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(since 17 AUG 2005) |
Runway Incursion
米国のコロラド州デンバーのデンバー国際空港で、危機一髪の“Ruway Incursion”がありました。
クリスマス前から米国、北西部では悪天候で空港閉鎖やフライト・キャンセルが多発しています。その日の朝も、
KDEN 051505Z 03012KT 1/2SM R35L/3500V4500FT -SN BR BKN006 OVC011 M04/M05 A2984 RMK AO2 SFC VIS 1 P0000
KDEN 051453Z 03014KT 1/2SM R35L/4000FT -SN BR BKN006 OVC013 M04/M05 A2983 RMK AO2 SFC VIS 1 1/4 SLP117 P0001 60003 T10441050 53032
KDEN 051428Z 03012KT 1/2SM R35L/5500VP6000FT -SN BR BKN006 OVC011 M04/M05 A2982 RMK AO2 SFC VIS 1 1/2 P0001
KDEN 051353Z 02012KT 1/2SM R35L/P6000FT -SN BR SCT006 BKN012 OVC024 M04/M05 A2979 RMK AO2 SFC VIS 1 SLP104 P0002 T10441050
のように弱い雪が降り、もやがかかり、卓越視程は約 1000m~2000m で、雲低高度も 600 feet と悪条件でした。
着陸機(Airbus A-319)は着陸寸前、滑走路を視認出来た時点で着陸許可を受けていた滑走路上に離陸のため誤進入してきたコミュータ機を発見、直ちに missed approach (go around) して、危機一髪で大惨事を逃れました。
(エアバス機は、コミュータ機の約 50 feet 上空をかすめる状況だったようです)
“Runway Incursion”、直訳すると「滑走路侵入」です。
“Runway Incursion”による事故やインシデントを防止するためには、地上走行、所謂 Taxi 時の安全性を高めることです。
今、羽田で試験運用されている“マルチラテレーション”は、管制官を支援するハードウェアですが、いくらハードウェアが進歩し、管制官に的確な情報が与えられるようになっても、今回のデンバーでのインシデントのように、パイロットの不注意からくる侵入を食い止めることは出来ません。
パイロットと管制官との的確な意思疎通はいうまでも無く、パイロット側にも正しい知識が必要です。
年末年始は、テレビ番組でもクイズ特番が放映されていますが、それに倣って?
『第57回、地上走行知識リフレッシュ・クイズ!!』
【第1問】
地上走行中に下の写真のような標識を目にしました。
この標識があるところでは必ず付随してペイントされている路面のマークは次の3つのうちどれ?
【第2問】
この路面のペイント、どんな意味?
【第3問】
コックピットから右の写真のペイントを目にしました。
(機は写真の手前方向にいます)
このとき、あなたの置かれている状況は次のどちら?
【第4問】
滑走路から離脱して「 Hold short 」の管制指示が発出されました。
前方には下の写真の光景が見えます。
さあ、手前,奥、どちらのラインが「 Hold short 」の対象?
【第5問】
下の写真に示す標識と地上のペイント、その目的は何?
問題は以上です。5問中、いくつ(自信満々で)回答できましたか?
正解は、コメントで発表します。
クリスマス前から米国、北西部では悪天候で空港閉鎖やフライト・キャンセルが多発しています。その日の朝も、
KDEN 051505Z 03012KT 1/2SM R35L/3500V4500FT -SN BR BKN006 OVC011 M04/M05 A2984 RMK AO2 SFC VIS 1 P0000
KDEN 051453Z 03014KT 1/2SM R35L/4000FT -SN BR BKN006 OVC013 M04/M05 A2983 RMK AO2 SFC VIS 1 1/4 SLP117 P0001 60003 T10441050 53032
KDEN 051428Z 03012KT 1/2SM R35L/5500VP6000FT -SN BR BKN006 OVC011 M04/M05 A2982 RMK AO2 SFC VIS 1 1/2 P0001
KDEN 051353Z 02012KT 1/2SM R35L/P6000FT -SN BR SCT006 BKN012 OVC024 M04/M05 A2979 RMK AO2 SFC VIS 1 SLP104 P0002 T10441050
のように弱い雪が降り、もやがかかり、卓越視程は約 1000m~2000m で、雲低高度も 600 feet と悪条件でした。
着陸機(Airbus A-319)は着陸寸前、滑走路を視認出来た時点で着陸許可を受けていた滑走路上に離陸のため誤進入してきたコミュータ機を発見、直ちに missed approach (go around) して、危機一髪で大惨事を逃れました。
(エアバス機は、コミュータ機の約 50 feet 上空をかすめる状況だったようです)
“Runway Incursion”、直訳すると「滑走路侵入」です。
“Runway Incursion”による事故やインシデントを防止するためには、地上走行、所謂 Taxi 時の安全性を高めることです。
今、羽田で試験運用されている“マルチラテレーション”は、管制官を支援するハードウェアですが、いくらハードウェアが進歩し、管制官に的確な情報が与えられるようになっても、今回のデンバーでのインシデントのように、パイロットの不注意からくる侵入を食い止めることは出来ません。
パイロットと管制官との的確な意思疎通はいうまでも無く、パイロット側にも正しい知識が必要です。
年末年始は、テレビ番組でもクイズ特番が放映されていますが、それに倣って?
『第57回、地上走行知識リフレッシュ・クイズ!!』
【第1問】
地上走行中に下の写真のような標識を目にしました。
この標識があるところでは必ず付随してペイントされている路面のマークは次の3つのうちどれ?
A. | |
B. | |
C. |
【第2問】
この路面のペイント、どんな意味?
A. | Runway Protected Area からの出口境界を示している |
B. | ILS Critical Area の境界を示している |
C. | 航空機進入禁止領域を示している |
【第3問】
コックピットから右の写真のペイントを目にしました。
(機は写真の手前方向にいます)
このとき、あなたの置かれている状況は次のどちら?
A. | 滑走路手前で待機している (Holding short of runway) |
B. | 滑走路から離脱しようとしている (Exiting a runway) |
【第4問】
滑走路から離脱して「 Hold short 」の管制指示が発出されました。
前方には下の写真の光景が見えます。
さあ、手前,奥、どちらのラインが「 Hold short 」の対象?
A. | 勿論、奥のラインが対象 (手前のラインは横切っても問題ない) |
B. | 勿論、手前のラインが対象 (手前のラインを横切るなんて考えられない) |
【第5問】
下の写真に示す標識と地上のペイント、その目的は何?
A. | ILS Critical Area の境界を示している |
B. | ATCより要求があった場合、「滑走路から離脱した」旨を報告するためのパイロットへの目印を示している |
C. | 滑走路待機位置(runway hold position)を示している |
問題は以上です。5問中、いくつ(自信満々で)回答できましたか?
正解は、コメントで発表します。
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« こんなのも出... | “じいじ”の弱点 » |
【第1問】C.
【第2問】B.
【第3問】A.
【第4問】A.
【第5問】B.
Google Earthでペイント見る限り間違いそうには見えませんが...。
がしかし、問いのペイントの意味は全然わかりません~。
コメントありがとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
> 日本でも誘導路に着陸しちゃったりしてますね。
KALのRJSKの重大インシデント、投稿しようと昨夕に記事を書いたのですが、お蔵入り中です。
今朝の新聞報道を見ると、当該便、PICがPF, F/OがPMだったようで、PMは異常を感じてPICに指摘したけれど、そのまま着陸してしまったようです。Cockpit内の権威勾配が適切だったか、疑問が残ります。また当該PICはRJSKはこれまでRwy 28のみで、Rwy 10は今回が初めてだったとか。「RJSKは左側にTaxiway」と思い込んでいたら、見え方が逆になるRwy 10で、早々に右側に伸びるラインにalignしてしまって、疑いを持たなかったのかもしれません。PMはおかしいと感じて指摘していたのに、それが活かされず残念です。
CRMの問題ですね。
Hard Landingでなかったようで救われました。taxiwayは当然ながら着陸を想定した舗装強度になっていませんし、Groovingもしてありませんから。
> 問いのペイントの意味は全然わかりません~
空港の各種ペイントや標識、中々面白いですよ。
Google Earthでも種々のペイントが見えます。
問1 C (誘導路に向いて立ってる標識だから)
問2 B (CATⅠとかⅡとかに絡むんですよね?)
問3 A
問4 A
問5 B (滑走路に向かって立ってる気がする。バウンダリーサインとかいうのとは違うのかしら)
実線・破線は、実線の方が強そうだから、という理由のみ(笑)
解説、よろしくお願いします。
果敢なるチャレンジ、大感謝です。ありがとうございます。
どれどれ。ムムムムム!「Wich」さん、明日、乗務予定入ってます?(爆)
# 正解はもう少しお待ち下さいネ。
Wichさん、AIM-Jお持ちでしたよね。それにも書いてありますよ。うをっ、さてはカンニングかな?(爆)
「Wich」さん、素晴らしい。全問正解です。
で、「Wich」さんの
> 解説、よろしくお願いします。
のさり気ない一行に、離陸時を超えるプレッシャーを感じずにはおれない小生であります。