~青いそよ風が吹く街角~

映画(主にミニシアター映画)の感想文を軸にマイペースで綴っていきます。

♪『サニー 永遠の仲間たち』♪ ※ネタバレ有

2012-06-14 20:09:12 | 映画【韓国】


  サニー 永遠の仲間たち  作品情報 - 映画.com

人生の主役

7人の女性達の高校時代と40代の現在を交錯させながら、
人生の美しさと変わらない友情を描く。

軍事独裁政権への反発から民主化の波が押し寄せている80年代の韓国。
女子高が舞台だからか男子の目を気にしなくて済むので女々しい子は一人もいない。
言葉遣いが乱暴だったり、タイマン張ったり。。。
まるで、バックストリートの男子気質なの。
そういう女子達のキレイ事ではなく真っ直ぐにぶつかり合う意気揚々とした姿。
音楽への情熱を描くというよりかはティーンエイジャーならではの友情を見つめている。
80年代の洋楽も多く流れていて、
激動の時代の韓国にも欧米の文化は入ってきていたのですね。
メルヘンな色合いのカジュアルなファッションのセンスも光る。

そして、アラフォーになった現代。
不良にいじめられてお金までゆすられていても何の反発も出来なかったナミの娘・・・。
安定した現代で無気力なナミの娘とは対照的に、ナミの娘をいじめた不良を
ナミ、チュナ、チャンミ、ジニがこらしめるシチュエーションは漫画的ではあるんだけど、
25年ぶりに再会してそんなに間がたっていないし、チュナは病人なのに
警察沙汰になるのも覚悟の上で結束できる仲間って勇ましいよね。

高校生時代のナミ役はドラマ『太王四神記』でスジニの少女時代を演じていたシム・ウンギョン。
当時は小学生か中学生ぐらいだったけど、今では高校生役を演じる年齢になったのですね。

現在のナミ役のユ・ホジョンはドラマ『ローズマリー』などの
メロドラマの女優さんというイメージだったからか
冒頭の病院の場面で入院患者達がテレビに映っているドラマを見ながら
ツッコミ入れている場面はある意味、自虐的にも感じて妙に可笑しかった。^^
おとなしそうだけど、芯は強そうで、たおやかな佇まいが良いですね。
日本の女優さんで例えるならば、和久井映見みたいな感じかしら?

チュナの葬儀にメンバー5人が揃って騒いでいる場面も
日本人の感覚から見たら場違いにしか思えないんだけど、
男勝りで姉御肌のリーダーだったチュナにしたら仲間達にしんみりされるよりかは
皆で和気あいあいしてもらいたいと思うだろうし、
それを仲間達もわかっているからダンスまで披露したのだと思う。
最期に会えたメンバーがいたのかどうかはわからないけど、
その葬儀で仲間達が賑やかに再会しているのを
きっと、チュナも天上から笑顔で見守り一緒に踊っているような気もします。

そして、消息不明だったスジが登場する。

この場面は一瞬だし、顔の傷跡は残っていなかったようなので、
本当に来たのか?仲間達の幻想なのか?
よくわからなかったけど、スジだけいないままよりかは
スジが姿を見せたほうが映画としては救いがあって後味が良い。
ただ、ナミが恋した青年ジュノ探しは蛇足な気がしたな。
ジュノ役の俳優さん温厚な渋みがあったけど、
白髪も多いからか40代には見えなかった・・・。

それよりかは、シンナーに狂っていた少女の行く末が知りたかった気もしますよ。

本来は誰だって“人生の主役”になれる筈だけど、
大人になるにつれ家族や仕事などのしがらみに縛られていく・・・。
自分の思い通りの人生は歩めなくても仲間の結束力は変わらない。
そういう永遠の友情を築けるのはごくわずかだろうけど、
だからこそ、映画としては夢があって素直に感涙しましたよ。



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