Tsukuba Scientific, Bridge Seminar

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Q&A 83  AxxとQ9xが向かい合っているときのプレイの定跡は(3) (全体のハンド)

2017年07月16日 | Weblog

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〔口絵の言葉〕 真由子様が言う「なんか新しいタイプのおばかさん」の一種かも。ブリッジ研究家の若いころもこんな感じだろうか。

 

 

前稿では、♠と(切札)の配置だけを載せましたが、taka様の御指摘(感謝)以前に、ビッド~最終コントラクトについては筆者も気になって居たので、全体のハンドを掲載します。見やすくするためデクレアラー(E)を下にします。 

   

Q94

   

 

    A106 
    Q753
    Q97
KJ832   106
4   --------  K852
J982    1064
1043   〇  AJ62
    A75
    QJ973
    AK
   
K85

 (下がE、右がN)

 

実際のスコアでは、コントラクトは4(過半数)と3NTがほぼ相半ばし、質問者だけがQを出さずにラフを招いて1ダウンしたのだそうです。なおマッチポイントのトップシェアは3NT4メイクだったとのことです。

スコアから見て、質問者のフィールドでは、ディフェンスの技量のせいで3NTの方が作りやすいということは特に無かったと見られますし、一般論としては、3NTが4メイクするようなハンドならば、大半の場合には4も作りやすいと考えられますから、筆者としては、このハンドについても、中級以下の方には、IMPだったらもちろんとしてマッチポイントでさえも、4をお勧めしますが、立場上、上級者限定で、ハーディ-つくばSciで3NTをビッドする方法について述べます。

         ____________

質問者の場合は、1オープンへのバッドリミットレイズの3に対してオープナーが4を選びました。

 BALで非常に強いこのオープナーは、4よりも3NTを選べないか? 

バッドリミットレイズは良い9HCP以上の準BAL(ショートネスが無い。)だから、3NTを選ぶのはオープナーの勝手です。(私のパートナーのXさんはそうしそうな人の一人。) レスポンダーはパス。

それ以前に、

 このハンドで1NTオープンを考えて、しかも5枚が有るから18HCP相当だとして避けるのであれば、オープナーは2NTリビッドすればよいのではないか?

レスポンダー側としては、

 このハンドのような(4333)でのバッドリミットレイズは、好ましくないかもしれない。

例えばリースのスーパープレシジョンでは、これに相当する「バランスド・レイズ」はラフ価値(=ダブルトン)が必要だとしていた。しかしハーディはその区別をしていない。

但し、上述のようにバッドリミットレイズでも、ショートネスが無いことまでは伝わるから、の判断材料にはなる。

[十年近く前に本ブログでハーディのメジャーレイズシステムを紹介したとき、3枚サポートでショートネス有りをグッドリミットレイズ(4枚サポートと重なる。)、ショートネス無しバッドリミットレイズと書いた途端、「どこに3枚と4枚のレイズを一緒にするシステムが有るか」と痛烈な批判を寄せられた方が居られました。これは当時アメリカでも賛否両論行われていたし、日本でも先進的な人はLoTTに基づくバーゲンレイズを使い始めていましたから、無理も有りません。

しかし、筆者は今回の議論で、ハーディ式のこのレイズシステムの価値を、今更のように再認識した次第です。無論リースのように(4333)を除く手段が有るに越したことはないけれども、それだとシステムが煩雑になることは勿論として、表現対象から失うものも有るかもしれませんから。]

 もし、レスポンダーがバッドリミットレイズを避けたければ、2NTリビットにすれば良い。

このハンドは一応全スーツ止まるが、私見ではoM(アザーメジャー)が止まれば十分だと思う。その場合Wが3NTのデクレアラーになり、結構乙かもしれない。

更に遡って、

 1NTオープンすべきか? (→taka様のコメント)

5枚Mを隠して1NTビッドするためのハーディの3条件を或る程度満たしているが("トッピッシュ"の嫌いは有る。)、17HCP有るので、ハーディではダメ。(上述のなら正当。)

なお、ハーディの場合、2♣は原型のままで、パペットSTAYにはしていません。(→NISHIDA様のコメント)

またロビンソンのワシントン・スタンダードだと1NTオープンに2♣レスポンスが来たときオープナーは3にジャンプリビッドする。

         ____________

このように、ハーディでも、3NTをやりたければ、(オープナー)や(レスポンダー)の道が有るわけです。

NISHIDA様のJ10xxからのリード、taka様のQプレイ説については、更に議論を深めて行きたいと思います。

  

〔付記〕     

偶然ですが、私が、最近サロンで質問が起こりがちなこととして、気に留めたことは、ハンドとダミーとの間でAQ10が分かれているケースで、デクレアラーが手を付けるときのプレイです。(➡ブリッジ百科の「スーツ・コンビネーション」) 7枚以上で、

  Q10xx

  Axx

とか

  Qxx

  A10xx

とか、1スーツプレイの基本センスを磨くのに、丁度良さげに見えます。

今回の質問は

  Q9x

  Axx

で、上のAQ10の問題とは、

  1. デクレアラーが6枚しかない。
  2. Qの下が10でなくて9。
  3. 自分から手を付けるのでなくて、リードされた状況。
  4. 現実はスーツコントラクト。

とかなり違いますが、いずれにせよ、1スーツのプレイを系統的に教えるのには、AQ10から始めるのが適当かなと思っていたところでは有りました。これを機に、新しいトピックを立てようと考えています。


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1 コメント

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深い (taka)
2017-07-16 17:15:41
結構、深い問題に突っ込んだやうです。
私は以下のように試験中。
15,16HCPで5Mを持っていたら、1Mでオープンします。
しかし私が17HCPで5Mで6コントロール(以上)、6LTC(以下)なら、1Mでオープンしてみるという実験です。
質問者が、ここまで考えてビッドしたか、単に5Mあったからかは分かりませんが、、、
ま、今回はMPでハズレ(4H4メイクしても3NT4メイクに負ける)でしたが、もしWの手が、
W    E
Kxx  Axx
Axxx QJ9xx
xxxx AK
xx   Kxx
だったら、Eが1NTオープン→WはPになるでしょう。
しかし、Eが1Hオープンなら、1H-2H; game try-4Hになりそう。
1NT all Pで4メイクを尻目に4H5メイクかもしれません。
♪お~それ み~よ♪の気分で乾杯出来たかも。

3枚サポートでもシングルトンあれば、1H-3Hのリミットレイズ可!は例84bですね。
これに似た経験しました。別のスレにて。

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