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橈骨(とうこつ)遠位端骨折 成績の良い治療方法は?

2008年04月01日 | 病院だより
 早いもので3月ももう終わりです。
桜だよりもあちらこちらから聞かれるようになりました。
希望に胸膨らむ春がやってきました。
甲子園も大詰めを迎えていますし、プロ野球もセ・パ両リーグ開幕しました。
リクルートスーツも真新しい新入社員や学校では新入生の姿が見られるようになります。

 本日は病院だよりを掲載致します。
 
 二〇〇六年五月、ヤンキースの松井秀樹選手が試合中にスライディングキャッチをした際に左の手首を骨折しました。
このシーンはテレビでも繰り返し放映されたので記憶に残っている方も多いでしょう。
 これは、骨折の原因としては珍しいケースでしたが、転倒による手首の骨折は数多く発生しています。
 手首の骨折の大部分は橈骨に起こりますが、骨の強度や受傷時の外力の大きさによって骨折の状態も異なります。

ずれのない骨折
 レントゲンで橈骨の一部に亀裂が確認できる程度の骨折ならば、アルミの副木をあてておくだけですみます。
骨折部の痛みがなくなったら治ったと判断して副木を除去します。

ずれがある場合の治療法
 二十年くらい前は、原則的にずれた骨を徒手整復してからギプス固定を行っていました。
しかし、日数が経過すると骨折部にずれが生じてしまい結果的に変形治癒してしまうことも珍しくありませんでした。
 また、ギプス固定を行うと五週~六週間のあいだ指の運動が制限されるため、骨折が治っても指の動きが悪くなってしまうという欠点がありました。
 このような問題の解決策として、創外固定法やプレートによる骨接合術が用いられるようになりました。

創外固定法
 骨折部をはさむ位置に金属製のピンを二本ずつ、計四本を橈骨に刺入します。
次に、ピンの体外に出た部分を専用の器具で固定します。
最近は、あまりかさばらない器具が開発されていますが、入浴には不便です。
創外固定の例
骨接合術
 通常は日帰り手術で行うことができます。
 骨折部の手のひら側を六~七センチ程度切開して専用の金属プレートをあて、ネジで固定する方法です。
 手術後数日で箸や食器を持つことが可能で、入浴することもできます。
手術直後から指の運動ができるので、リハビリもあまり必要がありません。
        
手術前のX線                       手術後のX線
 骨折に限らず、治療は最初が肝心です。
変形治療してしまってからの手術も不可能ではありませんが、余計な手術操作が必要となったり治療期間が長くなったりします。

執筆者ご紹介
 整形外科 北平先生

 中四国で脊椎手術件数が最も多い広島市立安佐市民病院で研修を受けた関係で現在まで椎間板ヘルニアや腰部脊椎管狭窄症といった脊椎の病気を中心に診療・手術をさせていただいております。
 また、野球・バイクレースを趣味にしていますので関連する外傷についても話が通じやすいかと思います。

<ハチドリの独り言(読書篇)>
 新幹線ガール 徳渕真利子著  メディアファクトリー社税抜き952円です。
専門学校卒業後ホテルに就職するも運営方針に失望して退職。
JR東海の子会社と思われる新幹線パーサーのアルバイトに応じ、そして正社員になる。
半年間の期間売上でパーサー300人の中で1位となり、朝日新聞の天声人語から取材依頼が来る。
また昨年TVでも単発ドラマとしても放送されています。
 この本はその本人が日頃の心がまえ等を綴ったものです。  接客の心がまえ等が書かれており、サービス業の部門では役に立つのでは…。 
参考になったのは、
接客にあたっての五A
・お酒に酔ったお客様にからかわれた時でも…アタマニクルナ
・接客中に「あ、ついでにこれもください。 あれとそれも」と言われたときに…アワテルナ
・自分が知らない事をお客様に尋ねられたときに…アセルナ
・自分には向いてないかもしれないと、くじけそうになったときでも…アキラメルナ
・分からないことがあっても簡単に先輩を頼らない。ワゴンを押すときは一人なんだから、自分で工夫したり判断したりする力を持つ事…アテニスルナ
本文174頁
接客の5S
・STUDYスタディーー自学・学習
・Sincerityシンシアリティーー誠実
・Smileスマイルーー笑顔
・Speedyスピーディーー迅速
・Smartnessスマートネスーー機転がきく
お客様に接するときはいつも笑顔で。そして誠実で迅速でなければならない。
マニュアル通りではなく、不測の事態には機転をきかせて、さらに自分を高める為にいつも学習をしておく。これが接客の基本です。
143~144ページ。
どこでも書かれていることではあるのでしょうが、今一度かみ締めることばではあります。

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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
骨接合術を受けました (松倉)
2010-02-12 01:08:54
北平先生こんにちは。
私、左手首を骨折し1月14日に骨接合術を受けました。術後から親指、人差指、中指のシビレがあり担当Dr曰く、しばらくすればとれてくる。とのことでしたが、しびれ具合がどんどん酷くなり、ピリピリと神経痛で夜も眠れません。担当Drの見解のとおり、しばらくの我慢でしょうか?ご見解をいただけると幸いです。
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