「渡辺」に非ず。「わたべ」に非ず。

「わたなべちぇる」が正しい読み方の人のblog

引越します

2008-01-10 10:28:34 | アニメ
さて。

1年振りの投稿がこれで何ですが、以下に引っ越します。

http://cher3.seesaa.net/

この1年半より少ーしだけ余裕が出て来たので、ちびちび日記程度にこうと思います。

謹賀新年

2007-01-01 11:11:05 | Weblog
あけましておめでとうございます。

「その6」を執筆して以降、個人的な事情から長文をしたためる時間を確保するのがほぼ不可能になり、全く更新を途絶えさせしまう結果となりました。楽しみにして下さっていたごく少数の方々には申し訳ないと思っております。
状況は年が明けても変わらないのですが、しばらくはフツーの日記みたいのを短めに書いて行って、また時間が出来たら懐古記事も書こうかと思っております。今後共よろしくお願いします。

とりあえず新曲。
「妖逆門」(テレビ東京系月曜夜6時)のエンディング、1月から新曲になります。
前の曲とはうって変わって得意のバンドブーム時代風(ただし打ち込み(笑))です。

アニメ備忘録その6・グランダー武蔵RV

2006-09-15 11:25:58 | アニメ
グランダー武蔵RV
(OP共同編曲)

 ・・・話が前後してしまいましたが、ビーダマンの1年程前、98年春の作品です・・・

 この曲は「COA」というユニットが作詞作曲歌演奏(ギター)、編曲も彼らと共同という形になっているのですが、このユニットは何をかくそうその後「忍風戦隊ハリケンジャー」の主題歌で一世を風靡することになる高取ヒデアキ氏と実弟NOBU氏のユニットだったのです。

 高取氏との出逢いは更に数年前にさかのぼるのですが、元々ポケモンの主題歌を一緒に演奏したTHE JADOESのギタリスト、ジャック・伝ヨール氏の近所に住んでいたという大変ローカルな関係だったのです。何度か交流があるうちに一度THE JADOESの企画ライブに出て貰ったところ、その歌がコロムビアのディレクターの琴線に触れて、このユニットデビューに繋がって行ったワケです。
 実は当時から彼は「Z旗」というバンドを率いており(当時は違う名前でしたが)、そのチームでオケを作る事も出来たのでしょうが(実際セカンドシングル以降のカップリング曲はこのユニットで作られている)、アニメスタッフやメーカーに名前の通りがいい私が参加した方が事がスムーズに運ぶだろう、という判断があったのでしょう、共同アレンジという形になりました。
 が、ヒデアキ氏としては折角巡って来たチャンスですから、自分のイメージ通りに楽曲を仕上げたいという思いが大きかったのでしょう。大まかなサウンドの方向性から細かいフレーズにいたるまで、様々な部分でかなりの指示がありました。私も一応この1年間で培った自分のサウンドを守らねばなりませんから、そこで多大な衝突が起こったのは言う迄もありません。勿論お互いそこそこ大人(笑)なので数年前の竹野内豊が作曲家役で出てたドラマであったような掴み合いのケンカみたいな事にはさすがにならなかったのですが、なかなかお互い着地点を決められないままフラストレーションだけが溜まって行くというなかなかに辛い作業でした。カップリング曲(これも同じ体勢で制作)の最後のピアノソロ部分では遂にヒデアキ氏が「申し訳ないがここだけは譲れないんでどうしてもこういうイメージで弾いて欲しい」と私をねじ伏せるに至りました。今思うと私の方がつまらない意地を張っていただけのような・・・(苦笑)
(数年後飲み会でその頃の話になり、ヒデアキ氏の方も「あの頃は俺もピリピリしてたよねー」と思っていた事が発覚(笑))。

 そんな中でもNOBUはなかなかにどこ吹く風といった感じで、好きな洋楽のCDを持って来ては「このリズムの感じかっちょいーですよね」とだけ言って後はおまかせ、ヒデアキ氏と私が意見をぶつからせている時も「この結果はどんな音になるんだろう?ワクワク」とむしろ結果を楽しみに待っている感じでした(私にそう見えただけかも知れませんが・・・)。
 彼の奔放振りはギターの録音にも現れました。まずアンプのスピーカーが事務所の外階段に置きっぱなし。大丈夫かな~と思っていたらホントに横っ腹に大穴が(!)「なんとか録ってみんべえ」と音を出すと・・・まあもの凄い轟音!穴から突風が吹いてくる程の轟音を鳴り響かせながら録音するのですが、ソロの録りになると今度はなかなかフレーズが降りてこない。よくは覚えてませんが十数小節のソロだけでバッキングトラックの録音の3倍くらいの時間をかけた記憶があります。無邪気な少年のような面と豪快にアーティスティックな面を持ち合わせた不思議な青年でした。この活動の後一時期音楽から遠ざかっていたようですが、最近Z旗のギタリストとして再始動しています。

 ・・・話は脱線しますが、文中の竹野内豊主演のドラマ「with love」。主人公の作曲家がCMのコンペ用楽曲をメールに添付して送ったら間違ってヒロイン(フツーのOL)の元に届くという話だったのですが、当時は「そんなデカいのメールでほいほい送れるかっ!間違えて受け取る方もそんなデカいメールが来たら怪しめよ!」(音声を送ろうと思ったらWAVかAIFFの時代。プロバイダのメールボックスも通常3Mぐらいが関の山。登場人物の回線はISDN!)と思ったものですが、その後すぐmp3が普及し、デモのメール添付はごく当たり前になってしまいました。番組のプロデューサーに先見の明があったという事でしょうかね。

アニメ備忘録その5・爆球連発!!スーパービーダマン(後)

2006-08-16 02:30:22 | アニメ
 普通アニメの場合劇伴はかなりギリギリにならないと発注が来ない(設定等が煮詰まらないため)ため、大概主題歌の方が先に作られるのですが、今回は「超速スピナー」と番組開始を意図的にずらした事もあり、劇伴と平行して主題歌を制作する事になりました。例によっておはスタ用30秒、ビデオ&番販用90秒、フルサイズをそれぞれ作らなければならないのですが、OPの場合30秒サイズのエンディングはフルサイズで言うところの2コーラス終わりになっていまして、そこにブレイクを作ってそれを30秒サイズのエンディングにしています。90秒サイズの方はフルサイズと同じエンディングを使っています。この「2番終わりのブレイクをTVサイズのエンディングにする」という手法は結構その後も使っていまして、最近作「仮面ライダーカブト」のOPなんかもこの手法です。TVサイズのエンディングは結構サクっと終わらなければならない場合が多くフルサイズのエンディングにするにはあっさりし過ぎる場合が多いので出来れば別の物にしたい。でもTVサイズだけのエンディングを別に作るとそれはそれでフルサイズを聞いた時ちょっと寂しい・・・という二つの欲求に答えた上手い方法だと自負しております。我ながら名案(笑)
 またこの作品から積極的にオーディオソフトを使うようになり、各TVサイズの編集も自分でやりました。と言うか、当時レコーディングスタジオにおいてProToolsはオプション料金扱いだったんですね。TVサイズ編集のためだけには借りられないし、でも今時アナログマスターテープにハサミ入れたりMTRのサンプリングで編集するのも嫌なので、自分のDigital Performerで編集するようになりました。思えば「金色のガッシュベル!」(3年前)まで自分で編集してた覚えがあるので、結構最近迄オプション料金だったって事ですね。今じゃ逆に3348(一斉を風靡した48chデジタルMTR。当時録音スタジオの定番)がオプション料金の所さえあるそうですけど。ちなみに30秒サイズのイントロは拍の途中でぶった切るようなかなりキビシイ編集をしているのですが、こんな事が出来たのも自分編集ならではですね。(残念ながらビデオに収録されているのは90秒サイズなので、この30秒サイズを聞く事は現状ほぼ不可能です)

 OP/EDはドラムTスクェア長谷部徹氏、ベース角松敏生インストツアー青木智仁氏、ギター松岡直也バンド今泉洋氏というこれまた高校~大学時代に一方的にお世話になった方々。これに更にエリック宮城ブラスセクションが乗るという超豪華布陣。歌も遠藤正明氏と水木一郎氏というこれまたアツい取り合わせで、ワタシの作品としては珍しく熱血な主題歌になりました。あ、あとおなじみポケモンキッズも(笑)。
 OPはディレクターのアイデアで、「B-Fight!」という最初の歌詞の所にメロディーを無視して合いの手を入れる形にしたのですが(もともとその後の2小節と同じ譜割りだった)、これはハマって良い結果になったと思います。このコール&レスポンスに最適なパートのお陰で、遠藤氏のライブでは終盤のクライマックスの定番曲になっているようです。

 しかしアニメそのものは若干不遇な面も有りました。アニメのデジタル化の過渡期に当たってしまい、アニメ制作会社のフルデジタル初作品であったため、多くの部分が試行錯誤の連続でした。演出の部分にもそれは及び、原作のファンからは「原作の熱さが全く生きていない」とお叱りを受ける事も多々あり、いたたまれない思いを何度もした記憶があります。同じ制作会社がフィルムで制作していた「超速スピナー」を見る度に「なんでこっちだけフルデジタルなんだよ」と嫉妬した事もありました。結果的に開始1年を待たずして打ち切りとなってしまうのですが、こういった作品のチャレンジのお陰でまたたく間にデジタルアニメ制作のノウハウが蓄積され、それからわずか2、3年で全てのTVアニメがフルデジタルになってしまったのですから、まあ一応果敢な先駆者だったって事で、それはそれで今となってはいい想い出でございます、ハイ。

アニメ備忘録その5・爆球連発!!スーパービーダマン(前)

2006-08-12 18:21:28 | アニメ
爆球連発!!スーパービーダマン
(OP/ED作編曲、劇伴)

 「学級王ヤマザキ」終了直後に次のおはスタ内アニメの企画が上がって来ました。当時コロコロコミックで連載していた2作品「超速スピナー(ハイパーヨーヨーを扱った漫画)」と「爆球連発!!スーパービーダマン」を週代わりで放送という事になりまして、まあどちらも当時小学生の間ではかなり人気のあった玩具であり、おはスタ内でも争うようにプッシュしまくりだったのですが(ハイパーヨーヨーはバンダイ、スーパービーダマンはタカラ)、今度はアニメで勝負という事に相成ったわけです。あ、勝負ってのは私の勝手な想像でして、ホントはもっと「皆で盛り上げていこう!」みたいな雰囲気だったのかもしれませんが(笑)。

 とりあえず原作漫画を読破してみると、何とも凄い展開です。とても「『ビーダマン』と呼ばれるロボット型のおもちゃからビー玉打ち出して遊ぶ玩具」の漫画じゃないですよこりゃ。打ち出したビー玉が垂直方向に何十mも飛んでくわ、見た目4~5kgはありそうな円盤状の物体をビー玉ではじき飛ばすわ、水中から打ったビー球が空中へ飛び出して他人のショットを邪魔するわ・・・しかも大会になるとプレイヤーに「ビーダマン」を製造できるラボが貸し出され、鋳型から起こしたオリジナルのビーダマンを小学生が作ってしまうという超展開!「ゲームセンターあらし」(たとえが古いなあ)を思わせるまさに「トンデモ」的展開です。もっとゆるーいゲーム感覚の物を想像していたワタシは完全に路線変更を余儀なくされてしまったのですが、さらにキャラクター紹介編みたいな序章が終わると2クール手前から最終回迄もうずっとビーダマンバトルしっ放しというアツーい展開のため、劇伴はヤマザキとは打って変わってバトル系の曲が多くなるとのこと。以前「餓狼伝説」というバトル系ゲーム音楽のライブバンドをやっていたりしたワタシは、その楽曲が大ロックフュージョン大会だったのを思い出し、打合せの時から「餓狼伝説みたいな感じにしましょうよ」と判ったような判らないような解説の後で具体的にフュージョン系のアーチスト名をバシバシ揚げてスタッフを煙に巻き(笑)すっかり水を得た魚的展開に持ち込んでしまいました。同意を得ればしめたもの、ほとんど単なる自分のオリジナルのような曲を書きまくっているだけで仕事になるというとてもオイシイ展開で、しかもギターを羅麗若古川氏に弾いてもらえたりするというんで「じゃあこんなんもアリだよね」とばかりの変拍子曲とか(スタジオのアシスタントがパンチインする時すごく困ってたっけ・・・)イントロの後は延々ギターソロの曲とか、すっかり趣味の世界に突入してしまいました。今聞くと、あまりに趣味の世界に行き過ぎてアニメのBGMとしてはすごい扱いにくい感じになっていますねぇ。A-B-Aみたいな構成の曲でBのメロやオブリがAにこぼれてたり、2回目のAが半音上に転調してたり、とても編集しにくい感じになっていた楽曲がとても多かったのは多いに反省しております。アニメのスタッフの皆さん、ゴメンナサイ・・・でもホントに楽しかったです。燃えました(笑)

 それと大トピックだったのは、劇伴担当作品で初めて「サウンドトラック盤」を出して貰えた作品になった事です。ひと仕事終えると自分のインスト曲ばかりのアルバムが自動的に出来てしまうという、あたりまえと言えばあたりまえだけど凄い事実ですね、これ。まだAmazonに新品在庫があるみたいです。今ならまだ間に合いますよ!(何が?)

 いやあ、楽しいですね、劇伴制作。お仕事お待ちしておりま~す!

 続く・・・

 P.S. 今回、表現に若干の誇張が入っております(笑)