徒然なるままに、一旅客の戯言(たわごと)
*** reminiscences ***
PAXのひとりごと
since 17 JAN 2005


(since 17 AUG 2005)

視程について

きょうは“視程”について簡単に説明します。

先ず、方向別視程です。方向別視程とは、その方向の空を背景として黒ずんだ目標物(大きさは観測者の視角で0.5°~5°)を正常な肉眼で認めることができる最大距離、のことです。
“空を背景とした黒ずんだ目標物”は、夜には見えなくなってしまいますので、夜間の視程は、気象光学距離(MOR: Moteorological optical range)が用いられます。このMORとは、色温度2700Kの白熱灯の平行ビームが大気や大気中に浮遊する粒子によって散乱吸収され、その光束による照度が減少して元の値の5%になるまでの距離です。

気象通報式で報告される「卓越視程」とは、方向別視程が異なるとき,視程の大きい方から各値の占める部分の角度を加えていき,加算した角度の合計が180度以上(ぐるりと見渡したときの半分以上)となるときの最も低い視程の値のことを言います。

方向別視程が常に全方角で同じとは限りませんから、「卓越視程」と方向別視程に一定以上の差があるときには、気象通報式の RMK において報じられることになっています。
※2月6日に記した「気象通報式の読み方(その2)」を参照して下さい。



立春も過ぎました。これから春を迎えると、春霞、黄砂現象など降雨や降雪に起因しない視程障害が発生しやすくなります。

また、春一番の言葉にもあるように、春は突風が吹く季節でもあります。風も、航空機の運航にとって、離陸や進入・着陸時には殊に重要なファクターとなります。
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