ダイアリー・オブ・カントリーミュージック・ライフ

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Keith Urban キース・アーバン - Love Pain &the Whole Crazy World Tour Live DVD

2009-01-05 | Keith Urban キース・アーバン レビューまとめ
 今年もKeith Urban キース・アーバンでスタート。景気悪いし、マジで景気つけて欲しいです。

 キース・アーバンの最新コンサート・ツアーのライブDVD「Love Pain &the Whole Crazy World Tour Live」がリリースされました。Walmartで11月に先行して発売され、12月に入って一般にも発売されたもの。国内再生可能。このツアー、アメリカを含めて6カ国で150回のコンサートが行われ、合計で100万人以上の観客を動員して大成功したようです。DVDとしては、2005年にも「Livin' Right Now」がリリースされていたので、コンサートDVDの少ないカントリーにあっては、「あら、ま~た出したの?せっかく見つけたから、買っとこかな」てな感じで手にしたこのDVD、見て圧巻!今やカントリー・フィールドを牽引する存在となったキースの実力が如何なく発揮された素晴らしい演奏に圧倒されてしまいました。一時はアルコール依存症で体調を崩していた事など微塵も感じられないくらい、そのパフォーマンス、ギター・プレイ、そして歌声には力がみなぎり、常に観客との触れ合いを絶やさないショーマンシップも見事。サウンドの方も単なるスタジオ・バージョンの焼き直しにとどまらず、ライブならではのオジリナルで多彩なアレンジ、観客をひきつけるブレイクを要所要所に交え、約2時間の本編を一気に見せるロッキン&オーガニック・サウンドを聴かせてくれます。

      


 会場は巨大な細長のアリーナ、ジョージア州のようです。ステージはまっ平らのシンプルなものですが、ステージと同じくらいの幅を持つ巨大なスクリーンが印象的な視覚効果を生んでいます。同じくポイントになるのが、ステージ中央からアリーナの真ん中辺りまで伸びた花道。キースはここを常に行き来してオーディエンスとのコミュニケイションをとるのです。演奏曲目も、グレイテスト・ヒッツのオンパレードで文句なし。

 それでは、主な曲目を見ていきましょう。オープニングは"Once In A Lifetime"。会場がまだ暗い中、あのクールなテクノ・ビート風のイントロがスタート、キースがシルエットで浮かび上がります。スクリーンでは宇宙の多数の隕石のようなものが映し出され幻想的、その一つがコチラ迫ってきてスパークしたところでバンドがドライブ開始、ナルホド!計算されたアレンジです。スローの"Raining On Sunday"では、アコギ1本による弾き語りで聴かせてくれます。ここで早速花道が生かされ、会場は大合唱。次の"Stupid Boy"でも、あの情念こもったギター・ソロがこの花道でパフォームされオーディエンスを引き込みます。ソロ弾きながらコーラスを歌ってるよ!"You're My Better Half"の前で、巨大なスクリーンにキースが民族楽器をかき鳴らすシーン(”メイキング・ツアー”のコーナーで撮影シーンがチラリと映ります)が映し出されている間に、バンド全員が花道を歩いて中央のミニステージへ。演奏の前に一人の少女がステージに上げられ花束を渡すなんて趣向も。小さいステージなので、このコーナーはオーガニックなアコースティック・アレンジでリラックスさせてくれます。"Making Memories of Un""You'll Think of Me"でも引き続きミニステージで、シット・ダウン・スタイルでの演奏。

      


 ライブ映像の途中、何箇所かにモノクロ映像の短いオフ・ステージ・シーン(多くでキースが楽しげにジョークを披露)が挿入されて、ややもすると冗長になるライブビデオに変化をつけます。ここでは"I Told You So"のリハーサル・シーンからコンサートの演奏へと繋げます。ラストのあの名コーラスのところで、Georgia Techという少年少女達によるタイコ集団が登場、大いに盛り上がります。続く"Day Go By"は、ギターが前面に出たライブならではのラフなアレンジ、終盤でライブ・オリジナルのギター・コードでブレイクしキースが花道へ。おっ、キースがファンからのサインペンをくわえて帽子にサインしてる!さすが、エンターテイナー。そしてツアー時点の最新シングル曲の"You Look Good In My Shirt"。これは公開ビデオとしてCMT.comでも見れるハード・バージョン。イントロで聴かれる、コード・フレーズがイカス。この曲でキースは、遂に客席に下りてしまいます。そりゃ盛りあがるったら。そして、弾いていたギターにサインしたかと思ったら、前にいた女の子に突然プレゼント。女の子は唖然。

 "Tonight I Wanna Cry"、キースはステージ正面で、ピアノ(キーボード)を弾きながら切々と歌い上げます。たしか、ポール・マッカートニーも90年代のアメリカ・ツアーでこういうスタイルでやっていたな。"Who Wouldn't Wanna Be Me"では、6弦バンジョーとマンドリンによるイントロが延々続く中、キースと、The Ranch以来の仲間でベーシストのJerry Flowersによるパントマイムが繰り広げられ、観客の笑いを誘います。"Somebody Like You"で大いにエキサイトして一旦コンサートは終了。そしてもちろんアンコールが続きます。1曲目は再びキーボードの前に陣取り、「ワイフ(ニコール・キッドマン)に捧げます」と、先のベスト・アルバム「18kids」からの"Got It Right This Time(The Celebration)"。病気療養中のキースに対するニコールの献身への感謝を歌ったものです。"Better Life"で再び爆発し、ラストの"Everybody"がオーディエンスへの感謝をこめて歌い上げられ、コンサートは終わりを迎えるのです。あぁ、楽しかった!

      


 このビデオを見てると、スタジオ録音で感じられるキースの卓越したサウンド・デザイン力を改めて感じます。ギター・ソロを弾かせてももちろん良い味出してくれるのですが、ライブではそれほど一人で弾きまくってるわけじゃないし、サポート・ギタリストにリードを任せるときもある。キースって、曲の印象を決定付ける、キメのワン・フレーズ作りが上手いギタリストだと思うのです。ロック界で思い出されるのが、ジミー・ペイジ(レッド・ツェッペリン)。ジミーのギター・ソロは、口の悪い人には"下手”だなんて言われてるのですが(そんな事はないと思いますが)、万人が認めるのが"胸いっぱいの愛を"などでのコード・リフ作りの上手さ。これは、多くに人に親しまれるポピュラー・ミュージックを生むには、大切な資質です。そしてキースは、その力をライブでのオリジナルなアレンジにも存分に発揮している事を感じます。とても音楽的な幅と言うか引き出しが多い人で、70~80年代のロックサウンドとトラディショナルなカントリー・サウンドを自由自在にミックスして生き生きした音楽をクリエイトしている姿が、今のアメリカン・ミュージック・ヒーローである事をアピールしてくれているのです。

 なぜかコンサート・シーンの曲選択メニューがないのは不便です。ボーナス特典として、オフステージ・シーンやツアーについてのキースやクリューのインタビュー、そして “You Look Good In My Shirt 2008”の再レコーディング映像のビデオ、写真がついています。 ライブ・テイクのボーナスはありません。本編ライブだけで既にExclusiveですからね。

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3 コメント

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賀正 (たいちょ~)
2009-01-05 09:56:02
bigbirdさん 本年もよろしくお願いします。
このDVD Walmartに並んでいるのを気にはしていたのですが、なかなか良さそうですね。
今度手に入れて見てみます。
このツアー、米国ではキャリー・アンダーウッドと回っていたと思いました。キャリーちゃんが登場していれば即買いだったんですが・・・
でもこの内容なら買いですね。
Unknown (bigbird307)
2009-01-06 23:21:25
たいちょ~さん、コメントを有難うございます。

キャリーなど若手のDVDも出て欲しいですね。カントリーのDVDの少なさは、皆嘆いていますからね。
迎春☆ (あや)
2011-01-02 19:01:35
初めまして
一年後の正月にコメント入れさせていただいております
(笑)
こちらを参考にKeith UrbanのDVDを購入いたすことにしました。届くのが楽しみです♪
ありがとうございました

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