両子山(ふたごさん) 国東塔(くにさきとう)
【データ】両子山 720メートル▼25000地図 両子山▼最寄駅 JR日豊本線・杵築駅▼登山口 大分県国東市安岐町両子の両子寺
【案内】国東半島の各地に国東塔・国東型宝塔と呼ばれる石塔がある。国東塔は宝塔の一種だが、塔の上に載る宝珠に火炎が付き、塔身 は蓮華の台座に立ち、二重ないし三重の基礎があるなど、宝塔とは異なる特徴があるところから、大正時代に京都大学教授で建築史家の天沼俊一博士が命名したものである。造立は鎌倉時代後期から南北朝時代で、国東市岩戸寺の岩戸寺には弘安6年(1283)のものがある。両子山は国東半島の最高峰、この山中にある両子寺は六郷満山(国東半島の六つの郷と、その山中に建立された天台宗寺院の総称)の中心的な位置にあった寺だった。寺の山門には石造仁王が立ち、境内に国東塔はじめ多くの石仏が建立された。山頂までは車道があるが、奥ノ院から百体石仏を見て鬼の背割の奇岩から登りだす道がおもしろい。
【独り言】東京・JR神田駅周辺は昼食の安い店が多いので、勤め先がある大手町からときどき出かけます。その途中に「ひやね」とうい古本屋があります。神田とい えば古本屋ですが、本屋街は神保町にあり、神田駅周辺にはこの店1軒しかありません。うなぎの寝床のような狭い店です。この本屋、こけしなどの民芸品関係の書籍を集めていて、山の本も少しあるので昼食のあとの暇つぶしに立ち寄ることがあります。そこの書棚に『大分の石造美術』(望月友善著。昭和50年)があるのを見つけていました。しかし高価な本だし、手が出ないでいました。ある日、いつものように立ち寄るとドアが開きません。ノブをガタガタ回していると主が出てきて、「本の整理中だから、見るだけはお断りです」ときました。 ムッとしたので「買う」といって入ってしまい、失敗したと思いましたが、後の祭りでした。しかし、これで手が出ないと思っていた本が買えたので、ホッとしたのも事実で、ついでに大分の石仏を見に出かけました。
それにしても今年は異常気象、9月下旬の大分は連日30度の残暑続き。その4日間のなか、阿蘇山や久住山も登るハードスケジュールをこなしてきました。写真下は最古の国東塔(国東市岩戸寺)です。