歩道を走る自転車のこども

題詠blog2015に参加しています。
ただし…めっちゃとろとろしておりますので
どんどん追い越してってくださいな~

題詠100首2009

2009-11-30 22:39:49 | 題詠100首2009
ことしの100の歌たちです。
一首目「笑」の歌のコメントに
  この歌はたぶん今年の方針を決める歌になるのですが、
  自分的にも「えっ?恋?」って感じです。
  何に「LOVE」を詠んでいくかは見当がつきませんが、
  ゴールあたりにワンコの中身がずるずる出ているようになればいいかと…
って書いてありました。

う~~ん、すべてにうまく「恋」を詠みこめたとは言えませんが
趣味、興味、萌えも含めてOKにしてくださいませ。

最後の10首は初めての試みですが連作風です。
100の「好」を「地軸の歌」でフィニッシュする!って決めた時、
残りのお題、どうなるかわからないけれど連作風にまとめたいって…
そう決めたことで今までに無いワンコがずるずるっと出たかもしれません。

100の歌たち…タイトルはまだありません。
さて、どんなのがいいでしょう?
なにかアイデアがあったら…教えてください~

<お詫び>
 79の「恥」の歌ですが、「恥部」という言葉がトラックバックで
 はじかれる原因になっているみたいです。
 もしこの歌を含むトラックバックをしてくださる時は
 まず「恥部」を消してトラックバックしていただいて
 その後戻してください。よろしくお願いいたします。


001:笑
    
100の恋詠めばいつしか笑み割れて思いがけなく実はこぼれだす

002:一日
   
白墨のらくがき一日で薄く今日の日直さんにも傘を

003:助
    
飲み干した泡立つ助剤頬を染め解放少し許す領域  

004:ひだまり
 
窒息を覚悟で触れるひだまりに光合成が吐き出す期待    

005:調 
   
空調の唸りは溶かす意地っ張りまず深呼吸つぎ咳ばらい

006:水玉 
  
水玉のペイント纏う手のひらはぬるく酔います孵化待つ卵

007:ランチ
  
薬局の白衣の人のやわらかに「二錠、ランチの余韻に」と春  

008:飾

隣室の満艦飾のベランダと同じ風受けわたしが渇く   

009:ふわふわ 

ふわふわやもろもろ絡め取り抱いて紡錘糸が裂く姉妹の行方

010:街

噴水が乱反射する地下街のちいさな虹が約束の場所

011:嫉妬

いじましき嫉妬は制限なく割れて細胞膜に次々くびれ

012:達

ものさしの合わないふたり毎日のワンダー達に名をつけて飼う

013:カタカナ

やられたと感じたくないカタカナで打電「シナプス、ミゾレマジリ」と

014:煮  
  
口べたできっと不器用その人のただ「煮えた」って呼ばれる打ち身

015:型   
 
生きていて 自縄自縛を型紙に鎧ばかりを仕立てても君

016:Uターン 

押しつける星の約束Uターンできない身投げ落果落陽     

017:解

すれ違うたび温まる溶媒にじわり上向く溶解度曲線

018:格差
   
愛すべき多重人格差し掛けた傘にすんなりはいる日がある  

019:ノート

間違っていますかキュンの音階で五線譜ノートに描く折れ線

020:貧

どうしても貧血気味が隠せない爪はおしろい花が嫌いで

021:くちばし
 
とぶものはくわえられるかくちばしに水平環のひえたなないろ  

022:職   
 
火遊びが天職ですと言い放ち「さよなら」夜を焦がしてく人

023:シャツ

つなげない手が覚えてる恋人の裾のあたりのシャツの手触り  

024:天ぷら  

見はるかす蒼天ぷらす飛行機のしっぽ謝るきっかけの風

025:氷   
 
うっかりと触れたあなたは凍てついて製氷皿に囚われの指

026:コンビニ 
  
コンビニの街に生まれた子の闇に届くか『夜の果物屋』の灯

027:既  
    
しゃくだけど既成事実を受け入れる口ずさむ歌融けてユニゾン  

028:透明    
 
残響は何秒だっけ透明で青い純真抱いたこの身は

029:くしゃくしゃ 

そおろりと新しい恋舞い降りてくしゃくしゃの目で探る行間 

030:牛      

草食の極み蝸牛に進化して安心に酔う雌雄同体

031:てっぺん  
 
てっぺんに何があるのか 引き返す勇気ばかりを叫ぶ臆病

032:世界     

この闇夜爆ぜる焚き火も無き暗さ世界が滅ぶ音がすり寄る

033:冠      

どろ靴で働く意味を踏みつける戴冠式の絨毯紅く      

034:序

愛された記憶はとぎれとぎれでも忘れな草はさそり型花序  

035:ロンドン   

ロンドンへ飛ぶ君の傘残されて夏草を刈る造船所跡地    

036:意図     

逃げ込めばひとりは得意図書館の薄暗がりにエデンは潜む

037:藤      

藤色のつもりだったが「紫か?パープルか?」ってロック小僧が

038:→   
   
求めれば体温計の先端も私に刺さる→(視線)に化けて

039:広

危険物 わたしを詰めた広口のビンは埃と棚の隅っこ

040:すみれ 

ピリオドを打つ君が居て暗転ですみれを踏んだかおり波立つ 

041:越   
   
越冬は無理と言われた恋のこの伸びしろ空に地に果てしなく 

042:クリック 
  
金魚鉢・夕凪・朝焼け・土星の輪 クリックで解く記憶のもつれ

043:係   
   
どうすれば潤いますかと頬つねるドライフルーツ係数は100

044:わさび  
  
冷奴 辛子・わさびも受け入れるきみは正しい天使の白さ

045:幕   
   
曖昧な約束かさね君が張る煙幕透けて見える目を持つ

046:常識     

宿題が有るわけじゃない八月の常識として空を見上げる  

047:警     
 
点滴の落ちるリズムにときめいて警戒レベルに心拍数が

048:逢     
 
やりとりはもう二年越し名前など知らずに逢引きしてもいい頃

049:ソムリエ   

修羅場から逃げ出す靴を用意した足ソムリエに預けた命

050:災      

幾色の少女埋まるかこの身嗅ぐ災害救助犬のとまどい 

051:言い訳  
 
言い訳を太古の誰か口にしてY染色体傷つけたまま

052:縄     

呼ばれても行かない見ない投げ縄が束ねて恋と名づけた二人

053:妊娠   
 
妊娠の記憶ぐるぐる肘鉄は腹壁を刺す小さな主張

054:首   
  
足首の白さを保つスカートの長さ踏まれる恐れと共に     

055:式    
 
見つめたり話しかけたりできなくて最旧式の愛し方 無視

056:アドレス  

アドレスが変わりましたと知らせればいつか「了解」それだけでいい

057:縁

セミヌード気分 初めて縁なしの眼鏡で君に逢う頬熱く   

058:魔法    

リマスター魔法か詐欺か聞きわける私の耳はロバかウサギか

059:済  
   
生きていていいか問うたび生存者名簿に記載済みとにっこり

060:引退 
   
はがしてはいけないきまりかさぶたの引退壁のカレンダーに丸

061:ピンク 
  
まだ他人でいたい横顔ほお紅はピンクの雲のかけらひとすじ  

062:坂 
    
登れない坂道がある嗅覚がびんかんすぎて竦む右足   

063:ゆらり 
  
ざんねんな言葉もゆらり立ち上がり歌になる時 信号は赤

064:宮   
  
女って自覚は染色体レベル子宮はなにもかんがえてない  

065:選挙  
  
選挙権より先に身にしみこんだ『14番目の月』のしあわせ    

066:角   
  
ポスト色にじんだ曲がり角目指し切手にDNAを残して

067:フルート 
 
セミセルフルート検索機能ありときどきそっぽ向くナビである

068:秋刀魚   

かすみでは半日もたない細胞を絡め取る罠 秋刀魚のけむり

069:隅  
   
いたずらに風 ため息はさわそわとみんなみんなを隅にあつめる

070:CD 
    
引っ越しの足枷になる本棚とCDラックが君と居るわけ   

071:痩  
   
会いたくて会いたくなくて痩せた胸沈殿物は安いサンダル

072:瀬戸  
  
つま先で立つ瀬戸際に迷う舌どちらがあまい水にがい水

073:マスク   

雑踏とマスクと電話越しの声騒ぎ始める血が邪魔をする   

074:肩    
 
肩幅を目測で編む秋の日に正捕手だった夏伝え聞く

075:おまけ   

いとしさにコペルニクス的転回しレイラのおまけ長すぎて秋

076:住    
 
ゆっくりと寝言で夢を語るひと一緒に住むと決めたうたたね

077:屑     

挽きたての豆吹く息に飛ばされる屑にもなろう 何も言えない   

078:アンコール
 
彩りに頭のもげたアスパラをのせて赤毛のアンコールスロー

079:恥
     
かさぶたで閉じ込めた恥部君の手のひなたの匂いにほどかれていく 

080:午後 
   
病葉をつぶした午後の手のひらで泡の薬用ソープははじける

081:早  
   
早朝のまどろみ二人は手をつなぎ夜のしっぽを捕まえた夢  

082:源 
    
この指と震源の距離求めよとねじれてやってくる初期微動

083:憂鬱   
 
君ひとりすら救えない憂鬱を噛みくだく日々救世主なのに

084:河    
 
河口堰あたりで夕日立ち止まり夏至の私を待っててくれる     

085:クリスマス 

落ち着けと堕天使脳を締めつけてやけに冷たい青のクリスマス

086:符     

冒険の旅にでる朝最弱の免罪符としてカレーを煮込む

087:気分 
   
いつになく君のお天気分刻みおおむね空は晴れているのに

088:編   
  
雲を編み光は真直ぐに地に刺さる最後はほんのり君あたためる

089:テスト 
  
「雪だ」って言うテストして出荷する舌下体温計冬仕様

090:長   
  
手をつなぐ夢見た朝の指先を隠して長く伸ばす袖口

091:冬  
   
いつのまに日差しは冬のやわらかさきっと何かが傾いている

092:夕焼け 
  
夕焼けに聞かなくちゃ今どれくらい傾いていて赤くなったか  

093:鼻  
   
鼻が利く私がぶれるコリオリの力の他にきっと何かが

094:彼方  
  
斜め彼方向に逸れ犬ぞりの目指す極地は冬にまぎれる

095:卓   
  
フーコーの振り子が空から円卓に花弁を描き示した自転

096:マイナス 
 
会えなくてプラスマイナス2・3度の傾きの誤差 軽い船酔い

097:断    
 
平面の診断書には書いてないなぜ転びやすい躓きやすい    

098:電気 
   
体内で反発しあい惹かれあい電気は波に生まれてきたと    

099:戻    
 
傾いてぶれていますが戻ります北極星を忘れずにいる     

100:好   

冬が来る・ころぶ・もたれる・好きになる「ええい、地軸の傾きのせい」




 




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