犬の可愛がり方を知っている人間ばかりではない。
だけど犬の方は人間の可愛がり方を知ってるよ。
【口絵の言葉】 暫く見ていて、犬の手の掛け方に、なんとも味が有ることに気づきました。
(承前)
全体のハンドは
♠K5
♥9876
♦KQ9
♣AK85
♠AQ32 〇 ♠J10974
♥AK -------- ♥Q53
♦AJ54 ♦7
♣1064 ♣QJ72
♠86
♥J1042
♦108632
♣93
Nの1NTオープンに対して、Wは、伝統的な立場だとダブルが有りえます。それに対してやはり伝統的にアドバンサーが♠をビッドすると(➡前掲コーネル大数学科)、Wが4Sにレイズしメイクします。Wの620.
アドバンサーがパスした場合は、1NTダブル/Nは、4トリック取れば上等。定石通りのOLでCJが来ると、ディフェンスは10トリック取るかもしれません。Wの500か800.
2D/Sは、ペナルティダブルを掛けられても1ダウンですが、メイクチャンスも有ります。Wの100(ダブルド)、50、-90、-180(ダブルド).
現代的な考え方で、Wがペナルティダブルを掛けないか、システムとして不可能だと、単に1NTの3ダウンか4ダウンで、Wの150か200.
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私達は、現代の権威者の考え方に盲従しがちですが、こういう、昔は大事にされた例というのが、現代だからといって無くなるわけではないという当たり前のことを、思い知らされます。
ただブリッジトーナメントの普通の考え方では、統計的に成功することが目標になるので、こういう稀なハンドでは、大損失さえ無ければよしとするシステムが現代的なわけです。†
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† 虎ひげ様のような楽しみ方と、科学的なシステムとの共存や、デュプリケートゲームそのものの存立する前提との間には、さまざまな問題が含まれます。
虎ひげ様の基本戦略は、スコアの分散を出来るだけ大きくして、その結果、三度か四度に一度勝って帰れば大成功とするもののようで、私が学んだ時代のゲーム理論の主流だったアブラハム・ワルドのミニマックス戦略―最大被害を最小にする―のように毎ボードのスコアを安定させる立場とは全く別です。(現実の国家も個人も堪えられる損失に限界が有る。ブリッジでもどこかに限界線を引いている。)
現実の上級プレイヤーの多くは、この両極端の間で、自分にとって一番楽しいラインを模索し続けているのでしょう。
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