空と雲
1974年にアメリカ:ニューヨークのワールド・トレード・センターで命がけの綱渡りを敢行した
フィリップ・プティの実話をもとにロバート・ゼメキス監督が3Dで描く。
以前、ワールド・トレード・センターで綱渡りに挑んだ
フィリップ・プティのドキュメンタリー映画『マン・オン・ワイヤー』を観ていたので、
話は知っていたから、大きな感動とかはなかったけど、
『マン・オン・ワイヤー』での綱渡り場面は動画ではなく、写真しかなかったので、
実際、動いている姿を動画で観てみたい気持ちもありました。
_『マン・オン・ワイヤー』_ ※ネタバレ有
今はなきワールド・トレード・センターのツインタワー、綱渡りの空中の高度もCGで再現。
本当に空中で綱渡りをしているような臨場感で、
綱渡りの前に衣装を地上に落としてしまう場面なんかも息をのむ感じで
綱渡り前の緊張感も与えていました。
『ザ・ウォーク』では人気俳優を起用しているので、もっと娯楽的に描かれるのかと思っていたけど、
思ったよりも淡々としていた。
綱渡り計画の前半のパリのロケーションは瀟洒だったけど、冗長だし、
主人公以外の仲間の描写もあっさりしていたな・・・。
『マン・オン・ワイヤー』では無茶な夢に飄々と邁進している“綱渡りバカ”な印象しかなかったけど、
『ザ・ウォーク』では演出で付け加えただけかもしれないけど、
棺に釘打って道具を詰める死と隣り合わせの恐怖感も描かれていて
普通の青年としての不安感も描き、深みを与えていたと思う。
下に集まっている野次馬を自分の観客だと思い込み、
綱の上に寝そべったり、正座したりする姿は完全にナルシストだけど、なぜか憎めない。^^
ビルに勝手に侵入して周到に準備して、本人だけではなく、
ワイヤーが切れて地上に落ちたりでもしたら被害も出るだろうし、
犯罪と言えばそうなんだけど、結果的には成功したから誰も傷ついてはいない。
人々の目を惹きつける単なる“見世物”。
でも、観ているうちに清らかな空中のショーのようにも思えてくる。
決して擁護するつもりはないけど、
それが“世界一美しい犯罪”といわれる所以なんだろうな。
と感じたりもした作品でした。