イタリア行く前から後悔してた。
今にでもキャンセルしちゃおうかな、とか、今からでもキャンセル間に合うかな、とか。
で、ここに来て、さらに後悔。
クラスの仲良い友達で卒業旅行行こうって話はしてた、ずっと前から。
でも、私だけ行けない。
お金が足りない。
トータル40万かかるんだもの。
旅行会社の社長に特別に3ヶ国周遊プランを頼んだわけだから、そりゃ、そのくらいかかるんだろうけど。
でも問題はそこじゃない。
イタリアさえ行かなけりゃ!
あの子のわがままに付き合って2人で行かなけりゃ!
40万円用意できた。
馬鹿だった。
『やっぱり3月に行きたい、国家試験受かってからパーッと行った方が楽しそう』って言ったの。
でも『3月は私は無理そう。今しかない。あなたと一緒に旅行できるのは、今しかない!』って。
『だから一緒にイタリア行こう!私はイタリアに行きたいの!もう、今は一気に気持ちがイタリアに行っちゃって、勉強する気も起きない。パーッと現実逃避して、その後勉強しようよ』って。
私はそれでも断った。
そしたら、明日試験だというのに、夜中の2:00くらいに『考え直してほしい。あなたがいなきゃどこに行っても楽しくない。もうこの際イタリアじゃなくてもいい、国内旅行でも。とにかくあなたと一緒に旅行に行きたいの』ってメール。
怖かった。
明日試験だっていうのに、何してるの?
私は徹夜で勉強してるんだけど。
でも私はこのメールに負けちゃった。
あまりにも怖くて。
この1回一緒に行っちゃえば、もう縁切れるのか。
クラスの仲良い子に相談したら、『確かに行くなら今がチャンスかもよ?もしかしたら、うちらの卒業旅行も流れるかもしれないし』って。
なら、行くか、って。
でもどうせ行くならイタリア行くか、って。
で、申し込んでから分かったこと。
あの子は3月の研究室の卒業旅行に普通に行く。
研究室一緒だもの、その旅行でよかったじゃん。
もう今となっては私はお金が無くて研究室旅行は行けない。
そう、あの子の父親は政治関係の、超裕福な家庭の人間で、お金使いたい放題だった。
めちゃくちゃむかついたのが、『え、研究室旅行、行けないの?』の一言。
お前のわがままに付き合ったからだよ。
金ねーんだよ。
こっちは貧乏な家に育ったんだよ。
毎週土日はフルでバイトして、学費以外は出してんだよ。
あんたみたいな、数十万単位で金くれる家じゃねーんだよ!
こうやって考えてると、私は悲しくなってくる。
なぜ貧乏な家に生まれてしまったのか。
貧乏であることを悲しむ自分も嫌い。
断れない自分も嫌い。
そうやって考えてると、友達いない方が楽、って思う。
1人で生きていくんだ、って。
今回のイタリア事件は、完全なる私の非。
馬鹿だった。
今は猛烈に友達との3ヶ国周遊旅行に行きたい。
1人だけ旅行計画の話に入れずただただ聞いている自分は、時々、あいつが私から友達を奪っていく、って思ってしまう。
自分が悪いのにね。
どうすれば、いいの。