偏平足

里山の石神・石仏探訪

石仏番外 妙高山(新潟)血ノ池

2016年09月02日 | 登山

妙高山(みょうこうさん) 血ノ池(ちのいけ)

【データ】妙高山 2454メートル▼最寄駅 えちごトキめき鉄道はねうまライン・関山駅▼登山口 新潟県妙高市関山の燕温泉▼地図は国土地理ホームページより



【独り言】 妙高山の血ノ池を訪ねました。血ノ池は地獄にあるとされた血でできた赤い池です。血の池は女人が流す血が大地を穢して地獄に溜まったものとされ、その罪により女人は死後、血ノ池地獄に落ちると『血盆経』に説かれています。妙高山の血ノ池は、燕新道の二合目から北地獄谷道の光明・称名滝に出る中程にあり、昔の妙高山信仰の道の行場になっていました。しかしそれは昔のことで、いまは血ノ池のはるか上を通過するため池は通らず、血ノ池という案内(写真中)があるところから、崖のはるか下にそれらしい赤い水溜り(写真下)を確認するだけです。




 この国が地図作成の測量を始めた明治時代、血ノ池は重要な地名だったのでしょう。地図に明記された血ノ池は各地の山に残されました。それは妙高山・浅間山(写真上)・日光白根山(同中)・飯豊山(同下)などですが、ただこれらは現在の国土地理の地図に記されているもので、明記されなかった血ノ池も沢山あります。その筆頭は立山でしょう。


 立山の血ノ池はみくりが池の先にある赤い水溜り(写真上)。かつてはこの池に、立山の登山口にある岩峅寺で出す「血盆経」を投げ入れることにより、女人は血ノ池地獄から救われたそうです。しかし立山に登れるのは男だけ、女人は登山口の芦峅寺の姥堂の姥神(写真下)に祈願成就を願ったそうです。立山の女人救済は血ノ池と姥神の二本立てになっていたのです。こうして立山の血ノ池は血盆経で埋め尽くされました。


 血ノ池と姥神を祀るこの構図は飯豊山や出羽三山はじめいくつかの山にみることができます。妙高山もその一つで、姥堂は関山神社と燕温泉の中程にあり、姥神が鎮座(写真上)しています。


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