真似屋南面堂はね~述而不作

まねやなんめんどう。創業(屋号命名)1993年頃。開店2008年。長年のサラリーマン生活に区切り。述べて作らず

吉村 昭『海の祭礼』~日本最初のネイティブ英語教師と弟子の物語(歴史小説)

2010-01-05 | 読書-エッセイ/小説etc
『海の祭礼』
吉村 昭【著】
文芸春秋 (1986/10/25 出版)

文春文庫
海の祭礼 (新装版)


彼こそ真の冒険者だ!
wiki/ラナルド・マクドナルド(Ranald MacDonald, 1824年2月3日 - 1894年8月5日

wiki/Ranald_MacDonald

Dictionary of Canadian Biography Online
MACDONALD, RANALD, adventurer, teacher, explorer, businessman, and author


その弟子:
wiki/森山 栄之助(もりやま えいのすけ、または森山多吉郎、文政3年6月1日(1820年7月10日) - 明治4年(1871年))

Ranald MacDonald:
Not Your Average Gaijin


日本最初の英語教師と弟子
ラナルド・マクドナルドと森山栄之助


海の祭礼」 吉村昭著 文春文庫 — 書評 by史跡訪問の日々

当初、アメリカ船の乗員とは英語で会話が通じなかったという。
日本側にまともに英語ができる人材がおらず、オランダ商館長に蘭語‐英語の二重通訳を依頼していたという。

オランダ人から英語を習った通詞が英語を使ってみるが、発音がおかしくて通じない!
やはりネイティブスピーカーから習わないといかんな・・・。

そこへ登場したマクドナルド。寺に設えられた座敷牢に幽閉されている身ながら、覚えた日本語を積極的に使おうとする姿勢が評価されるし、英語を教えるのもうまいとわかり、「牢の中にいる師匠から表にいる弟子が習う」という特異なレッスン開始!

大仕事を終えた森山が新政府に出仕せず、一種虚脱状態のようになって急速に衰えて没するという描き方。時代の要請で人生を捧げ、燃え尽きた森山。
じつはこれには異論が出ているのだが、限られた史料をもとに想像力で創造された小説なので、それはそれでいいのではないか。

この小説の終盤で、「官僚たちの夏」のモデルのお一人の晩年を思い出した。
ちょっと似たパターンではないかと思ったもので。

日本の歴代オランダカピタン(商館長)

ヘンドリック・ドゥーフ(Hendrik Doeff、1777年12月2日 - 1835年10月19日)

ヤン・コック・ブロンホフ(Jan Cock Blomhoff、歩陸無忽桴)、男性、(1779年8月5日-1853年10月13日)

長崎オランダ商館長の公務日記・秘密日記 1801年-1823年
長崎オランダ商館日記 全10巻

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