偏平足

里山の石神・石仏探訪

石仏番外 高戸山(群馬)

2012年03月31日 | 登山

高戸山(たかとやま) 巡拝塔(じゅんぱいとう)

372【データ】高戸山 624メートル▼国土地理院25000地図 番場(地図に山名無し。穴切峠の北西にある624.8の標高点)▼最寄駅 JR両毛線・桐生駅▼登山口 群馬県桐生市梅田町の穴切集落▼石仏 穴切から穴切峠への沢道の右岸、地図の赤丸印

37213722【独り言】穴切集落から高戸山の南東にある穴切峠に向かう沢沿いの道に、頭部のない地蔵菩薩が立っていました。立派な蓮華の台座に立つ地蔵は顔も立派だったに違いありません。こんなとき頭部がころがっていないか周辺を探すのがこのごろの儀式でして、まえに長野の山でこの儀式をやっていたら頭部がでてきたことがあったものですから、それ以来味をしめて今回もやってしまいました。そうしたら、地蔵の近くにこれも頭部のない苔でおおわれた石仏が倒れていました。こうなれば捨ててはおけませんから、石で土台を築き、苔を落として立ててみました。倒れていたのは合掌した菩薩系の石3723 仏でした。石仏には「西国二度坂東二度」の銘もありました。西国は西国三十三所観音札所、坂東は坂東三十三所観音札所で、これをそれぞれ二回巡拝したことを記念してこの石仏を建てたようです。したがってこの石仏は頭部がないものの観音菩薩としました。観音菩薩の巡拝塔となります。

 石仏があるこの道は穴切峠を越えて皆沢に出ます。昔はそうとう利用されたらしく、道中には庚申塔や山の神や墓石まで立っていました。墓石に関してはこのブログの372高戸山で案内しましたが、これほど生活の臭いがただよう峠道は珍しく、歩いていると人の話し声が聞こえそうです。

 年のせいなのでしょうか、最近石仏が倒れたり壊れたりしていると、どうにかしてあげたい、などと思うようになってきました。またそのような場面に出くわすことが多いのも、これも年のせいなのでしょうか。まだ、一つでも多くの山を歩きたいという気持ちは残ってはいるのですが、倒れた石仏は行き倒れの人と同じように見えてしまいますから、ゆっくり、のんびり介抱するようにしています。

【追伸】桐生の山を歩く時いつも参考にしている「楚巒山楽会」HPの砂女さんから

ら、うれしいコメントが届きました。

コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 石仏372高戸山(群馬) | トップ | 日本の石仏141 »

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
穴切、高戸山の記事、大変嬉しく拝読。 (砂女(楚巒山楽会))
2012-03-31 21:27:54
穴切、高戸山の記事、大変嬉しく拝読。
あの判りにくい山道を辿っていただき、中腹の墓塔の判読、下の観音像の介抱、ほんとうにありがとうございました。扁平足さんのおかげで石仏に目覚めたなどと言いながら、地元に住んで何度か歩いているのに地蔵尊の頭部を探そうともしなかったことをいささか恥じております。
あのちんまりした、優しい表情の墓塔がそんなに信心深い女性の、しかもかなり古いものだったことに驚きました。写真もどれも美しい光線で感嘆しきり。

当会の記事、どれも道順が判りにくく所要時間も曖昧なので、そのあたりをなるべく改善しながら書き継いでまいります。まだまだ山中に色んな石仏が眠っている当市、またおいでになるのを心からお待ちしております。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。