~青いそよ風が吹く街角~

映画(主にミニシアター映画)の感想文を軸にマイペースで綴っていきます。

☆『ヘアードレッサー』(仮題)☆ ※ネタバレ有

2011-11-23 23:47:43 | 映画【ドイツ】


  『ヘアードレッサー』:第18回(2011年)大阪ヨーロッパ映画祭公式サイト

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今年の大阪ヨーロッパ映画祭で名誉委員長を務めたドリス・ドリエ監督の最新作。

 
ドリス・ドリエ監督特集:第18回(2011年)大阪ヨーロッパ映画祭公式サイト

バツイチで娘と暮らす美容師カティが数々のトラブルに見舞われながらも
自分の美容院を開店する為に奮闘する姿を描く。

職業安定所が登場する映画って珍しいね~。
しかも、職業安定所がストって。。。

ヒロイン:カティ役の女優さんは顔立ちが土屋アンナに似ているような?
カティの髪の長さは最初=襟元、中盤=耳下、ラスト=襟元、髪のメッシュの付け毛の色も赤や青と変化。
衣裳も明るい原色が多くてオシャレでした。

まるでドールハウスのようなメルヘンな色遣いは
ドゥミ監督&ドヌーヴコンビの『
シェルブールの雨傘 - goo 映画』や
ロシュフォールの恋人たち - goo 映画』を思い出したな。
カティは「私は太っているけど、細い男性が好き。」と素直に言える女性。
体重100kg越えていそうな巨漢なんだけど、ヌード場面が多くてビックリ。
しかも、体当たりのベッドシーンまでやっているの。

うまい話しにあっさりのせられたり、娘のヘソクリをこっそり拝借したり(後で元に戻していたけどね)
一瞬、カティは頭弱いのでは?と思ってしまう程、次から次へとトラブルの連続で
結局、夢だった美容院を開店する事が出来なくて娘の前では愚痴っていたりもしたけど、
他人の前ではめげずに頑張っている彼女にエールをおくりたい気持ちになっていたら、
後半ではカティが床のコストを削った事を密告?しておきながら
自分の店でスタイリストをしてほしいと誘いをかけてくる女性にタンカきっていて潔い強さもあるんだなと感心。
トラブルに病気・・・様々な困難を経験したら、もう強くなるしかないだろうし。
店を売ったお金は娘の海外留学費にあて自立させ、
カティは雇われ美容師として一人でも頑張れる自信も芽生えるんだろうね。

不況や不法移民といった社会背景の中で奮闘する女性を見つめる女性監督による女性賛歌。
人生色々あるけど、前を向いて頑張ろうと励みになるパワーがみなぎってくる作品でしたよ。


P.S.
この作品、大阪ヨーロッパ映画祭で三回上映されていて、
私が観たのは三回目の上映だったんだけど、ほぼ満席でした。
普通は一回目は満席の作品であっても二回目や三回目はそれほどではないみたいですけど、
この作品は三回共盛況だったみたいです。
私もそうだけど、映画祭のポスターになっていたから観るという観客が多かったみたいです。
昨年も映画祭のポスターになっている作品はなかなか面白かったけど、

 
『テラシア島のおまわりさん』。 ※ネタバレ少々

今年のこの作品も素直に面白かったです。
前向きな元気をもらえる作品なので配給ついて一般公開されると良いですね。


【第18回(2011年)大阪ヨーロッパ映画祭】上映作品概要発表☆


4 コメント

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面白そうね。 (rose_chocolat)
2011-11-24 00:20:23
TIFFや三大映画祭でもなかった作品が、大阪ヨーロッパ映画祭は多いですよね。
これも公開あるといいですね。
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うん、面白いよ。 (BC)
2011-11-24 01:05:17
rose_chocolatさん、こんばんは。

この作品は名誉委員長を務めた
ドリス・ドリエ監督の最新作だからかかったみたい。

大阪ヨーロッパ映画祭は
サスペンス・コメディ・バーチャル・ヒューマン、一般公開直前の作品という感じで
毎年ジャンルのパターンはほぼ同じだけど
TIFFや三大映画祭の受賞とは関係なく、実行委員会の独自の視点で選んでいるみたいです。
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これは面白かったですね。 (はくじ)
2011-11-25 00:18:42
こんばんは。
この作品は凄く面白かったですね。
『アイルランドの事件簿』もブラックなユーモアで面白かったですが、こちらは明るい感じのユーモアでとても楽しかったです。
私が観に行ったのは、21日の回でしたがこの時もたくさん入ってましたよ。

今年の大阪ヨーロッパ映画祭も他のイベントは継続中ですが、ヨーロッパ最新映画初上映は盛況のうちに終わりましたね。今年も素敵な作品が多くて個人的には大満足です。
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とても面白かったですね。 (BC)
2011-11-26 13:08:41
はくじさん、こんにちは。

物凄く面白かった作品ですね。
『ヘアードレッサー』も『アイルランドの事件簿』も
社会背景や人間を題材にしているので、どちらも題材はシビアだけど、
『ヘアードレッサー』はアクの強さがなくサラッと演出したユーモアでしたね。

『ヘアードレッサー』はどの回も盛況で主催側も驚いていて、
司会の方が観客にこの作品を選んだ理由を観客に聞いていた程でした。^^

今年はこのご時世なので来日ゲストが少なかったのが残念でしたが、
普段はなかなかお目にかかれないような映画の作曲家や編集者と
ディスカッションで貴重なお話しを聞く事が出来て良かったです。
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