいかな)には“梅雨”などという季節を詩的(?)に表す言葉がないだけなのでは??
“梅雨時の日本を脱出し外国へ高飛び”という、俺の理想が音をたてて崩れていく...