モモの京都・祭事日記

2010/4/~2011/3の京都日記を記載。
観光情報サイトと言うより、自分の記録帳です。

10月12日

2010年10月12日 | 10月
9/3~10/19   秋涼の特別展…【高台寺】
10/8~10/12  法然上人八百年大御忌記念五重相伝…【百万遍知恩寺】
10/9~12/5   銀閣寺東求堂公開…【銀閣寺】
10/12~10/13 御会式万燈会(9:00~20:00)、フリーマーケット…【妙蓮寺】
10/9~12/5   秋の特別公開…【金戒光明寺】

【金戒光明寺】→【迎称寺】→「セカンドハウス」

秋の特別公開…【金戒光明寺】
つい先日、チラシを見付けて山門の特別公開をしていることを知る。
一緒に御影堂の拝観も出来るので、料金は別だがいっそのこと…と思い両方行っちゃう。
いやホントは山門だけのつもりだったんだけど…。
受付で「山門だけでいいんですか?」とダメ押しのように聞かれ「じゃあ」ってなもんで。
山門は800円。
御影堂・大方丈・庭園600円。
共通券はないのだった…。1400円か…映画がひとつ見れたな。

御影堂はこちら。中で大方丈と庭に繋がっているので、靴を脱いで行く(靴はビニルに入れて持つ)


中はもちろん撮影禁止。メモメモ。
御影堂なので、中央には御本尊がずんと座っておられる。
が、私の興味は中央よりその両脇に。
「幢幡(どうはん)」という物がふたつ、天井から吊下がっている。
天井までは8mあるのだが、それは6mもの巨大な、ううん例えが思いつかんな、
気になる人はググって下さい(投げやり)
意外にも非常に新しい物で、完成したのが22年の9月!
おお、京都新聞にも載ってるじゃん。これこれ。
3年もの歳月を費やしたらしい。
こういうのを造る人と言うのは、何て言うんだろう? 仏具職人とか? 凄いよ。
説明書きによると、胴彫刻(胴まわりの彫刻)は、
雲中菩薩(【平等院】で有名な[と言うか最近見たからそこの例えしか出来ない]、阿弥陀如来の周りを飛ぶ菩薩像)40体のレリーフ。
笙とか笛とか琵琶とかを奏でている菩薩さんだ。
この大きさは世界でも最大級なんだそう。最大級と言われてもなあ…。他にどこがあるんだろう?

左側には、運慶作と伝わる文殊菩薩の像。これがかなり大きい。
しかもなんと獅子に乗っている。かっちょいい。
更に、獅子の手綱を持っている優填王(うでんおう)もかっこいい。
その後ろっかわにコッソリと立っているおじいちゃんは、最勝老人。
あ、この人【三十三間堂】にも居た人じゃない? ちょっと幸薄そうなやせ細った老人。
うわ、写真あったよ。なんと京都市のサイトに。
結構あるもんだな…。


本尊の裏側を通るかたちで、右側へ。
その裏側に、30センチくらいの象の、多分香炉が置いてあった。
気になる。凄く気になる。これは何ですかと誰かに訊きたい。
象さんが寝そべってくだを巻いているような像(シャレじゃない)
うーん…。いつかまた訪れた時にもあったら、嬉しいな。


本尊右側には、吉備真備観音という観音像が。
真備さんが遣唐使として日本に帰って来る時に、船が難破しそうになったんで、
お経を唱えたらたちまち波がおさまって無事に帰還することが出来たそうな。
その荷の中に、香木があって行基さんに頼んで仏像を造って貰った。
だから(こじつけとか言わない)通称、吉備観音と言うそうだ。

そのお隣に真備さんの坐像もちゃんとある。
ふーん、結構怖い顔しているなあ…。
「大仏開眼」で真備さん演じたあの人…(名前出ないし…)とはかなり違う顔つき(当然だ)
衣冠束帯に冠の立派なお姿。等身大よりはちょっと小さい。
これも説明書きにあったのだが、「学者から立身し、大臣までのぼりつめたのは吉備真備と菅原道真だけ」
だって!!!(道真ファン)


ところでこの【金戒光明寺】通称黒谷(くろだに)さんは、幕末に新選組のオーナ・松平容保公の本陣として使われたわけだが。
なんと…、御影堂と大方丈は、昭和初期の失火で焼失したんだって…。
その他は往時のままと言うが、うう。
方丈には謁見の間と言って、近藤勇が容保公に拝謁した時のお部屋とかあるのに、あくまで再建(再現)だそうで。
いくらコッソリ襖の取っ手を触ろうとも、新選組の誰かが触れた可能性は無いわけだ。
あ~あ、哀しい。

手前御影堂からの渡り廊下を進み、方丈の中へ。


枯山水の庭園。


ここにある門は、外からも見える。まあ当然出入りは出来ないのだが。


この先の方丈の中も撮影禁止。
その謁見の間は三段に分かれている。奥に行くにつれて高さが生じるわけだ=身分の高さ。
おお、あの最奥の、畳がふたつ重ねられて更にその上に座布団が置かれた、そこに容保公が座り、
手前の畳の上に近藤さんらが座ってお話をしたんだあ~~。ロマンだ~(と突然テンションが上がる)

襖で遮られたすぐ隣の部屋は、仏間。
源信作の阿弥陀如来像←つつ、つまり平安時代の仏像だ!
その右には法然上人の涅槃図(亡くなった時の図)これが絵でなくて木造。
木造の涅槃図は極めて珍しいそうだ。
確かに、立体的な涅槃図なんて見たことないな。
それは厨子に入っていて、木造の法然さんの後ろには絵で弟子が描かれている。
言っちゃ悪いが、ジオラマみたいだ…。背景の絵があってその手前に立体があるって。

更にそのお隣が、虎の間。
奥の襖に、なんとも隆々としたカッコいい虎が描かれている。
ここで解説者がご登場。
入室は禁止なのだが、解説の人がすたすたと入り込んで行って、何をするのかと思えば、
虎が描かれた襖をちょっと開けた。
すると! 面白い!!
普通に、全ての襖を閉じていれば、虎は3頭。
しかし左端の襖を半分くらい開けると、そこに描かれている虎の頭と、
その隣の虎の胴体が繋がって、2頭に見えるという遊び心が隠されているそうな。
言葉じゃ説明出来ないよ…。ああ、映像を載せたい。

そういう遊び心とか関係なく、めっちゃカッコいい虎だから。
ちょっとねえ、絵なのに惚れそうになった。
あの絵がポストカードとかになってくれればいいのになぁ~。
(襖絵の、遊び心も忠実に再現したタオルは販売している。買わなかったが)


方丈から靴を履き、庭園へおりる。

なんでもこの庭園、法然さんの一生を表しているらしい。
説明を見ないと一向に分からないが、石や木を法然さんに関わった人達に見立てて、
「これは修業時代」「これは布教時代」とか3つに分けているそうな。
説明のパネルも撮ろうと思ったんだがねぇ…。
解説者の人に声をかけられて(歴女ですか? と訊かれた/笑)なんとなくやめてしまった。
撮ればよかったなあ…。


茶室。ふたつの茶室が建ち並んでいるのだが、こちらは入れない。


こちらは入室可。ただい500円でお茶を頂く場合のみ。


茶室前。


順路に従って奥に行くと池がある。こんなに奥行きがあるのか…と驚く。

池の中央辺りに小島があるのだが、その小島のはじっこに石がぴょこっと出ていて、
亀の頭のように見えるから「亀石」と名付けたそうだ(解説の人に教えて貰った)

なんとも可愛いことじゃないか。言われてみればそう見えちゃうし。
ちなみにこの小島へは渡れない。

池をぐるりと回るかたちで、石畳や石段が続く。
その石段に埋め込まれた亀ちゃん。これも教えて貰ったのだが、順路を示しているそうな。

可愛い話じゃないか。でも最近っぽいなあ。江戸時代からこうなのか?

折り返しターン。緑の綺麗な池。きらきら光る。


水道…? 竹筒を伝って水が流れている。
しかしその水をどうやって引いてるのか不明。電気かしら?


裏は竹林。いやあ、いいねぇ…。


順路としては、先ほどの茶室のあるところに戻って終了。



最後にお土産コーナみたいな所に行き退出。
折り曲げると3頭が2頭に見える虎のタオルとか売ってる。

方丈庭園はこれで終わりだが、まだ山門があるんだった。
いやあ、あははは。
なんかねえ、わたくし、「山門拝観」の意味を知らなかったらしい。
なんつーか、漠然と字面しか見てなかったって言うか、いや字面だけでも見てりゃ意味分かんだろ。
しかも初めてこのお寺来たわけでもないのに。
山門っつったらあんた、門だよ、門。
その山門を登ってんだから!!!!。


絶景かなじゃねーよ!!(誰にキレてんだよ)
こえーよ! あたし高所恐怖症なんだよ! 忘れてたよ!

チケットの半券をちぎってもらってですね、その受付の人に「すみませんねえ、上での写真撮影は禁止なんですよ」
とか説明を受ける。なんでも、近所の人から「プライバシィ侵害だ!」ってクレームがあったらしい。
そんな…。東京タワーや京都タワーにも展望台があって、双眼鏡で人んちのベランダ丸見えですが。
京都の人はお硬い…。いや、何か嫌なことがあったのかもしれないし…。
心無い人が、人んち覗いた写真とか、掲載しちゃったのかもしれないから…悪いことは言えないが…。

死ぬ思いで登った私が見た、絶景をなんどもお載せしたかったよ!!!

「では、どうぞ」と促されて、山門へ通じる階段を見た瞬間の私の気持ち。
あ、やばいって、思った。

これが急でねぇ…。
昔の階段ってなんでこう急なんだろうね? 昔って、昭和くらいでもそうよ。
ホント、階段に対して色々配慮がなされたのって、平成からだよね。
ちょっと古い、例えば田舎のおばあちゃん家行っても、階段急だもんね。
何をそんなにグチグチ言ってるのかって!
急で暗くて、先が見えないんだよ!
手すりはあるけど、更に紐がついててね。
紐にすがるようにして登ったよ。

【金戒光明寺】って、ちょっとした山の上にあるんです。
既に山なの。お分かり? 山門の下でさえ、海抜80mなんだって。
でね、その地上から山門の上までは20m弱あんのね。
つまり何かい? 海抜100mの所に立っているのか、あたしは。

いっそ山門の上(テラス)からの眺望はすがすがしい程に美しく、いいなぁと思ったが、
その、階段を上り切ったところからテラスまでの僅かな間がねぇ、ひじょ~~に怖かった。
風吹いたら落ちるから、あたし。この狭い幅じゃあ。
嫌~な汗が背を伝う中、山門の上に到着。
上と言うか、中ですね。そこには阿弥陀如来像などがズラッと並んでいるのだ。
そこにも解説者の人がいて(御苦労さまです! こんな高い所に!!)話によると、
右から3番目(2番目っつったかな?)が釈迦さんの息子の像だって。
ラーフラ!! ラーフラかい君は! 肝心のお父さんがどれだか分らなかった(ここにはいないのかな?)

そういう仏像が安置された山門をくぐり、人は清らかな気持ちでお寺をお参りするそうだ。
山門には必ず仏像が入っているそうだ。へええ…知らなかった。
低い天井には、龍の絵が描かれている。
有名な八方睨みとかの龍図ではないが、背が高い人なら届いちゃうくらい近くに龍の絵がある。

解説者の人がいい人で(だいたいいい人だ)、眺望を見ながら、あっちが大阪であっちが東海道で――と教えてくれた。
今日も天気は良かったが、更に良ければ大阪の天満の辺りがはっきりと見えるそうな。
今は建物やビルが連立しているが、当然幕末期にゃそんな物はない訳で、
この山門に登ればどこから軍勢が向かって来ようとも一目瞭然!
「近藤も土方も、この山門に登って偵察してたんでしょう」って言われたがそれはどうか!?
新選組はこの山門を登れたのか? 会津藩士でもないしねぇ…。

あー、死ぬ死ぬとお寺の中だってのに私は心の中で繰り返しつつ、また急な階段を下る。
怖かった。本当に怖かった。膝震えたもの。
怖すぎて体が寒くなったので、帰りがけにケーキなんぞ買う。甘い物甘い物…。


【迎称寺】
非公開の寺だが、外側の土塀は萩の名所である。



東今出川通沿いにある、セカンドハウスというケーキ屋さん。
一個一個のケーキでかい。それなりに値はする(420円だったかな)

イチゴのショートケーキなんて久々に買ったな。

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