太った中年

日本男児たるもの

職人たちを守る、文化教育の大切さ

2010-03-14 | weblog

青木保氏×ピーター・バラカン対談第3回

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職人たちを守る、文化教育の大切さ

いま、さまざまな伝統工芸の継承者が途絶えつつあります。たとえば着物職人。国宝級の技術をもった職人であっても、その賃金は時給に換算するとファーストフードよりも安いと言います。このままでは、日本の伝統文化は衰退の一途をたどることでしょう。
このような状況を引き起こした要因は何か、今後日本の文化教育はどのような方向性を保てばよいのかについて、議論いただきました。

青木 一番いけないと思うのは、小学校や中学校、高校の公教育のなかで、日本の文化についてほとんど教えないことですね。大学では専門研究はありますけど、一般の学生はほとんど何も知らないと言っていい。日本の文化だけではなく、他国の文化でもきちんと教わっていない学生が政治家になったりして日本を動かしていくわけですから。文化教育が欠けていることは、本当に残念なことです。だからバラカンさんの番組のように、日本文化をきちんと発見していただくのは本当に大切なことです。中にいると分からないことが、他者の目であればき ちんと分かる面がありますから。バラカンさんのおやりになっていることは非常に貴重な観察であり、記録であり、啓蒙なんです。

大体文化というものは、その中に育った者にとっては言葉と同じように、無意識に当たり前のものとして接しているものですからね。だから、バラカンさんが見ると、これは重要だとか、これは当たり 前じゃないとか、見えてくるわけで、これがやはり文化をさらに鍛える材料になると思う。だから、他者の目というのが必要で、われわれも例えばパリに行って「これは面白い」なんて言うと、それは実はパリの人たちが気が付いていないところだったということもあるわけです。だから、お互いに観察しあうことが文化の保存にも維持にも発展にもなる。

バラカン 極端に言えば、伝統工芸の後継者がどんどん いなくなっているでしょう。よくそういう人たちと話していると、「いや、もうこの代で終わりですよ」と、もうあきらめのような感じで言われることが多くて、僕なんか自分でやっているわけではないけれど、危機意識を持ってしまいます。

以前知り合いの着物商人の方と話していたら、今京都には、国宝級の職人が、もうほとんどいなくなっているんだそうです。聞くところによると、国宝級の職人でも仕事を時間給に換算すると、ファーストフード店で働いたほうがましだと言うんですよ。着物というのは目の玉が飛び出るような高価なものもあり ますが、職人に入るお金は少ないそうです。要するに、生計が立たないから後継者がいなくなるわけですよね。

日本の文化教育に足りないこと

青木 確かに人材育成が一番大切なんですよ。今はスピードの時代だから、職人世界のような、研修の時期、言うならば下積みの生活がものすごく長いものは敬遠されるでしょう。徒弟的な仕事を何年もして技術を得、一人前になっていくのに、その過程で挫折しちゃう。もっと違うところに行ったほうが楽ですから。それに、社会が伝統的な文化を維持する技術者やアーティストに対してあまり敬意を払っていないように思います。これは恥ずかしい。

バラカン うんうん、そうですね。

―― 伝統工芸を維持するために補助金を入れたとして も、急場をしのぐということでは意義があるかもしれませんけれども、根本的な解決にはならないですよね。そうすると、消費者としての日本国民、日本だけで なくマーケットは世界でもいいと思いますが、消費者側でそういったものに対する尊敬や手に入れたいという気持ちを取り戻して、ニーズを回復していくのが根 本策かな、と思ってしまいますね。

青木 政治と同じで、伝統をきちんと築いていくのはやはり国民というか、一般の人たちの文化に対する尊敬の気持ち、文化の継承は絶対必要だ、と伝統の価値を守るような態度を持たないと難しいですね。

―― そこは価値観にも結び付く話ですから、答えは一つじゃないと思いますが、どの辺から手を着けていくのがいいのかな、と迷ってしまいます。

青木 確かに、国レベルでは人間国宝指定や、重要文化財指定もやっているんだけど、それはあくまでもごく一部です。もっとすそ野が広がらないと。いろいろと努力は役所もしているのですが、何しろ文化事業が少なく文化への関心が低い。

バラカン 価値観というのは、人間誰でも自分の親から 気が付かないうちに影響を受けるものが一番大きいと思うんですね。もちろん親以外にも、その周りにいる大人たち、あとはマスメディアですよね。しかし、マ スメディアの価値は、残念ながら今はほとんどないと言ったほうがいいかもしれない。これは、日本だけの問題ではありません。だから、一人一人、子どもを持 つ親がはっきりと自分の子にどういう価値観を持ってほしいか考えないと、気が付いたときにはもう遅いと思うんですよね。

青木 そういう点では、家庭教育、それもしつけや礼儀作法なども含めてほとんどなくなってしまっていますから。それから、少子化で、子どもが一人しかいないと、大事にし過ぎるでしょう。子に対する期待が大きいと、子どもにとってはうっとうしい。親の愛情も社会の期待も分散されたほうがいいかもしれません。

バラカン それに子どもは遊ばないことにはうまく育たないからね。人間関係の勉強は全部遊びから身に付けるんだから。

青木 文化と教育の話とか、今のしつけの話とか、それから、どういうことを教えたらいいのかといった、家庭や学校だけじゃなくて、社会での子どもの位置付け。そういう議論がほとんど出てこないでしょう。

政治の世界では、党派問わず教育の議論はいっぱいあるでしょう。だけど、文化についてはほとんど触れない。日本の文化をどう伝えるかということに ついても議論されない。それから、もう一つは、家庭も社会も含めたものとしての教育や、子どもをどう位置付けるかという議論もないですね。

バラカン そう。日本の文化について楽しく何か伝えたほうがよっぽどためになると思う。

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>社会での子どもの位置付け

太った中年の場合、なんたってフィリピン人との二重国籍だからなぁ、難しい。

で、妻が4月に里帰りして6月に子供と一緒に戻ってくる。子供の出国がちょっと面倒だ。

【1】在マニラ日本国大使館で子の旅券(パスポート)の取得

【2】DSWD(フィリピン社会福祉開発省)出国許可証の取得

この2つを妻はしなければならない。

【1】の必要書類

①一般旅券発給申請書(5年用)
②戸籍謄本または抄本1通
③出生証明書(Birth certificate)1通
④旅券(パスポート)用写真1枚

【2】の必要書類

①DSWD備え付けの出国許可申請書
②旅券(パスポート)オリジナル
③出生証明書(Birth certificate)1通
④子の申請用写真2枚(2×2)

他、子供が病院で受けた予防接種の証明書が必要。

日本の文化をどう伝えるかは後々の問題となる。

「寝る子は育つ」という言葉に頼ろう。


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