緑さんと葵さん

ベンジャミンです。認知症だった義母緑さんの思い出話と現在進行形認知症の実母緑さんの様子を綴ります。

5ヶ月(緑さん)

2011-06-14 | 緑さん
ご無沙汰でした。

あまりに久しぶりの投稿なので、勝手がわからず右往左往しています(>_<)

早いものです。
緑さんの旅立ちから今日でちょうど5ヶ月です。
もうそんなになるのですかねぇ。

月命日ということで、今朝お坊さんがお参りしてくださいました。

我が家では月参りは2回です。
今日14日と、もう一日は32年前に亡くなった私の舅にあたる人の命日27日です。
私は舅を知りません。舅が亡くなった後に嫁いできたので。
緑さんにはこの舅のこと(緑さんにとっては夫ですね)は、それはもう繰り返し繰り返し、いくつかのパターンでの思い出話を沢山聞かされました。
またその話かい、と心中うんざりだったけど、嫁たる者顔に出すわけにはいきません。
毎回神妙な顔でうんうん、と相槌をうち、少しのおべんちゃらも言い、気の済むまで緑さんに話してもらっていました。
舅は近所の方の話を聞いてもそうなのだけど、たしかに人望の厚いとても人の良い人だったようです。
が、こう何度も緑さんの話につきあわされるといい加減うんざりで、
「亡くなった人ってこんなに美化されてしまうんだなぁ」
と半ば呆れ気味でした。

でも、今私が緑さんを語るとしたら。
きっといいことしか言えないんじゃないかな。
実際よかったところしか思い出せないんです。

認知症になってからのもろもろの出来事はあくまで病気のせいで、緑さん本来の姿ではなかったのだから。

こんなこと、今になって思い知るなんて。
もっとも、今だからこそ気づくことができるのかも。
渦中にある間は頭では理解していても、どうしても気持ちはついていかなかったのです。

今、大変な介護のまっただ中で頑張っていらっしゃる皆さん。
どうか無理しないで。
嫌なものは嫌だ、辛いのだ、と声に出して言って下さい。
それでどうなるわけでもないかもしれないけど、どこかで発散して下さい。
ブログって結構有効ですよ。ただ、本当にどん底にいる時にはブログなんて書けないかもしれませんが。

かく言う私も介護から離れたわけではありません。
そうです、葵さんが元気で認知症街道まっしぐら!

葵さんのことは次回にお話しますね。
そろそろ本気でサイトも出直さないといけません。
葵さんがどん底まで進んでしまう前になんとかしないと♪










別れの日

2011-01-16 | Weblog

緑さんが永眠しました。
1月14日午前6時39分でした。

今日葬儀を終えました。

もう少し落ち着いたら
緑さんとの思い出を振り返りたいと思います。

今はただ
ぽっかりと空いた心の空洞の大きさが
思いがけずもあまりにも大き過ぎて
語るべき言葉が見当たりません。




それぞれの新年

2011-01-04 | Weblog
新年を迎えました。

もしかしたら…と思う日が続き、年賀状を年内に出すことができませんでした。
結局新年がやってきて、元旦にあわてて投函することになりました。

緑さん。
だんだんと状態が悪くなっています。
今日から酸素吸入がはじまりました。

今日はあらもん(息子)とゆうゆ(娘)も一緒にホームを訪れました。
ゆうゆが一生懸命声をかけると、緑さんは少し反応してくれました。
昨日は声もまったく出なかったのに、今日は何か言いたそうでした。
ほとんど聞き取れないのが辛いです。


葵さん。
最近はわりと元気です。
ただ、動作がものすごく緩慢になってきました。
それと、インターフォンの操作ができなくなりました。
本人はそれを気にしていますが、私たちからすればその方がいいかも…
留守番をしているつもりの葵さんには悪いけれど、インターフォンに出なければ訪問販売にひっかかることもないので、それが有難いです。
それ以外は比較的落ち着いて過ごしています。
緑さんのことをいつも気にかけていてたずねてくるのですが、
「変わらないよ、元気にしてるよ」
と答えています。
本当のことを言えば葵さんはとてもショックを受けると思うので。


母二人、それぞれの新年でした。

緑さんの異変

2010-12-21 | Weblog
緑さんが今のグループホームに入所してから早2年半。
ホームの方々・主治医のO先生と看護師さんたち・そして周囲の人たちに支えられて、思いがけずも大変穏やかに落ち着いた日々を過ごしてこれました。

今月初めの血液検査(毎月一回の検査があります)の結果が非常に悪かったので、エコーやCT検査をしたところ、肝臓がんがわかりました。
それもかなり進行しているので、手術や抗がん剤は無意味だろうということです。

今のホームは家族の同意のもとに最期の時までの「看取り介護」をしてくれます。それは当初から聞いていました。それでも、ここまでしてくれるホームはそうそうないのでは?と思っています。病気がわかって重篤な状態になれば後は病院か在宅で、というホームも多いそうです。本当に有難いことだと思います。

私たち親族とO先生、それにホーム長さんを交えて話し合った結果、本人に苦痛を与える積極的治療や延命治療は行わず、対症療法を続けながらできるだけ楽に見送ってあげようということになりました。

後どのくらいいられるのか、それはまったくわからないそうです。
急変もあるし、案外長い間頑張るかもしれない。
ただ気持ちの準備だけは必要なようです。
実際今月に入ってから食事の量がぐんと減りました。
栄養剤を飲んでいるけどそれでは追いつかないようで、今日から点滴で栄養補給します。
胃ろうはやりません、と先生は言い切られました。

いつかやってくるであろう、緑さんを見送る日。
それは頭の中ではわかっていたけれど
いざそれが遠くない日のことだとなった今、
一言では言えない色々な思いが胸をよぎります。

それにしても残念です。
ここまで来たのだから、最期は老衰で穏やかに見送ってあげたかったです。




デイサービス(葵さん)

2010-08-04 | Weblog
葵さんの介護認定の更新がありました。

4年前(平成18年)に初めて要支援1の認定を受け、今年(平成22年)3月に要介護1になり、今回半年後の更新ということで要介護2になってしまいました。

状態は半年前とそれほど変わっていないのですが、更新の調査があった当日、葵さんはたまたま軽い便秘で
「おなかが張って苦しい」
と調査員の前でも起き上がることもしませんでした。
それ以外の受け答えや私が説明する認知症の症状などは変わりはなかったと思います。
主治医の意見書もおそらく前回と同じようなものだったと思われます。

つまり葵さんは便秘で「要介護2」を勝ち取ったということでしょう。
ちなみに便秘はその日の前後だけで、今はすこぶる快調であります。

介護度が軽くなるかもしれない、そうなったら週三回のデイサービスが減ってしまうかも、と心配していたので、その点はよかったです。
要支援2になれば週2回しか行けないと聞いていたので。

葵さんはデイサービスが大のお気に入りです。
行き始めた頃は自分で用意することができなかったのに、最近ではなんとか準備はするようになりました。もちろん、今も私が持ち物チェックには通っていますが。
一緒に車に乗って行く人のお世話(相手の方が車の中では不安・不穏状態なので、それを私があの手この手で宥めてあげているのだ、と葵さん。)をしてあげなきゃ、と張り切っています。
広いお風呂が大好きで、あまりに気持ちよくて気がゆるんだのか、一度ぷかりと浮き上がってしまって職員さんをあわてさせたそうです。
大好きなかき氷を出してもらった時は大喜びで、何度も「美味しかった~」と繰り返すので
ぜひまた出してほしいと連絡帳に書いておきました。
歌・ゲーム・踊り・体操等には積極的ですが、塗り絵は嫌いで、その時間には昼寝をさせてもらっているようです。

本人が楽しんで行くデイサービスってこんなにも値打ちがあるものですね。
お世話してくださる方々には本当に感謝です。


葵さん登場!

2010-06-22 | Weblog
長らくご無沙汰しました。

緑さんは変わらず元気です。
変わったことと言えば、ほとんど自分で食べなくなったこと…かな?
職員さんの介助があれば食べるそうですが、それも10割摂取というわけではないので、栄養を補うために「エンシュアリキッド」というものを飲んでいます。これは在宅のころから飲んでいました。私も少し舐めてみたことがありますが、異様に甘いんですよね…
緑さんは甘いもの好みだったので、それはまぁいいのかなぁ。
けど、私自身がこの栄養剤が必要をなった時のことを考えると、う~~~む。。という感じですね。


さて、このたびブログのタイトルを変えました。
私の実母「葵さん」の登場です。

母は87歳。緑さんより3つ年下です。
高齢ながらも、介護を要することもなく頑張ってきましたが、まず昨年の12月に腰椎圧迫骨折をしてから急激に弱ってしまいました。
今年2月に再び圧迫骨折、10日ほと安静のために入院しました。
その時点ではまだ「要支援1」という、一番軽い段階にいましたが、退院後すぐに見直しをお願いして、「要介護1」となりました。
老人性うつ病なのか、認知症なのか、その辺ははっきりさせてはいないのですが、とにかく今は初期の認知症状態だと思います。

嘗ての緑さんが放ったセリフとまったく同じことを言うので、時々ドキッとしてしまいます。

そんなわけでこれからこのブログでは、二人の母のことを記録していきたいと考えています。

永らく勝手をしておきながら、重ねて勝手を承知でお願いいたします。
まだまだ未熟な私にどうかご助言なりご感想なりをいただければ、この上ない喜びです。

どうぞよろしくお願いいたします。



ホームの中庭

2009-12-05 | Weblog


緑さんのいるホームの中庭です。
素敵でしょう?
カメラを持っていなかったので携帯電話で撮影しました。

先日から造園工事があり、昨日私が訪問した時にちょうど完成して後片付けをしているところでした。

今までは何があったっけ???
何か植物が植えられていたような気がしますが、私の記憶は曖昧です。

元々ホーム長さんは野菜をつくる畑にしたかったそうですが、日当たりがあまりよくないことと水道がないことで断念したそうです。

畳6帖くらいのスペースでしょうか。
高級料亭の庭さながらの立派な日本庭園となりました。
今は千両・万両の赤い実が見えるだけですが、まもなく山茶花が咲き、その後も順に季節の木の花が見れるように工夫しました、と業者の方が説明してくれました。
いいな~、
我が家の庭もこんな風だったらいいのに。

ホームの一階のリビングが特等席です。
緑さんの定位置からもよく見えるのに、緑さんは業者さんの出入りが多いためか、いつもよりも不安気で
「何が何やらさっぱりわからへん」
と眉間に皺を寄せて訴えていました。

業者さんいわく
「ここにいるおじいちゃんおばあちゃんはもちろんだけど、ご家族が来られた時にこの庭を見てなごんでもらえたらいいな、と思って頑張りました」

中庭の改装は、ホームのオーナーさんのご趣味だと思いますが、本当にありがたいことです


名前

2009-11-30 | Weblog
最近の緑さんの状態はとても落ち着いていて、いつ行っても穏やかでにっこり笑顔で迎えてくれます。
体調も問題ないようで、元気に過ごしています。

先日夫と二人で行った時には、緑さんが久しぶりに夫の名前を呼びました。
それも「イーグルイーグルイーグル…」と連呼。
夫は「もうえぇ、もうえぇ」と苦笑でした。
不思議だなぁ。ここ数ヶ月は全然名前なんて言えなかったのに。
昔なじみの人の名前は会話の中に唐突に出てくることはよくあったのですが。

私?
私の名前は緑さんの記憶の中からはとっくにフェイドアウトしています。
きっともう呼ばれることはないのでしょう。

でも、同じようにお姑さんをお世話して見送った知人の話では、1年以上も名前も顔もわからなくなっていたと思っていたのに、亡くなる少し前に
「○子さん」と呼んで手を握り返してこられた、とか…
本当にそんなことがあるのですね。
緑さんの場合はどうでしょうか。
おっと縁起でもない。それはまだまだ先のことでしょう。

緑さんに関しては穏やかな時間が続いているので、気持ちとしては少しマンネリ気味かなぁ。ホームに行く回数も減ってきたので、ちょっと反省しています。
もう少し訪問の頻度を上げて、私の名前も思い出してもらえるように頑張ることにしましょう


再び要介護5

2009-10-21 | Weblog
先日2年ぶりの介護認定見直しがあり、その結果が届きました。
(もちろん認定調査はホームで行われ、ケアマネさんが家族に代わって応対してくれました。事前に委任状を出しました。)

今回も要介護5です。期間は今後2年間。

要介護5となってから、早2年半。もうそんなになるのですね。

私の感覚としては、手がかかるという点では変わりはないけれど今はとても穏やかでおとなしいので、向き合うのが楽だから介護度は下がるんじゃないかな、と思っていました。
でも、この介護認定というのは、そういう気持ちの問題では左右されないのですね。
あくまでも「○○ができる・できない」という基準に沿って判断されるのだということです。

今の緑さんは、初めて要介護5になった時とは違い、もう歩くことも立ち上がることもできません。意志の疎通も困難です。家族の名前や顔もわからず、会話もほとんど成り立ちません。
ただ、食欲はあり、美味しいもの・好きなものに対しての執着心はまだ旺盛なようで、それだけでも世話のし甲斐があるというものです。

というわけで今日は緑さんの好物の「もみじまんじゅう」と共に新しい介護保険証を持ってホームに行くことにしましょう。

意見を言うこと

2009-10-18 | Weblog
ホームから「アンケートのお願い」(ホームのケアや生活面で感じることを何でも自由に書いてください、とのこと)が届いたので、思い切って書くことにしました。
大きな不満は何もないし、あずかってもらえているというそのことだけで十分満足なのだけど、書き始めてみると不満がちらほら…
実はかねがね思っていたことなのだけど、こういうことって面と向っては言いにくいものです。

何が不満なのか…
それは、ホームの開設当初に比べたら最近は掃除が手抜きじゃないかということです。
私がホームに行く時間はマチマチだけど、いつ行ってもリビングの椅子の下には食べこぼしが残ったまま。
居室には緑さんは何も食べ物は持ち込んでないはずなのに、そこにも明らかな食べ物のカスがちらほら(洋服や車椅子にくっつけて持ち込むのでしょう)、そして綿埃も目につきます。
居室は個室なので、フローリングシート等を持参してさっと拭いたり、また汚くなった座布団カバーや室内履き等は持ち帰って洗濯したり、そういうことは出来ます。
でもリビングの掃除は嫌味になるかと思うので、大きなゴミを拾うだけにとどめているのですが、床のベタベタ汚れも気になります。雑巾で思い切り拭きたい…といつもイライラしてしまいます。
緑さんの車椅子も、ひどく汚いままです。
訪問時にはたいてい車椅子に座っているので、私が拭くことはできません。何をされているのかを理解できない緑さんが不安がるからです。

元気な頃の緑さんは大変な綺麗好きで几帳面。一日に何度も掃除や洗濯を繰り返していました。
そのことが思い出されて、今の緑さんの置かれている状態を見ると悲しい気持ちになっていました。
(じゃあ家につれて帰って清潔で綺麗な環境を用意してあげたら?と言われると、返す言葉もないんだけど。)

職員さんが多忙なことは重々承知なので申し訳なく思いながらも、思い切ってこのことを書いて提出しました。無記名でもいいのだけど、はっきりと自分の名前も記入しました。意見を言う以上はやはり責任を持たないといけないと思います。

その直後にホームに行くと、アンケートの宛名になっていたホーム長さんにはお会いできなかったのですが、緑さんの車椅子は新品のようにぴかぴかに磨かれていました!
居室の床も綺麗でした。リビングの床は相変わらず食べこぼしはあったけど、埃はあまりないような…
ホーム長さんがどのように職員さんたちに伝えてくれたのかはわからないので、とりあえずは車椅子を綺麗にしてもらってありがとう、と伝えました。

その後ホーム長さんからは丁寧な返事をいただきました。
気がつかなかった・手がまわらなかったというのは何の言い訳にもならない、大変申し訳なかった、今後は遠慮しないでどんな小さなことでも言ってほしい、と書かれていました。

でもやっぱり直接は言いにくいです。
これからもこういうアンケートを継続してくれるといいなと思っています。