グー版・迷子の古事記

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天孫降臨

2013年09月24日 | 古事記
前回と前々回の鏡の神話鈿(かんざし)の神で天孫降臨神話の主人公サルタヒコとアメノウズメについて考察してきました。
ちょっとまてよ…
天孫降臨の主人公は天下りするニニギではないのか?
サルタヒコとアメノウズメのキャラが立ちすぎていてニニギの降臨神話だと言う事を忘れていました。
脇役であるサルタヒコとアメノウズメだけを調べて天孫降臨神話の結論を出すのは早すぎる。
主人公ニニギ無くして天孫降臨はありえないのです。

  《ニニギノミコト》

天邇岐志国邇岐志天津日高日子番能邇邇芸命(アメニギシクニ ニギシアマツヒタカヒコ ホノニニギノミコト) 

名前の意味…天地豊かに栄え、日は高く輝きその日の神の御子、稲穂は豊かに実る。

太陽神アマテラスの皇孫ニニギはどうやら豊かに実る稲穂の神霊のようです。
と言うことは…
皇孫の系譜は太陽神の系譜であると共に稲の神の系譜とも言えそうです。
天孫降臨神話は稲の神が地上に舞い降りた逸話のようです。

豊かに実る稲穂の神霊・ニニギが地上に舞い降りた…
そうなると、(タケミカヅチとサルタヒコ)で推測した事が生きてきそうです。
サルタヒコは甕(ミカ)の神あるいは鏡の神であり、また甕(ミカ)の神・タケミカヅチが雷神であるように、サルタヒコも雷神となりそうです。

稲穂が豊かに実る季節に雷が多いことから、古代より稲妻が稲を実らせると言う信仰があります。
天の八衢(やちまた)に立って高天原から葦原中国までを照らす神・サルタヒコは雷神であることはほぼ間違い無さそうです

サルタヒコの姿が段々浮かび上がってきました。
サルタヒコは甕(ミカ)の神或いは鏡の神であり、雷神だったのです。
また、サルタヒコの子孫の名前が大田命である事も考え合わせると、サルタヒコの名前の「タ」が意味するところは、稲田の「田」と言う可能性が濃厚になってきそうです。
そうなると、同じ甕(ミカ)の神であり雷神であるタケミカヅチ、子孫の名前(大田命・大田田根子)も良く似ているタケミカヅチ、との関係をもう少し探ってみたい所です

それではニニギともう一人の脇役アメノウズメの関係はどうなのでしょうか?
ニニギとサルタヒコの関係は稲の収穫と言う言葉で表せそうですが…

アメノウズメは鈿(かんざし)の神であり、太陽神の今再生せんとする姿だと言う事は鈿(かんざし)の神で明らかにしました。
はっきり言うと今は良く分かりませんが、天の八衢(やちまた)でサルタヒコとニニギを仲介する場面と、後にアメノウズメがサルタヒコを伊勢まで送り祭ることを考えるとニニギとアメノウズメの関連性は無いのかもしれません。