歩道を走る自転車のこども

題詠blog2015に参加しています。
ただし…めっちゃとろとろしておりますので
どんどん追い越してってくださいな~

題詠100首2012

2012-11-15 19:12:46 | 題詠100首2012

今年の100首です。

名前はまだ有りません。

思いっきりフィクションです。妄想の産物…です。

短歌だったらどんなことでもできそうで…でも、出来なかった~

どんな恋だか想像してみてください。

 

(ここまで去年と一緒です)

今年はもっとぐずぐず悩んだ感じです。

結局一年経って二人で会ったりしていません……いい大人なんですけど。

 

 

001:今      

もし出会うかたちを選びなおせても今の二人のこのもどかしさ  

002:隣

隣人になりたい 朝日の眩しさを共に感じるカーテンの襞       

003:散       

もっと愛。もっと自由を。矛盾して散る花びらの麗しいこと    

004:果        

今、幾つ 果肉を噛んだ冒険の瞬時に弾け突き刺さる酸

005:点  

焦がれ死ぬ寸前にいる点描の猫 烈火にも踊れないまま    

006:時代 

君からの未知のことばを検索の窓に埋め込む時代に生きて       

007:驚      

驚いて首をぶんぶん振っている 私に「本気?」と聞かれた私   

008:深 

生きている 潜った深い場所にさえ無音の臓器が無いこのからだ    

009:程        

ある程度知ったかぶりができたってかしげてみせるためにある首

010:カード      

臆病な二人そろりと切るカード 十四番目の月が好きです

011:揃        

くりかえす「鎖骨あたりに揃えて」と誰の好みかごまかしながら

012:眉        

誰だって眉をひそめる関係になる前に問う 救いはあるの

013:逆             

新緑の頃を過ぎてもやりとりを逆行させて見る春の夢

014:偉                

「泣かないで偉い」と言ってそれでなきゃ甘やかされて 甘やかされて

015:図書           

 泣きながら君と会えない図書館の迷路を駆ける 夢が醒めない

016:力               

筆圧を知らない左右の握力も私は何も知らずにいたい

017:従              

痛いほど髪を縛って 従来の結わえ方では嘘がつけない

018:希              

世に希な巡り合わせがうち寄せる波でこすれた砂粒のふたつ

019:そっくり         

そっくりな形の指が駆けてきて君の秘密の手と繋がって

020:劇             

ふりだしは劇的な言葉Tシャツの乾いた胸に真っすぐ届く

021:示             

液晶に表示されてる落雷のバツのしるしと君との距離と

022:突然           

突然の降雨「もうすぐ雷が行くよ」メイルが届いた途端

023:必              

ここ(胸)に落ちた必然 抗って泣いて隠してこうして詠んで

024:玩              

遠雷を肌に感じる がらがらと崩れた子たちが泣く玩具箱

025:触              

「雷が触れてきたよ」と泣いた顔文字が届いて撃たれた痛み

026:シャワー         

じりじりとやけて痛い肌抱きしめる熱いシャワーでなきゃ嫌なのに

027:損              

致命的欠損部位はたぶんここ血中「君」濃度調節の

028:脂              

性懲りもなく形状を記憶する私の樹脂をあたためる君

029:座              

返信を待ってぺたりと座りこむ「いないいないばぁ」4ばんめの「い」

030:敗                 

「敗北」を「せつない」と読み私から送るメールを許してしまう                

031:大人             

年下のなぐさめ方が大人びている泣かされている今日もまた

032:詰              

息継ぎをしなきゃ詰めてちゃ喋れなくなる笑えなく泣けなくもなる

033:滝               

<感情をコントロールする>七夕の短冊は泣く滝状の雨

034:聞              

今、わたし、君には何に見えてます?聞いても風よ見えるわけない

035:むしろ           

みっともない。むしろ痛ましい恋だ。頬のくすみが見えないからって              

036:右               

右側に居た気配まだ覚えてて素直に右が向けないでいる         

037:牙               

痛い目をしてまで見たい見たくない毒牙の先の濡れているさま

038:的               

声だけの君文字だけの君なのに数的優位は保たれたまま

039:蹴               

週末の雨は遠出の先ですか聞けない飛べない水たまり蹴る

040:勉強             

天使にも悪魔にもなれる生き方は勉強したの、いえ、恋をして

041:喫               

君となら喫煙席に座ってもいいよシャワーをくぐって帰る    

042:稲               

昨日より増して気になる稲妻の先が触れてるあたりの君が    

043:輝                

目を閉じて触れたい指を思う夜遠い花火の音輝いて

044:ドライ              

精一杯ドライに見せる手の中に聞きたいことが澱んでいても 

045:罰                

混ざりたい細胞さえも罰として粉々になり風に乗る時      

046:犀                

同じ月を見上げた記憶の片隅のどこかに金木犀が咲いてる      

047:ふるさと           

きみのいうむかしとふるさとなつかしさそこにはいらないおもいでをもつ

048:謎                

二人には迂闊に問えない謎いつも幾つかあって知りたいきもち

049:敷          

見晴かす玉砂利を敷きつめられてこの恋一歩も踏み出せずにいる

050:活          

バランスが保たれている生活の二人の家族 誰も死なないで

051:囲               

手にはいらない生き方に囲まれて両目両耳鈍感にする        

052:世話             

依存しない世話を焼かない関係を溢れて過激になる言葉たち     

053:渋               

嬉々として受けとり少し渋々を混ぜて暴走させない言葉    

054:武               

脳内の武闘派たちを宥めては探して探して大人の台詞      

055:きっと             

鋭敏になって暴発したら君きっと笑って千切れてくれる

056:晩               

昨晩は声が聴きたい月でした亜麻色に髪はじめて染めて            

057:紐         

  日に何度結わえた髪を解き放つ秘密をぎゅっと束ねるために(2011年 048:束)

メデューサと名付けた髪も痩せてゆくまだらの紐に秘密組みつつ 

058:涙          

輪郭の記憶涙のすべるさま指が覚えているからと言う

059:貝          

犬に訊く二人が貝になってもう話題にしない幾つかのこと

060:プレゼント     

送り先教え合わない関係のふくらむ仮想プレゼントたち

061:企              

あり得ない逢瀬ふざけて企てて会えない季節がコトリと動く     

062:軸              

いつまでもあつく感じる恋人の秋の地軸も傾いている

063:久しぶり          

「久しぶり」第一声はどちらから発するのだろ忘れそうな声

064:志               

欲張りなだけでしょ誰か間違った上昇志向の恋を叩いて

065:酢               

甘酢餡いつもの人と食べながら甘酸っぱいを考えている

066:息          

息止めていられる間考えるどうにかなっていいものなのか

067:鎖          

追い風になるよ鎖を解く呪文背中からなら聞いてくれるね

068:巨          

元カレと呼んでもずっと切れてないアンチ巨人で繋がっている    

069:カレー        

ホットドッグ(カレーキャベツ入り)香ばしく岬の先へ誘う手立てに

070:芸          

一芸に秀でています恋心一人占めしちゃいけないくらい

071:籠              

籠の鳥飛べない綿毛不自由にせめてふんわりした喩えする

072:狭               

何故めぐり合えたの宇宙の片隅のけっして狭い世間じゃなくて

073:庫               

愛されて無いって気付いた瞬間に記憶倉庫にさっと仕舞う派

074:無精             

誰のため隈なく保湿していると知ってのことかこの無精ひげ   

075:溶               

きみにならいいか壊れて溶けるまで騙され騙され使われていて       

076:桃              

旬はもうほんの一瞬ぎゅっとしちゃいけない桃に喩えるふたり   

077:転              

よく転ぶよく蹴躓くその度に誰かの腕を期待する癖    

078:査              

疑問符を並べて終えるメイルから無人探査機きみ仕様発つ    

079:帯        

   屈折も歪みも私、その上でのおねがい

胸筋にからむ肉片少なくて寒い女も帯同させて    

080:たわむれ  

  適当なところに「ちゃん」を挿入するとかなりバカっぽい 

ニヤニヤが頬をくすぐるたわむれに私を子猫と呼ぶ人がいて

081:秋               

やんわりと秋の終わりを語るのは逢いたいねって言いだしかねて

082:苔               

転がらぬ恋は苔むすこっそりと声もこだまもこんもり隠し

083:邪               

ぽっかりと時間ができて寸胴にぐずぐず煮込む邪推ばかりを

084:西洋             

一人でも殖える西洋蒲公英のけなげな綿毛を見習いなさい  

085:甲                

真っ先に冬が降り立つ手の甲はきっと君からするりと逃げる    

086:片               

きみが振る誘導灯は遠すぎてどこまで片側通行でしょう

087:チャンス          

チャンスかもしれない今日の占いに敢えて甘えてみる日とあって

088:訂               

訂正がきかない第一印象の無邪気をせめて褒めて伸ばして

089:喪                  

どうせなら喪服の人が声高になじる恋まで育ててしまう     

090:舌               

泣いている泣いてる声も泣いている舌の付け根が麻痺してしまう 

091:締               

背中から抱き締められて聞く声の嘘ならとっぷり溺れてもいい

092:童               

「いま誰と何している」をほおりこむ童話の魔女の毒薬の鍋

093:条件              

弾丸になって出かける条件の「必ず帰る・シンデレラ並みに」

094:担                

焦らしたり不意打ちかけて加担して短命を望む私の罪に

095:樹       

  「ごーふるの穂村弘友」がいなければこの700首は無かった

  「弘」はスケール・度量が大きい・(仏法を)ひろめるの意

もっと空を弘くと払う樹に君を感じてしまう謝らなくちゃ   

096:拭                

泣いた分だけ拭ったら土砂降りにやられちゃったと濡れていていい

097:尾                

来世では犬に生まれて出逢いたい私は尻尾を千切れるほどに

098:激                    

進んでも後退しても二つ目の激しく後悔するだろう恋     

099:趣                 

世界中に趣味なんだって知らしめて君をハグしていいことにする

100:先         

  忘れたころに投げられてくる「逢おう」は劇薬

順番に先に逝きますその日まで時々毒を盛ってください


 


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