ころがせ複勝!

日々のぼんくらな生活の中でのあれやこれや…

本を読む(義経になった男 全4巻 by 平谷美樹)

2013-02-04 23:18:05 | 読書

そもそもいつ買った本か思い出せないというところから始まりまして、blog便利、我の代わりに覚えていてくれる、ありがたい!
2年も前じゃないか!!義経になった男
さて、この本は河北新報に連載されていたものであること、作者の平谷美樹氏は東北の出身であることを踏まえての感想でございます。

源義経の話。

判官びいきという言葉もあるように、義経に関しては衣川では死なずに大陸に逃れて行ったのではないかという伝説が受け継がれている。そして義経には影武者×2&本人の併せて3人いたんだよというカンペキSF。
1つは義経が衣川で死んだこと、もう1つは奥州藤原氏が滅亡したこと、という2つの事件は、義経が平泉に来たから巻き添えを食らって藤原氏が滅亡したのではなく、藤原氏自らの幕引きに義経を利用したという、作用反作用の方向が逆だったと言いたい訳です、作者は。

都から遠く離れて夷とか戎などと呼ばれ蔑視されていた奥州に、都に劣らない一大都市平泉が鎮座していたことは、田舎物の私にしてみればとてもミラクル。

そして、その華麗に栄光を極めた都市は、都の権力者から見れば目の上のたんこぶであり、いずれは叩き潰さねばならないほどに繁栄を極めてしまっている。たとえ奥州側は都と事を構える気がさらさらなくてもである。一方的に、「ブスなんだから、そんなお化粧とかする必要ないじゃん」的ないじめの対象になっていたという解釈でいいすか?いいですね、一方的に進めます。

その思い入れのある奥州藤原氏は、鎌倉によって滅ぼされたのではなく、民の平和を守るために自ら「目の仇」にされるものは滅んでやったんだという心意気であり、鎌倉の兄頼朝を最後まで翻弄した義経は、確かに衣川で死んだよ、でも彼の影武者が生き延びて大陸に渡ったから、義経は大陸に逃れた伝説が残ったんだぜという奥州バンザイな話です。

別に、キライじゃないです、こういうの。エンターテイメントとして読めましたので。自分の故郷は美化したいですよね、滅んだんじゃない、自ら退いたのだ!!って言ってみたいことって山ほどあるよな、それってひょっとしたら、作家の特権なのかもしれんとも思った。

面白かったです、はい。


Comment    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 神楽 | TOP | 年1回のネタ »
最新の画像もっと見る

post a comment

Recent Entries | 読書