アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

北陸に行ってきました

2016-11-12 | 旅行

先週は、富山インド協会のお招きで講演するために初めて富山に行きました。泊まったホテルの前は城址公園になっていて、すでに紅葉がきれいです。


ここから徒歩ですぐの総曲輪商店街に行ってみたのですが、平日の夕方だったのと結構雨が降っていたためか、人通りはまばら。きれいなクリスマスツリーが輝いていました。その夜は、大学時代の後輩夫妻と一緒に、おいしい富山料理をいただきました。


翌日はこの秋一番の寒さとなったものの、講演は泊まっていたホテルで行われたのでとっても楽。このホテルも富山インド協会の方がアレンジして下さったのですが、担当者のKさん(下写真右)はメールのやり取りがものすごく行き届いていて、結構お年の方かと思っていたらお若い方でびっくり。富山インド協会は北日本新聞社に事務局があり、Kさんも最初は記者入社で現在は経営企画室所属となり、事務局のお世話をしておられるのだとか。2011年に発足した富山インド協会の会長は板倉北日本新聞社長(下写真左)で、この日の講演会には地元企業を代表するような方々が参加、ロータリークラブの日印協会版といった感じでした。


この日はインド映画に関する一般的なお話をし、富山でロケしたテルグ語映画『Something Something』(2013)の映像をYouTubeで見ていただいたりしたのですが、その後の昼食会で富山フィルムコミッションの方とお話することができ、ご一行様のロケの様子をうかがうことができました。まずは、富山ロケのシーンを見ていただきましょう。

Chinna Maata full video song | Something Something

この時のロケ隊は約20名で、主演男優シッダールトと主演女優ハンシカー・モートワーニーと共に、監督やカメラマンなど、全員がインドからやってきたそうです。ハンシカー・モートワーニーには母親が同行していたそうで、いわばお目付役兼お世話役だったのでしょうね。一番頭を悩ませたのは全員の食事で、東京からインド料理のシェフを招き、キッチンを借りて毎回インド料理を作ってもらったそうです。どのお料理もインド料理店の料理よりずっとおいしく、フィルムコミッションのスタッフも一緒に食事を楽しんだそうなのですが、困ったのは借りていたキッチンにスパイスの臭いがもろ移ってしまったこと。青少年施設のキッチンとか2箇所を借りたそうですが、いずれも苦情発生状態だったようです。時間があったら、もっといろいろお話を伺いたかったんですが...。女性スタッフのA.K.さん、貴重なお話をありがとうございました! なお、富山フィルムコミッションのHPはこちらです。下の3人の方が皆様の相談に乗ってくれますので、ご存じのインド映画製作者がロケ地に困っていたら教えてあげて下さいね。


お仕事終了後は、富山駅から3路線が延びている路面電車に乗りまくり。富山大学前に行き、環状線に乗り、南富山駅まで行き、と、3時間ほど楽しみました。下は富山駅の乗り場です。


富山地方鉄道のHPはこちら。電車の車体は、懐かしい従来型と、ポートラムという愛称の2両連結式のがあるようです。将来は新幹線の下をくぐる路線を作り、新幹線とポートラムのツーショットを実現させようという計画もある、とKさんが話してくれました。この日は寒かったせいか、従来型は座席下の暖房が熱いぐらいでした。これなら、雪が降っても大丈夫ですね。


途中、ガラス美術館が入るTOYAMAキラリ(隅研吾氏設計だとか)があったり、神通川を渡ったりと、あまりダイナミックな景観の変化はありませんが、それなりに楽しめます。


というわけで、路面電車の旅を楽しみ、その夜は金沢へ。「インド通信」の仲間で金沢星稜大学に赴任した友人と、おいしい加賀野菜の創作料理をいただいたのでした。金沢と言えば、北陸新幹線開通時によく登場した金沢駅が有名。すでに、樹木には雪囲いが施されていました。


でも、富山でもそうだったんですが、駅前に主要都市銀行の支店が全然見当たらない! 必要があって両都市で捜したものの、みつからずググってみたら、富山は某都市銀行など空白地帯であることが判明。ちょうど金沢駅前で「振り込め詐欺防止」のチラシを別の都銀行員の方が配っていたので、直撃してみました。金沢では、香林坊という銀座みたいな所には各都銀の支店が集まっているのですが、なぜ駅前に支店がないのかということについては、「ご不便をおかけします」とうまくはぐらかされてしまいました。「今、郵貯銀行やコンビニATMで、月4回まで手数料なしで引き出していただけるプランをご案内中です」と言われたのですが、地元の地銀が強いんでしょうか。富山でも赤い看板を見て、「あ、あそこに捜している銀行が」と思ったら地銀だった、というのが何回かありました。北陸の謎はいろいろあります...。


北陸の謎といえば、突出してセンスのいいお店があるのも、富山、金沢ともに共通でした。場所的には洋品店と呼びたいようなお店ながら、銀座にあっても違和感のないお店を富山ではたくさん見かけましたし、地元の食材を使ったセンスよさげな日本料理店はもちろん、フレンチやイタリアンのお店も両都市であちこちにありました。下は富山の学校制服店なのですが、ビルに付けた店名のデザインに脱帽。

金沢での観光は、偶然見つけた四高記念館(父が四高の卒業生)と、友人に教えてもらった鈴木大拙館へ。四高記念館は香林坊からすぐの所で、兼六園に行く途中にあります。こんな賑やかな所で勉強していた(というか、していなかった)のか~、と古い校舎を巡ってみました。


鈴木大拙館は、欧米からの訪問客が多いようでした。シンプルな建物ですが、庭に植えてある楠の木が不思議なフォルムを形作っていて、まるでそこから空の中へ行けるような気がします。


中庭にある池には、紅葉した落ち葉がいろいろ浮いていて、それがゆらゆらと揺れて万華鏡のようでした。著作が置いてあって、座って読める部屋もあり、友人が「もう3度ぐらい行った」というのがうなずける、シンプルで広がりのある空間でした。


あとは近江町市場へ。欧米人のほか中国人や香港人の観光客も多くて、果物や海産物をあれこれ物色していました。


友人に聞いた話ですが、外国人観光客は富山に泊まって、そこから金沢に日帰り観光する人もいるそうです。そう言えば、富山駅前にやたらとホテルがあると思った...。金沢駅前にもホテルがいっぱいあるのですが、金沢のホテルは高いため、ツアー客は新幹線で30分の富山に泊めて、ということなのかも知れません。北陸新幹線にも乗れて、一石二鳥ですしね。北陸の事情がいろいろわかった、今回の旅行でした。お世話になった皆様、ありがとうございました! 

 


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4 コメント

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Unknown (りからん)
2016-11-16 22:06:25
cinetamaさん、遅くなりましたが、
TIFFでは久々にお会いできて嬉しかったです!

北陸出張、元気に鉄子ぶり?も発揮されていて、
いろいろな片付けも風邪も一段落されたのかなーと、読んでホッとしています。

ちなみに地方(少なくとも同じ日本海側の地方都市)では、鉄道は住民のメインの足ではないことが多い(皆、車を運転)ので、駅前に銀行があるとは限らないですね。
都市銀行も多くなくて、目立つ場所にあるのはその地方の地銀だったりします。

富山はちょっと縁があって何回か行ったり、出身の知人がいたりしますが、
まっすぐな、いい人が多い気がして、
私は好きです(^^)
返信する
りからん様 (cinetama)
2016-11-17 01:30:20
コメント、ありがとうございました。
TIFF、お疲れ様でした~。

次はフィルメックスなんですが、私、もしかしたらお目に掛かってもあまりお話できないかも。
ちょっとよそよそしくっても許して下さいね。
(そのわけは、フィルメックス公式サイトに)

北陸はおっしゃる通り皆さんの足が車なんですね。
とはいえ、市内はバスのほか、路面電車、地元鉄道などががんばっていて、「鉄ちゃん」としてもなかなか楽しい土地ではあります。
私は風邪が治りきらないのに2日間外で遊んでしまって、いまだに咳をしています。
一昨日とうとう病院に行ったので、この山のような薬を飲めばよくなると思うんですが...。

りからんさんも風邪に気をつけて下さいね~。
返信する
明日からfilmex (りからん)
2016-11-18 09:45:42
明日からですね。
はい、ラインナップ発表会見記事で存じております(^^)おつかれさまでございます。
TIFFと違ってヘビーな作品が多くて大変そうですね…。咳も治まって無事に終了しますように!
返信する
りからん様 (cinetama)
2016-11-18 19:54:31
コメント、ありがとうございました。
&ご理解、ありがとうございますぅぅぅ。

作品についてお話ができないのは,ホントつまらないですよねー。
咳も思い出したようにまだ出るので、山ほどアメを持って行きます。
大阪のおばちゃんの面目躍如です。
(アメ、ほしかったらゆうてや~)
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