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山の散歩とひとりごと

・・山 と 花。
・・・と独りごと。

山での 高山病(国内) No4

2015年08月09日 | 高山病
 高山病について・・そして 今季 予防に用いる予定の五苓散 の説明に向けて 書いていきます

 「五苓散(ゴレイサン)」は、水分循環をよくする漢方薬で、はき気、嘔吐、下痢、むくみ(浮腫)、めまいに効くとされています
はっきりと効果が立証されたのは1999年の論文ですが 英語なので 私が読むには凄いたくさんの時間が必要で 事実上無理です
 ですが 内容は 「気圧が低下するときに発症する頭痛に五苓散を投与すると、9
0%以上の確率で効くと結論してます。マウスの実験じゃなくて臨床です。
低気圧による頭痛=五苓散の図式が出来たのは、ここ30年程度と意外に最近なんですな。

五苓散は、

・臨床研究において、血中の電解質濃度に影響することなく尿量を増やす
・体内の水分過多の状態では尿量を増やし,脱水状態では尿量を減少させる
・利尿剤では絶水状態でも尿量が増えるのに対し、五苓散は浮腫状態でのみ尿量が増える

利点の一つは
 通常の利尿剤では 脱水状態でも利尿作用として働くので 尿量が増えます、より脱水状態を進めてしまいますが 
 五苓散は脱水状態では利尿作用は無く 浮腫状態 水分は多い状態でのみ利尿作用が働き 尿量が増やします。 高山病での脱水状態は良くないので そんな時には働かず、水分が多く
高山病により、浮腫している脳や肺に利尿効果を発揮します

 五苓散が気圧の低下時に 効果を発揮しますので
「気圧の変動で体調が悪くなるのはなぜ?」について 書きます

 標準大気圧は 1013 hPa(ヘクトパスカル)が標準ですが
天気の良い日は、高気圧帯の中で その下降気流により気圧が上がります。
ピーカンの日は 1020hPaとかになります。
天気の悪い日は、低圧帯で 上昇気流により気圧が下がる。990hPaとか。
台風の時には 940hPaまで下がることもありますね。
その気圧差は 30~80hPa になります

 気圧で考えれば 地上から10m上がるごとに1hPa減るので、低気圧が近づくと、300m~400mの標高差 時には 800mをかけあがる感じになります。

 通常で健康体であれば、自律神経等により、勝手に調節していますから 
何も感じない(症状は出ない)のですが、うまく調節してされないと 
軽い頭痛発症したり 違和感を感じる事になります。

 山に上がると、持っていった ポリ袋など密封された お菓子などの袋がパンパンに
膨れますね ですから脳や肺などが同じ影響を受けますから 急激な変化であれば 
頭痛や高山病になるのは 当然とも言えますね

 急性高山病発症時は 肺水腫、脳浮腫が起きていますから 五苓散も効果が出ます
消炎鎮痛剤も 高山病に有効ですが、副作用から考えると 副作用の少ない五苓散は
発症以前に 服用しておく事を考えれば 消炎鎮痛剤以前の対処として有効ではないかと思います

 

山での 高山病(国内) No3

2015年08月08日 | 高山病

 高山病の記事(No2)は 2年前になって 随分空いてしまいましたが
その後 うちのグループでも高山病になる方がみえて、新しい情報をピックアップしてみます

ここでは mixiの「山に行こう」のコミュの方々を対象とした記事です コミュ、メンバーの方々の 意見、質問などのコメントは「山に行こう」コミュ内のトピック、掲示板に お願いします
(こちらでのコメントには止めてあります、また 内容が完全に吟味されたものではありませんので そのまま 参考にされないようにお願いします)

・・・・・・・・・・・
 ダイアモックス以外の五苓散、柴苓湯を調べていますが まだ 時間がかかりますので
ダイアモックスの説明を先に続けます

*ダイアモックス
 高山病の症状は頭痛、体が重くなり、呼吸が浅くなってきますが ダイアモックスは 腎臓からの重炭酸塩の排泄を高め 体液(血液)を酸性に導き呼吸を促進させる作用があります

 高山で 酸素を取り込めない
     ↓
 血液がアルカリ性に傾く


 ダイアモックス服用
      ↓
 腎より 重炭酸塩の排泄促進
      ↓
 血液が 酸性に傾く
      ↓
 呼吸中枢を刺激
      ↓
 呼吸を促進

・・・・・・・・・・・・・
 脳髄液を 酸性側に保ち
      ↓
 脳浮腫を軽減する

・・・・・・・・・・・・
こうして ダイアモックスは通常 24~48時間かかる高所順応時間を 半分程度に短縮します


服用方法
 予防的に用いる場合
   登山開始前日より 125mgを 寝る前1回/1日
   高山病を発症しない高度まで下山するまで 続ける
 治療目的
   125mgを2回/1日(12時間毎)に服用します

   なお 肺気腫の場合 成人の用法は1日1回250mg~500mg となっています


  


中高年、グループ登山の勧め 3

2015年04月28日 | 山歩きをはじめよう
 ず~~と 続きを書けていませんでした

 現在 SMSの趣味人倶楽部で 里山ハイキング友遊会・愛知、岐阜、三重の管理人をしていますが
 昨年の(2014年6月)に会内でトラブルがあり 会の趣旨の変更をしてまいりました
その流れのなかで グループ登山について 続きを書いていきます

 >>中高年、グループ登山の勧め 2

 の中で 前提として どなたでも 山を歩く以上 怪我や道迷いによる事故が 低山の里山でも起きる事を認識して頂いて 地図読み、と雲読みを学び 天気の良い日に 楽しんでいきましょう、と書きました

 経験者のいるグループであれば それらが確保されています
そう云ったグループに参加して頂ければ 初心者の方でも 安心して山歩きができますね

 今日のテーマは 経験者のいるグループに参加される前に して頂く事など とします

 中高年の趣味の集いは 文科系のもの、運動系のものなど 種々ありますが
運動系の中でも、山登り、山歩きは ボブスレーとともに 命の危険のある数少ないスポーツです

 通常の中高年の集い(コミュニティー)での参加基準は その方の人間性や協調性などに問題なければ
参加申し込みにたいして 「断る理由がない」として参加承認されます

 しかし 山歩き(山登り)の集いでは それだけでは十分ではありません

 山歩きには 「怪我をして山の中で動けなくなる」事が皆無ではないので
山歩きを始めるにあたって ご家族の理解を得て頂きたいと思うのです

 それが 山歩きを始める第一歩と云えます

そして 山歩きの会に入会して 里山の整備された一般道を歩きます
その山歩きでは ご自身が足元に注意して、すれ違う時は山側によけ、トップの方について行けば大きな危険はありません

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 装備の中で一番配慮が必要なのが 登山靴です
登山靴には ハイキングシューズ、軽登山靴、本格的な革製の重登山靴などがあります
ハイキングシューズは軽いですし、価格も安いですが
ゴム底の形状、ゴム質と靴の上側の硬さ、保温性などが大きく違います
斜面の状況によっては グリップ力、エッジが利かず危険性が増します
(必ず、経験者の相談して、専門店でお買い求めください)
参考 youtube
https://www.youtube.com/watch?v=VVZVP82b7AA
https://www.youtube.com/watch?v=BOhlRe8fADY
https://www.youtube.com/watch?v=Q9WEFovSnyA
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次が 二歩目 ですが

 最近 ネットでも 地図読み、天気図読み、道迷いをしない為のコツなどを 「学べる体制を取り入れている」集い、グループも見かけますが
一般の山岳会と違って ネットの山の会では 技術、技量の継承に時間を割いている所は多くありません
参加を申し込んでこられる方も 時間に余裕のある時だけ参加と ご自身の安全も 会の他の方にお任せで と気軽に考え 一番大切な安全には無関心の方が多いのです

 初めの数回のうちは 安全な一般道に参加されていても 次第に高みやバリルートへと 参加回数が多くなる頃には 脚力も強くなってきますね
標高や難度の高い山は 展望も開け、春の高山植物も、上から見る紅葉も、慣れれば沢歩きも楽しい・・・。

ネットは成り立ちから 気軽さがついて回りますが ネットであっても 山を歩く以上は 怪我や事故は 一般の山岳会の方と違いはありません
無事に家族の元に帰る為に 安全に無関心で良いはずはないですよね

 脚力がついて 歩く山のレベルが上がれば 事故時のダメージが深刻になり、事故や怪我によっては その日に下山できない事も想定されます
一般の山岳会では そんな 非常時に備えて留守宅本部(非常連絡先)を決めで 事故時には 留守宅本部が所轄の警察署、捜索隊に捜索願や情報提供などをします
その為には 友遊会でもしていますが 山岳会では事故時に備えて 個人情報を纏めています
 ご家族が山の十分は経験を持っていてば、ご家族で対応ができますが、でないと 「その山から帰ってこない」時にどこに捜索願をして良いのか?
装備食料の程度 なので 山の中で どのくらい耐えられるか?を伝えられるか・・・といった問題が出てきます
 本人が携帯を持ってはいても、山の中ですし、対応はすべて、山の会の仲間とご家族にして頂く事になります、ご自身ではありません、
言うまでもなく 山の会の仲間と ご家族の協力なくして 救助が困難になります

 二歩目は ご家族の理解から 一歩進んで 山の会の仲間の人と協力して頂くように ご家族に説明して理解していただく事です

 ここまでは 山の会では タッチできない 必要事項です
(会として 対応が出来ませんのでご本人が必ず して頂きたい必要事項になります)

第三が 捜索救助保険です

 以上が 山を初めて 山の会に入る前~入会直後までに やって頂きたい準備で 山歩きの必要事項です
  

中高年、グループ登山の勧め 2

2014年07月30日 | 山歩きをはじめよう
 先の「中高年、グループ登山の勧め」では 単独登山について書いてみました
今日は グループ登山について書いてみます

 もともと登山は自己責任と言われていますが 事故になれば 他の方に迷惑や面倒をかけてしまいますから、[自己責任=何をしてもよい] ではありません
トラブルに対処できる経験を積んで 技術を習得し、技量を高め、自力下山する事が基本ですね

 事故、怪我のないように 単独登山をする はじめに必要な技量は地図読みと雲読みと装備でしょうか
いきなり 数日必要な山歩きは殆どの場合無謀登山になるでしょうか
 天候の問題は 日帰りにして・・・天気の良い(山歩きに適した)日のみに 山歩きにすれば 雨、風による危険の遭遇は避けられますね

 はじめは里山500m以下くらいで「人気のある山の整備されて登山者の多いコース」を選ぶ事です、それと 磁石はお持ちください
 そして 早めに登りはじめ、早めに下山します、間違っても、そのコースで最後になってはいけません

 天候では晴れても上空に寒気が入れば 突然の雨はありますから 最低でも積雲と積乱雲の知識は必要です、ネットで検索し、ふだんから雲を見ていれば 危険は察知できます
 http://www.jma.go.jp/jma/kishou/books/cb_saigai_dvd/sub1.html
  ↑ は参考になると思います

 問題は少し歩ける様になって もっと「高みの景色の良い山に行ってみたい」、そんな自然に心を動かされる様になってからですね
 そんな気持ちになっても 地図が読めないうちに 未整備の難度の高いの山、コースへ 単独で行かれてはいけません
 山は自己責任だからと云っても 単独で難度の高い山へ行ってしまっては 事故になった時の 救助に携わる方々の事を考えない「無責任行動」になってしまいます
 (単独の道迷い中に怪我をして動けなくなってしまったら、登山届のコースと違う場所にいるわけですから 捜索隊は見当違いの場所を探すことになってしまいます)
 
 続きは後日に・・・。





登山届 6

2014年07月24日 | 山の記事
 はじめに
   この日記(記事)/登山届 6 以降は 会の勉強会で使用予定ですので
 後日 カテゴリーを 里山ハイキング友遊会の項目に変更します
 変更後、 お読み頂くには 閲覧キーが必要になります

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
まず 警視庁のデーターから

 全国の遭難者は         2204名(1830件)
   中高年のうち 50歳以上は 1464名(66.4%)に達します
            60歳以上では 1118名(50.7%)になっていて
   事故遭難は 10年間で35.8%と 増加傾向です 
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 未然防止対策として あげられている内容は以下のとおりです

 山岳遭難の多くは、天候に関する不適切な判断や、不十分な装備で体力的に無 理な計画を立てるなど、知識・経験・体力の不足等から発生していることから、
 遭難を未然に防ぐため、登山に当たっては、以下のような点に留意が必要である。

① 登山計画の作成、提出
 気象条件、装備、食料、体力、体調、登山の経験と山岳の選び方、登山 コース、日程等に配意して、余裕のある、安全な登山計画をたてる。
 単独登山はできるだけ避け、信頼できるリーダーを中心とした複数人に よる登山に努める。
 また、作成した登山計画書は、家庭や職場、登山口の登山届ポストなど に提出しておく。

② 危険箇所の把握
 計画を立てるとき、滑落等の危険箇所を事前によく調べる。

③ 状況の的確な判断
 視界不良・体調不良時等には、滑落、道迷い等のおそれがあることから、 状況を的確に判断して早めに登山を中止するよう努める。

④ 滑落・転落防止
 滑りにくい登山靴等の着用、ストック等の装備を有効に使用するととも に、気を緩めることなく常に慎重な行動を心がける。


⑤ 道迷い防止
 地図とコンパス等を有効に活用して、常に、自分の位置を確認するよう 心掛ける。

 しかし 山の会、特に会の中心者は 事故例を もっと掘り下げて  どこに 問題点があったのか ・・・ 事故を起こさないようにする為に
 自分たちの会はどうあるべきかを考え 対応するか メンバーにどう伝え 、まとめていくか・・・を人を集めて山を歩く者としての責任があると思います

 ある県の山岳救助隊の方の話ですが 
「登山届なんですが ルートさえ判ればまずは 捜索できるので  最低 連絡先と人数と コースが書いてあれば・・・。」と
 また グループの場合は どなたか 山の事情に通じた方(留守宅本部)が決めてあれば 助かります・・・と仰っていました

 実際そうですね ご家族が山の事情に明るければ 問題ないですが 山の名前を知っている程度では 登山届のみがたよりになってしまいます

 長野と岐阜の担当の方とお話しをさせて頂きました
その中で岐阜県の登山の場合は事前に登山届をネットで提出する 
http://www.pref.gifu.lg.jp/police/tetsuzuki/tozan-..
上記で登山届がダウンロードできます

 長野県の場合は 会に留守宅本部を設置して対応するとなりました

また ネットで登山届けの場合は ↓ に
http://www.pref.nagano.lg.jp/police/sangaku/keikak..

 友遊会では 両県とも 実際の対応が留守宅本部を設置し、山の状況の解かる者を中心に対応します
 「登山口のポストに入れる」といっても すべての登山口に設置されていませんし、事故時の殆どは 家族(留守本部)からの捜索願い」から準備が始まりますし、情報の提供は電話で行われますので 各メンバーの家族間の電話がスムースに繋がるような体制が大切ですね

 留守本部の設置は各家族の認識の違いから 捜索が混乱する事を防ぐ為のものです

 担当の方から 実際に 慌てて「帰って来ない」と連絡があったりすると・・・
 また 混乱を避けるために家族に すぐ連絡するな!」と言って見える方もあり 救助の遅れも心配されます

 また 会としての 留守本部であれば 下山報告の連絡がなければ 苦情がでるので 下山報告忘れも防げますね

 会としては地図読みを学び、伝令役ができるメンバーが増えてくれば 事故時に救助要請も確実に出来き 技量的に道迷いの可能性を殆どなくして 救助遅れにならないように、家族の元にかえる・・・・との体制が大切と考えています

・・・・・・・・・・・・・・

このあと ①~⑤の項目を詳細に考えてみます