アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

韓国映画で徐嬌ちゃんと再会

2013-08-25 | 韓国映画

本日は韓国映画の2本立て。そこで、『ミラクル7号』の徐嬌(シュー・チャオ)ちゃんと再会しました。『ミラクル7号』 (2008)では男の子役だった徐嬌ちゃん、その後何本か女の子役で出ていますが、今回見た映画では一挙にミドルティーンになっていました。その映画とは韓国映画『ミスター・ゴー』。ゴリラが野球選手として活躍するお話で、「ゴ(ー)」は「ゴリラ」の「ゴ」のようです。旅行の最初の地バンコクでもいっぱい看板を見たのですが、タイでは韓国映画はタイ語吹き替えになっていることが多く、見るのに二の足を踏んだのでした。タイではどうも韓国旅行が当たるらしいキャンペーンもやっていて、その看板をパチリしました。

香港では「超級巨猩」というタイトルで上映中。その看板を見て初めて、ゴリラの飼育係の女の子が徐嬌ちゃんだと知った次第です。予告編はこちらです。そうか、オリジナル版では冒頭徐嬌ちゃんは中国語をしゃべっていて、ハングルの字幕が出るのですね。実は今日見たのは広東語吹き替え版で、3D上映でした。韓国語のオリジナル版を上映している所を探したのですが、見つからなかったのです。しかも、映画が始まってびっくりしたことに、広東語吹き替え版は字幕一切ナシ。お子様向け作品なので、字幕をつけてもしょうがない、ということなのでしょうが、広東語以外の母語の人(例えば、中国大陸の人)が見る時は困るでしょうにね。

3D上映はどこの映画館も料金が高く、特に今日は日曜日だったのでシニア料金でも80香港ドル(約1000円)。正規は90香港ドルでした。中には125香港ドルとかの設定になっている所もあり、日本の映画料金と変わりません。土日や夜は高く設定されている代わりに、その日の1回目の上映は土日でもちょっと安くなります。今回はランガムパレスのUA朗豪坊で見ました。

3Dにはメガネが必要になりますが、香港ではチケットを買う時に「メガネ、持ってますか?」と聞かれて、「持っていない」というと6香港ドルで買わされます。「ずっと使えますよ~」と言われたものの、毎回の香港旅行に持ってくるのもなー、という感じ。でも、『ミスター・ゴ』は3Dの方が正解でした。野球のボールが真っ正面から飛んでくるので、その迫力たるや、思わず座席で身をよじるほど。

お話は、中国の辺境にいるサーカスから始まります。祖父(ピョン・ヒボン)が亡くなりあとをついだ薇薇(徐嬌)でしたが、サーカスには多額の借金があってヤクザが乗り込んで来たりします。彼女には、一緒に育ったゴリラが一番の友人なのですが、そのゴリラの打撃力を見込んで韓国から野球チーム「ベアーズ」の凄腕代理人(ソン・ドンイル)がやって来、薇薇とゴリラはソウルへ行くことに。打席に立つとホームラン、というゴリラの名選手は大人気になりますが、中国のヤクザたちはサーカスに残るもう1頭のゴリラの投球力に目を付け、韓国のライバル球団がそのゴリラを招請することに。こうして、2頭のゴリラによる投打対決が実現しますが....。

監督は、『カンナさん、大成功です!』のキム・ヨンファ。ゴリラのCGがとてもよく出来ていて、まるで本当に出演しているみたいです。徐嬌ちゃんは『ミラクル7号』の七仔ことナナちゃんに続き、CG相手に大熱演。また、イヤミな代理人役ソン・ドンイル始め、韓国側の俳優(キム・ガンウも出演してます)もきっちり仕事をして楽しめる映画になっています。とはいえ、野球が打撃力というか、まさに打つパワーだけでOKという描き方は少々説得力に欠けます。やっぱり子供向けかなあ、と思ってしまいました。香港のお子さんたちは、終了後「面白かった!」と言ってました。

続いて、徳福戯院で見たのが『7号室の贈り物』。今年の冒頭、思いがけぬ大ヒットとなった作品です。『王になった男』などのリュ・スンリョンが主演しており、その成長後の娘役でパク・シネが出ています。ストーリーは、知的障害のあるヨング(リュ・スンリョン)は娘イエスンと楽しく暮らしていたのですが、ある時女児暴行殺人事件の犯人として逮捕されてしまいます。女児は転倒事故で死亡したのですが、彼女の救命をはかったヨングの行為が暴行と思われてしまい、結局裁判で死刑が確定してしまいます。

ヨングの入った刑務所の7号室にはいろんな罪で捕まった男たちが入っていましたが、牢名主とも言えるヤクザの兄貴分(オ・ダルス)の命を助けたことで、ヨングは彼から「ほしい物があったら何でも差し入れしてやる」と言われます。ヨングが頼んだのは、「娘のイエスン」でした。同房者たちは知恵をしぼり、イエスンを7号室に連れ込みますが...。

おなじみの脇役俳優がたくさん出演しているほか、チョン・ジニョンも刑務所長役で出演しています。韓国の刑務所が結構融通がきく所だ、というのは『ハーモニー』 (2009)という作品で知ったのですが、本作でも「ホント?」というシーンがあれこれあります。リュ・スンリョンがこれまでのいかつい役から一変して、カワイイとも言える父親役でがんばっているほか、子供イエスン役のカル・ソウォンちゃんが名演技! 泣かせてくれます。日本でも公開されるといいですね。

さて、帰ろうと思って地下鉄の九龍湾駅に上がったところ、遠く駅前の原っぱで何やらやっている気配が。実は、いつも拝見しているブログ「きたきつねの穴」にある写真が出ていたのですが、ひょっとしてこれでは? と思い、駅のホームからUターンして見に行くことに。 

 

行ってみると、やはり盂蘭盆のイベントでした。道路端に花聯(だっけ?)がたくさん立っています。牛頭角地区のいろんな会社や団体が集まって、盂蘭盆期間の間、この広場で廟へのお参りと共に供養の数々を繰り広げているようでした。

ここは九龍湾駅の北側なのですが、元々廟があって、その回りだけ原っぱで残しているのでしょうか、再開発から逃れているようです。境内には、いろんな展示(?)があったりして、あとで由来を調べてみようと写真を撮りました。

伝統演劇の衣裳をいろいろ飾っている(のか?)一画です。下は、廟とは別に祀ってあった神様です。

「大戯」と呼ばれる伝統演劇の舞台らしきものもありました。

そのあたりにいた役員らしき人に「ここで何の劇をやるんですか? 潮州劇ですか、それともエツ劇(広東地方の演劇)?」と聞いてみると、「広東海陸豊白字劇だよ」と教えて下さいました。「広東陸海豊」は、知人の研究者志賀市子さんの2002年の論文「広東海陸豊地域の民俗宗教」の中で、「海陸豊地域とは、広東省東南沿海部に位置する海豊県、陸豊県の二県に跨る地域」と説明されています。そして、「海陸豊の地方劇には、中原官話で演じられる北方系演劇の西秦戯、正字戯と、福話で演じられる南方系演劇の白字戯がある」とも注に書かれていて、これなのか~、と思った次第です。「7時半から始まるから見ていけば?」と誘って下さったのですが、この日は晴れたせいかすごい暑さでこのまま野外にいる自信が持てなかったのと、時間がまだ早かったので失礼してしまいました。もし、「きたきつねの穴」さんと同じ場所だとすると、後日そちらのブログに報告が出ると思うので楽しみにしています。

暮れなずむと花聯に光が灯り、いっそうきれいでした。そう言えば、ずっと前から気になっていた馬湾の大戯も一度行ってみなくては。まだまだ香港、奥が深いです。

 


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2 コメント

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Unknown (きたきつね)
2013-08-26 15:53:30
こんにちは。ご紹介ありがとうございます。
香港、すれ違いだったんですね。でも、同じ空の下にいられたとわかって嬉しいです。
写真の花聯、バスの車中から見ました。牛頭角下邨という団地の跡にできていたものだと思います。降りたかったのですが雨なので諦めました(すごかったですね、24日の雨)。
こちらのブログに乗せたのは佐敦道沿いのジョージ5世公園のです。盂蘭盆は廟に関係なく街のあちらこちらで行われているようで、いいものを見ました。
香港、暑くなりそうですが、お気をつけて!
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きたきつね様 (cinetama)
2013-08-26 23:47:42
早速のコメント、ありがとうございました。

佐敦でもやっていたのですね。九龍駅の上の映画館に行く時、佐敦道を歩いて行ったのですが、天橋(歩道橋)からもっとあちこち見回せばよかった! 来夏もし行けたら、チェックしてみます。
ブログを拝見したのですが、劇が字幕付きとはすごいですね。まさしくそれなら、「モウマンタイ」です。本当に、いいものをご覧になりましたね。

実は、今日、日本に帰着しました。もう1回ぐらい、旅ネタを書きたいと思っています。きたきつねさんのブログも、猫が出演する記事など楽しみにしていますので、どうぞよろしく~。
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