~青いそよ風が吹く街角~

映画(主にミニシアター映画)の感想文を軸にマイペースで綴っていきます。

○『奇跡のリンゴ』○ ※ネタバレ有

2013-06-15 18:50:15 | 映画【日本】


  『奇跡のリンゴ』:公式サイト

農薬ナシでは不可能と言われたリンゴの無農薬栽培に取り組み続けた
リンゴ農家木村秋則さんの実話をもとに映画化。
私財を投げ打ち、11年の歳月をかけて無農薬リンゴへの信念を貫く男性とその家族の姿を描く。

秋則役の阿部さんは名脇役というイメージだったので、主役は珍しいような?

3人の娘役の女の子達が実によく似ていて、本当に三姉妹かと思った程だったな。

菅野ちゃんは農家のお嫁さん役のわりには色白すぎるような?
菅野ちゃんのご両親は東北出身なので方言のイントネーションは自然な感じでしたね。

秋則は新しい栽培方法を生み出したいという信念もあっただろうけど、
大きな原動力となったのは農薬に弱い体質の奥さんの為という思いが強かったのでしょうね。
だから、くじけそうになっても奮起した。
秋則の母が言ったように時には諦める事も大切だけど、
ひたむきに頑張っていれば光明が見えてくる事もある。
木に散布していた農薬の代わりを見つける事に必死になっていたけど、
答えは足元(土)にあった。
目がいく表面ではなく、根本を改善しなければ効果が出ないというのは
リンゴ栽培に限ったことではなく、
今の社会に関しても通じる気質のような印象も受けました。
要するに、同じ方向ばかり見つめるのではなく、
別の角度から見つめる事で最善の策が見いだせる事もある。

秋則の義父は彼のやる事は一度も反対せずに、
じっと聞いて時にアドバイスもして、全面的に秋則の事を理解してバックアップしている。
婿養子?に来てもらったからには実の息子のように受け入れ、
息子のする事の責任まで全て請け負う覚悟でいる男気のある人。

本当にこの映画は悪人がいないんですよね。
最初は周囲の目が厳しくても
秋則が一生懸命やっていれば徐々にわかってもらえるようにもなっていったし。
上の娘さんも貧しさからストレスが溜まりながらも、
お父さんである秋則にはリンゴ栽培を頑張ってほしいと望んでいる姿は健気。

画に書いたような登場人物達なので、美化しているのでは?と一瞬思ったりもしたんだけど、
パンフレットや関連サイトでご本人の笑顔を見ていると、こういう太陽のような笑顔の人だからこそ、
周囲の人も彼を何とかしてあげたいという気持ちになるんだろうなと思ったよ~。

良いお話しで心が洗われる余韻が残った作品でした。


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