中小企業から見た人事労務の視点

小売業、社労士事務所勤務を経て中小企業総務部所属。
人事労務ネタ等を公開しています。

法律で残業時間の上限を定めることを検討しているそうです

2017年01月22日 | 人事労務ネタ
知らない方も多いと思いますが、現行の労働基準法では、時間外労働の上限時間は定められていません。

時間外労働の限度に関する基準という告示が存在しますが、これは法律上の拘束力がないので無視しても罰せられることがありません。

いい例が電通でしょう。

時間外労働の限度に関する基準では1ヶ月の時間外労働の上限は45時間(1年変形採用だと42時間)と定められていますが、電通の36協定の協定時間は70時間だったそうです。
※特別条項ではなく、通常の時間外労働の上限が70時間

また、この限度基準を守っていたとしても、特別条項を別途協定すれば繁忙期は上限なしで時間外労働を命令することができてしまいます。

実は、この特別条項の上限時間を労基法で定め、法律上の拘束力を持たせようとする動きがあるそうです。

具体的には、
1ヶ月80時間
1年 750時間(45時間×6ヶ月+80時間×6ヶ月)

この案が有力だそうです。

現在でも、80時間超の特別条項を労基署に届けると、臨検の対象になりやすいとは言われていますけどね。


※1/30追記
特別条項の改正に変更がありそうです。
1ヶ月80時間→100時間
1年750時間→720時間(月平均60時間)

注意しておきたい点として、現行の限度基準(1ヶ月45時間、1年360時間)に変更はないので、
毎月60時間まで時間外労働をさせてもOKというわけではないということです。
(特別条項発動は1年間のうち半分が限度)




※2/15追記
2月14日に行われた「第7回働き方改革実現会議」によると、更に変更がありそうです。
1ヶ月100時間上限設定見送り
1年720時間→そのまま
限度基準(1ヶ月45時間、1年360時間)を法律上明記し違反した場合は罰則適用



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最近よく耳にする「ICT」とは?

2017年01月18日 | 人事労務ネタ
最近、テレビや新聞等でICTという言葉を耳にすると思います。

このICTとはなんでしょうか?

これはInformation and Communication Technologyの略語で、日本では情報通信技術と訳されているようです。

PCやインターネットを活用した情報処理や通信に関する技術をIT(Information Technology)と言いますが、最近では情報通信技術を利用した情報や知識の共有・伝達といったコミュニケーションの重要性を伝える意味でITよりもICTの方が一般的になってきたようです。

社会保険労務士にスポットを当ててみると、従来の社労士業務、つまり紙ベースの手続用紙を役所に持っていく、顧客との連絡手段は電話やFAXがメイン、顧客訪問ありきのサービス、このようなやり方が変わりつつあります。

手続業務や給与計算は専用ソフトを使えばPCで簡単にできる為、社労士ならではの付加価値を提供する必要がでてくるでしょう。
例えば、データを社労士事務所で管理するメリットとして、社労士の分析を基にしたアドバイスができるかどうかです。
(人事データや勤怠データを基に諸規程の提案や法令違反チェック等)

また、顧客との情報共有もFAXや持参からファイル交換サービスや電子会議室等のクラウド型サービスの活用が鍵になってくるのではないでしょうか。

インターネットで様々な情報が簡単に入手できるようになった今、法改正や助成金の案内をするだけでは顧客満足は得られないでしょう。

これは、最新の情報を持ったフットワークの軽い若手の社労士にとってはビジネスチャンスだと思います。
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同一労働同一賃金は日本で実現可能なのか?

2017年01月07日 | 人事労務ネタ
明けましておめでとうございます。
本年も当ブログをよろしくお願いします。

さて、12月20日に同一労働同一賃金ガイドライン案が公開されました。

厚生労働省の同一労働同一賃金特集ページからも閲覧が可能です。


概要は、以下の通りです。

■基本給
【職業経験・能力に応じて支給する場合】
職業経験・能力が同一の場合   → 同一の支給
職業経験・能力に違いがある場合 → 違いに応じた支給

※「業績・成果に応じて支給する場合」「勤続年数に応じて支給する場合」「職業能力向上に応じて行う昇給」も同様の考え方

■賞与
同一の貢献である場合    → 同一の支給
貢献に一定の違いがある場合 → 違いに応じた支給

■役職手当
同一の役職・責任である場合 → 同一の支給
※短時間労働の役職者について、時間比例で役職手当を支給する方法は可

■精皆勤手当
同一の支給
※通勤手当、出張旅費、食事手当、単身赴任手当、地域手当も同様

■福利厚生
同一の利用・同一の付与
※福利厚生施設、慶弔休暇、病気休職等
※病気休職は同一の職務内容でない場合は同一の付与でなくても良い

■派遣労働者
派遣先労働者と職務内容等が同一
 → 同一の賃金、福利厚生、教育訓練
派遣先労働者と職務内容等に違いがある場合
 → 違いに応じた賃金の支給、福利厚生、教育訓練


現在、日本では職務内容がほとんど同じなのに非正規というだけで正社員の半分以下の給料で働いている労働者がたくさんいます。

同一労働同一賃金が定着すれば、こういった不利益はなくなるのかもしれません。

しかし、現在非正規と呼ばれている労働者に正社員と同じ水準の給与を支給するということは、正社員の給与が減る可能性が高いということです。

会社には造幣局がついているわけではないので、人件費の総額はある程度決まっています。

特に、中小企業は利益がほとんど出ていないか赤字の企業も多いでしょうから、同一労働同一賃金を理由に人件費総額を上げるわけにはいきません。

そうすると、正社員の給与を減らさなければ事業が成り立たなくなります。

今までは正社員と年功賃金という人参をぶら下げていれば、残業や休日出勤は無制限、大企業だと全国転勤も当たり前という苦行を我慢することができましたが、賃金水準が同一になると正社員としてのメリットはどうなるのでしょう。

今後も議論の余地がありますが、僕は同一労働同一賃金には概ね賛成です。

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東京ドイツ村に行ってきました

2016年12月31日 | その他


千葉県袖ヶ浦市にある東京ドイツ村にイルミネーションを見に行ってきました。

東京ドイツ村のイルミネーションは関東三大イルミネーションの一つで、広大な敷地で様々なイルミネーションを楽しむことができます。

車で行くと混雑するので、袖ヶ浦駅から出てるシャトルバス(片道500円)を利用するといいと思います。

都内から袖ヶ浦駅までは電車で1時間ちょっとの距離で、意外と近いです。

総武線で千葉駅乗り換えか、京葉線で蘇我駅乗り換えです。

入場料も500円とリーズナブルなのでオススメですよ。

今年も当ブログを閲覧いただきありがとうございました。

来年も引き続き人事労務ネタを中心に取り上げていきたいと思います。

それではよいお年をお迎えください。
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改正育介法への対応

2016年12月28日 | 人事労務ネタ
来月より、育児・介護休業法が改正されます。

必ずやっておかなければならないのは、育児・介護休業等規程の変更です。

主な改正点を整理してみましょう。

1 介護休業の分割取得
2 介護休暇・子の看護休暇の半日単位の取得
3 介護のための所定労働時間の短縮
4 介護のための所定外労働の免除
5 有期契約労働者の育児休業・介護休業取得要件の緩和
6 マタハラ・パワハラ防止措置の義務化


■介護休業の分割取得
介護休業は、一の要介護状態の時には1回しか取得できませんでした。今後は93日の範囲内であれば3回までの分割取得が可能になります。


■介護休暇・子の看護休暇の半日単位の取得
これまでは、介護休暇や子の看護休暇は1日単位での取得しか認められていませんでしたが、今後は対象家族1人当たり年5日まで半日単位の取得が可能になります。

実務上は、介護休暇や子の看護休暇取得者には年次有給休暇を充当する会社が多いと思いますが、半日単位での年休取得が認められていない会社については、半日単位の休暇取得時に1日分の年休を充当するのか、例外的に半日分の年休を充当するのか検討が必要でしょう。

ちなみに、介護休業と介護休暇の違いが分かりにくいかもしれませんが、


介護休業→まとめて取る休み
介護休暇→単発の休み


というニュアンスでいいと思います。

介護休業には雇用保険から介護休業給付金が支給されますが、
介護休暇には何も支給されない為、年休の充当を検討する必要があるんです。


■介護のための所定労働時間の短縮・所定外労働の免除
これは従来は育児にしか認められていなかったものです。育児と足並みをそろえた形ですね。


■有期契約労働者の育児休業・介護休業取得要件の緩和
育児休業・介護休業共に取得要件が緩和されています。

【育児休業】
子が1歳になった後も雇用継続の見込みがあること
子が2歳になるまでの間に雇用契約が更新されないことが明らかである者を除く
                 ↓
子が1歳6ヶ月になるまでの間に雇用契約がなくなることが明らかでないこと

【介護休業】
介護休業開始予定日から93日経過日を超えて雇用関係が継続することが見込まれること。
93日経過日から1年を経過する日までに雇用契約が満了し、更新されないことが明らかである者を除く
                  ↓
介護休業開始予定日から起算して93日を経過する日から6ヶ月までの間に雇用契約がなくなることが明らかでないこと

文面だけ読むと分かりにくいですが、つまり、形式的には有期契約社員であっても、繰り返し契約更新していたり、中長期にわたって働くことが見込まれる社員であれば、育児休業や介護休業は取得できるということです。


■マタハラ・パワハラ防止措置の義務化
従来の育介法には「事業主による妊娠・出産、育児休業、介護休業等を理由とする不利益取扱いは禁止」という文言しかありませんでしたが、これに加えて下記の防止措置が事業主に義務化されます。

上司・同僚からの妊娠・出産、育児休業、介護休業等を理由とする嫌がらせ等(いわゆるマタハラ・パワハラなど)を防止する措置を講じること



いやー、細かい改正かと思ったら盛りだくさんですねー。

規程例は厚生労働省のHPでも公開されていますので、参考にしてみてください。

育児・介護休業等に関する規則の規定例(簡易版)

育児・介護休業等に関する規則の規定例(詳細版)

労働基準監督署への届出は1月以降でも問題ありませんが、意見書の回収は年内が望ましいですね。

1月1日施行の規程なのに意見をもらうのが1月1日以降だとおかしな話になるからです。

まあ、意見書の日付が1月1日以降でも監督署は何も言わずに受け付けてくれますけどねー^^;



↓僕が参考にした本です。

育児介護休業の実務と手続き (平成29年1月改正施行対応)

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