元船長に執行猶予付き有罪＝シー・シェパード捕鯨妨害―東京地裁

反捕鯨団体シー・シェパード（SS）による調査捕鯨船妨害事件で、傷害などの罪に問われたSS小型高速船元船長でニュージーランド国籍のピーター・ベスーン被告（45）の判決が7日、東京地裁であった。多和田隆史裁判長は「主義主張のためには危害を加えても構わないという独善スーパーコピー的な行動だ」として、懲役2年、執行猶予5年（求刑懲役2年）を言い渡した。
　瓶に入れた酪酸を発射して船員にけがを負わせた傷害罪について、被告側は「けがをさせるつもりはなかった」と無罪を主張したが、多和田裁判長は「甲板上に複数の船員がいることを確認しており、船員がガラス片や酪酸を浴びてけがを負う危険性を認識していた」と退けた。
　その上で、酪酸発射を「重大な傷害を負わせる恐れのある、危険極まりない行為」と指摘。SSの活動自体も「ルイヴィトン コピー バークレー悪質な妨害行為を組織的に繰り返している」と非難した。
　一方、ベスーン被告が南極海での反捕鯨活動への不参加を明言したことなどを、執行猶予の理由として挙げた。
　被告側は、威力業務妨害や艦船侵入などほか四つの罪については起訴内容を認めていた。
　判決によると、ベスーン被告は2月11日、日本の調査捕鯨船「第2昭南丸」の船員に軽傷を負わせ、業務を妨害したなどとされる。
　ベスーン被告は入管施設へ移され、退去強制となる。早期帰国を希望する場合、自費出国を選択することもできる。
　事件では、妨害を指示したとしてSS代表でカナダ国籍のポール・ワトソン容疑者（59）が国際指名手配されている。