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熟年オジサンの映画・観劇・読書の感想です。タイトルは『イヴの総て』のミュージカル化『アプローズ』の中の挿入歌です。

アイ・アム・レジェンド

2007-12-19 | 映画
謳い文句の『地球最後の男』なんて、如何にもB級のSF映画っぽいタイトルで好きではないが、案の定、リメイクでどんだけ豪華SFチックに装いを凝らしても、所詮はキワモノ映画であった。”ナイト・クリーチャー”あたりが妥当なタイトルだ。

細菌に感染して全世界の殆どの人が死んでしまい、生き永らえたとしても、凶暴なゾンビか吸血鬼のように、夜間だけ獲物を求めて徘徊するクリーチャーなってしまった人類に救世主が現れるか?という映画である。
ニューヨークのマンハッタンで、一人と一匹だけ正常に生き残ったのがウィル・スミス演じる「地球最後の男」と愛犬のシェパード、サムである。
唯一この映画で評価できるのは、日光が降り注ぎ一見静かで長閑に見える無人のマンハッタンの風景くらいだ。日没後は凶暴なゾンビが暗躍する暗闇の世界である。
食料もまともに無い廃墟のゾンビたちがめっぽう強い。速く走るは、壁も這い登るは、まるでスーパーマンかスパイダーマンみたいな無敵ぶりで、呆れてひっくり返ってしまう。
強いだけでなく、言葉は喋れないはずなのに、主人公をトラップに掛ける知恵は発達しているというのも解せない。

他にも生存者が存在しているか否かは、ネタバレではないので言ってしまうが、突如、子連れ女性が登場する。
オイオイ!ゾンビがクルリと輪じゃなくて首をかく、危険極まりない世界に、どこからどうやってニューヨークに湧き出てきたの?と、ついついツッコミを入れたなる御都合主義。
かくして、地球最後の男(どこが最後なんだ!)は、生け捕ったゾンビの生体から作った、たった1本の抗体の容器を女性に託して、レジェンドとなるのであった。全世界のゾンビの皆さんを救うのに、それだけで足りるのか?!
そもそも、全世界の人類を感染させた細菌に説得力がないので、現実的な恐怖感が沸いてこないのが致命的である。
所詮は3流の化け物映画の域を出ない、本年度ワースト映画候補となってしまった。


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