卵が先か鶏が先か、誰でも幼い頃考えた事があると思います。
この問いは、取りも直さず自分の出自への問いかけともなります。
自分の親の親の親の…
果たして自分の大元の祖先はいったい誰だったのだろう?
古代の人達もこの問いかけをしていたはずです。
そして、延々と限りなく続くであろう元祖さがしの終焉を祖神としたのだと思います。
《チ(乳)》
人間を含む哺乳動物が生まれて初めて求める物は何でしょうか?
カンガルーの赤ちゃんは2センチ程ですが、産まれてすぐ母親の乳を求めて母親の袋へ移動していきます。
人間を含む全ての哺乳動物の生まれて初めての欲求は、乳を飲む事です。
言葉は話せなく、目も見えない。
大した能力を持って産まれてくる訳ではないのに、乳を飲むという欲求だけは持って産まれてきます。
いや、この乳を飲むという欲求こそが大した能力なのです。
乳を飲むという欲求がなければ、赤ちゃんは成長し他の能力を伸ばす事が出来ません。
生存すら出来ないのです。
私はこの事に気付いてようやく
「チ」という言葉と、神霊を表す「チ」の意味を理解出来た気がしました
これほど人間の根源的な欲求を表す「乳」ですから、古代においてかなり初期の段階に言葉が生まれた事は用意に想像できます。
根源的な欲求を表す原始的な言葉なら、1音で表現したと思われます。
現在は「チチ」の2音で表現しますが、言葉の成立当初は「チ」であっただろう事は間違いないのではないかと思います。
古代の人達は「チ(乳)」は人間を育む神聖な物と考えた事でしょう。
また赤ちゃんを育てる「チ(乳)」は、同じく赤ちゃんを育てる「親」とも関連付けられた事が考えられます。
親を表す古い表現に「津父(ツチ)」と言う表現があります。
「~の父」という意味です。
元々は「父」だけではなく「母」を含めた「親」を表現していたのではないでしょうか。
家長である「父」の方が、この表現を良く使われたのかもしれません。
「ツチ」→「チチ(父)」
となったと私は思いました。
「チ(乳)」は「チ(親)」となり祖先をも表す言葉になった事が考えられます。
自分の「チ(親)」の「チ(親)」の「チ(親)」…「チ(祖先)」…
そして延々と続く祖先の大元に思いを巡らし、
祖先の「チ(親)」は祖先神の「チ(祖神)」となったのでしょう。
祖先から住み続ける大地は「チ(祖神)」の拠り所となり、地(ツチ)の属性を得た物と思います。
「チ(祖神)」は、「乳」「祖」「地」の属性により、土地神・地母神ともなり後には豊穣を掌るようにもなったのでしょう。
そしてこの後に…
「アメ(天・雨)」の属性を持つ「ミ(水・天)の神霊」はアマツカミ(天神)の原型に、
「チ(乳・祖・地)」の属性を持つ「チ(乳・祖・地)の神霊」はクニツカミ(地祇)の原型になったのだと思います。
①チ(乳)の神霊 … 生育を促す神霊
ホノカグツチ … 火神。火の生育を促す。
イカヅチ … 雷神。稲の生育を促す。
アシナヅチ・テナヅチ(脚摩乳・手摩乳) … 稲の乳の神霊。稲の生育を促す。
②チ(地)の神霊 … 土地の神霊。地(ツチ)から産まれる神霊。
ククノチ … 木の神霊。地(ツチ)から産まれる。
アシナヅチ・テナヅチ(脚摩乳・手摩乳) … 稲の乳の神霊。地(ツチ)から産まれる。
便宜的に分けてみましたが、これはあまり意味が無いようにも感じます。
育成を促す「チ(乳)」には「チ(祖)」の属性がありますし、
祖先の大地を表す「チ(地)」には勿論「チ(祖)」の属性があるからです。
生育を促す「チ(乳)」、祖神の「チ(祖)」、祖神の拠り所となる「チ(地)」。
チの神霊は、原初日本の根源神ではないでしょうか。
原初の日本で始めて産まれた神ではないかと思います
アイヌでもっとも親しまれている神様は、カムイフチと言います。
この神様が老婆の火神と言うことから考えてもこの事が言えるような気がします。
「フチ」は現在「老婆」と言う意味で使われますが、
「フ」…「古(フ)るい」、或いは「火」
「チ」…「親」「祖」「祖先」
とも考えられそうです
アイヌの神様で「フチ」と付く神様は沢山います。
元々は、アイヌの祖神だったのかもしれません。
全ては調べ切れていませんが、ほぼ老婆の神様のようです。
(例)
オンネフチ…風邪の神様
ヌサコルフチ…穀物の守り女神
アペフチ…火の神様
アシニフチ…トイレの神様
イレスフチ…火の女神・子育ての女神
ミンタルフチ…炉の下座の神
モシリコロフチ…(国土を領する婆神) 火の女神
ムルクタフチ…糠を空ける祭壇の神
ヌサコルフチ…祭壇の女神
この問いは、取りも直さず自分の出自への問いかけともなります。
自分の親の親の親の…
果たして自分の大元の祖先はいったい誰だったのだろう?
古代の人達もこの問いかけをしていたはずです。
そして、延々と限りなく続くであろう元祖さがしの終焉を祖神としたのだと思います。
《チ(乳)》
人間を含む哺乳動物が生まれて初めて求める物は何でしょうか?
カンガルーの赤ちゃんは2センチ程ですが、産まれてすぐ母親の乳を求めて母親の袋へ移動していきます。
人間を含む全ての哺乳動物の生まれて初めての欲求は、乳を飲む事です。
言葉は話せなく、目も見えない。
大した能力を持って産まれてくる訳ではないのに、乳を飲むという欲求だけは持って産まれてきます。
いや、この乳を飲むという欲求こそが大した能力なのです。
乳を飲むという欲求がなければ、赤ちゃんは成長し他の能力を伸ばす事が出来ません。
生存すら出来ないのです。
私はこの事に気付いてようやく
「チ」という言葉と、神霊を表す「チ」の意味を理解出来た気がしました
これほど人間の根源的な欲求を表す「乳」ですから、古代においてかなり初期の段階に言葉が生まれた事は用意に想像できます。
根源的な欲求を表す原始的な言葉なら、1音で表現したと思われます。
現在は「チチ」の2音で表現しますが、言葉の成立当初は「チ」であっただろう事は間違いないのではないかと思います。
古代の人達は「チ(乳)」は人間を育む神聖な物と考えた事でしょう。
また赤ちゃんを育てる「チ(乳)」は、同じく赤ちゃんを育てる「親」とも関連付けられた事が考えられます。
親を表す古い表現に「津父(ツチ)」と言う表現があります。
「~の父」という意味です。
元々は「父」だけではなく「母」を含めた「親」を表現していたのではないでしょうか。
家長である「父」の方が、この表現を良く使われたのかもしれません。
「ツチ」→「チチ(父)」
となったと私は思いました。
「チ(乳)」は「チ(親)」となり祖先をも表す言葉になった事が考えられます。
自分の「チ(親)」の「チ(親)」の「チ(親)」…「チ(祖先)」…
そして延々と続く祖先の大元に思いを巡らし、
祖先の「チ(親)」は祖先神の「チ(祖神)」となったのでしょう。
祖先から住み続ける大地は「チ(祖神)」の拠り所となり、地(ツチ)の属性を得た物と思います。
「チ(祖神)」は、「乳」「祖」「地」の属性により、土地神・地母神ともなり後には豊穣を掌るようにもなったのでしょう。
そしてこの後に…
「アメ(天・雨)」の属性を持つ「ミ(水・天)の神霊」はアマツカミ(天神)の原型に、
「チ(乳・祖・地)」の属性を持つ「チ(乳・祖・地)の神霊」はクニツカミ(地祇)の原型になったのだと思います。
①チ(乳)の神霊 … 生育を促す神霊
ホノカグツチ … 火神。火の生育を促す。
イカヅチ … 雷神。稲の生育を促す。
アシナヅチ・テナヅチ(脚摩乳・手摩乳) … 稲の乳の神霊。稲の生育を促す。
②チ(地)の神霊 … 土地の神霊。地(ツチ)から産まれる神霊。
ククノチ … 木の神霊。地(ツチ)から産まれる。
アシナヅチ・テナヅチ(脚摩乳・手摩乳) … 稲の乳の神霊。地(ツチ)から産まれる。
便宜的に分けてみましたが、これはあまり意味が無いようにも感じます。
育成を促す「チ(乳)」には「チ(祖)」の属性がありますし、
祖先の大地を表す「チ(地)」には勿論「チ(祖)」の属性があるからです。
生育を促す「チ(乳)」、祖神の「チ(祖)」、祖神の拠り所となる「チ(地)」。
チの神霊は、原初日本の根源神ではないでしょうか。
原初の日本で始めて産まれた神ではないかと思います
アイヌでもっとも親しまれている神様は、カムイフチと言います。
この神様が老婆の火神と言うことから考えてもこの事が言えるような気がします。
「フチ」は現在「老婆」と言う意味で使われますが、
「フ」…「古(フ)るい」、或いは「火」
「チ」…「親」「祖」「祖先」
とも考えられそうです
アイヌの神様で「フチ」と付く神様は沢山います。
元々は、アイヌの祖神だったのかもしれません。
全ては調べ切れていませんが、ほぼ老婆の神様のようです。
(例)
オンネフチ…風邪の神様
ヌサコルフチ…穀物の守り女神
アペフチ…火の神様
アシニフチ…トイレの神様
イレスフチ…火の女神・子育ての女神
ミンタルフチ…炉の下座の神
モシリコロフチ…(国土を領する婆神) 火の女神
ムルクタフチ…糠を空ける祭壇の神
ヌサコルフチ…祭壇の女神