中小企業から見た人事労務の視点

小売業、社労士事務所勤務を経て中小企業総務部所属。
人事労務ネタ等を公開しています。

社会保険労務士登録のメリット

2017年06月04日 | その他
僕は、社会保険労務士として勤務登録をしています。

勤務登録をしても名刺に社会保険労務士と刷れることと、社会保険労務士と名乗れることくらいしかメリットがないじゃないかという意見があります。

しかし、これは大きな間違いです。


社労士登録することによって、都道府県会や支部の研修に参加できます。
(県や支部によっては有料のところもあるみたいですが、だいたいは無料だと思います)

更に、連合会のHPから会員専用ページにログインすると、web上で研修を受講することができます。


研修の中身は最新のトレンドを盛り込んだ内容が多いので、勉強になる研修が多いです。

最近では、ストレスチェック、マイナンバー、働き方改革等、の研修がありました。



つまり、社労士としてのスキルの向上をしていくには、登録しておくにこしたことはないと思います。

特に、一般企業の人事や総務部門に勤務されている方は、情報が入ってこないので全体像(国としての方向性等)が見えにくいです。

また、最新の法改正情報は自力で探すしかないので、結構なストレスになります。

これは僕が社労士事務所から一般企業に転職して感じたことです。

※ビジネスガイドや労務ドットコムである程度はカバーできますが限界があります


ネックは入会金と年会費でしょうけど、開業登録に比べて入会金も年会費もかなり安いです。


会費は都道府県によりますが、勤務登録なら年間4万円~6万円なので、月当たり3500円~5000円程度です。

参考までに、近隣の県の勤務登録の入会金と年会費をまとめました。


埼 玉 入会金4万円 年会費6万円

東 京 入会金3万円 年会費4万2千円

千 葉 入会金8万円 年会費6万円

神奈川 入会金4万円 年会費4万5千円

※入会時に入会金の他に収入印紙3万円と登録手数料3万円が必要


やはり東京と神奈川は安いですねー。

東京の年会費は月あたり3500円です。


今月から、採用活動が本格化してきました。

毎週のように説明会や採用試験が入るので、残業しまくりです(汗)






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話題の「こども保険」に騙されるな

2017年04月19日 | 人事労務ネタ
小泉進次郎農林部会長ら自民党の若手議員による「2020年以降の経済財政構想小委員会」は、
保育や幼児教育を無償にするための「こども保険」を創設する提言をまとめたようです。

しかし、ちょっと待ってほしい。

この先生方は「保険」の意味を知っているのか?

保険とは保険事故に備えて加入するものです。
それは社会保険制度も例外ではありません。

(保険)  (保険事故)
健康保険負傷・疾病

厚生年金老齢・障害・死亡

雇用保険失業・賃金低下

労災保険業務災害・通勤災害



こども保険は保育や幼児教育を無償化するための財源にするようですが、
独身者や子供がいない家庭、子育てを終えた家庭は「子育てという保険事故」は発生しません。

この時点で詐欺です。


せめて名称をこども税とするべきでしょう。

それができないのであれば、児童手当拠出金や一般拠出金と同じ扱いにして全額事業主負担とすべきではないでしょうか?

もう少し社会保険の仕組みを勉強してほしいものです。


「こども保険」とは? 小泉進次郎氏ら、保育無償化の財源に提案
http://www.huffingtonpost.jp/2017/03/29/kodomo-hoken_n_15697362.html
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中小企業の採用活動

2017年04月18日 | 人事労務ネタ
入社式や新人研修の準備が重なってブログが更新できませんでした。


中小企業の採用活動はかなり厳しいです。

大手企業が採用数を増やしているのもありますが、学生数が少ない。


3月1日が就職活動解禁日でしたので、僕の会社も合同説明会に出展してきましたが、
驚いたのが、県庁や県警も出展していたことでした。

僕が学生の時は考えられなかったことです。


やはり、銀行は人気でしたねー。

行列ができていました。


なんだかんだで1000名以上の学生さんが参加していたので、
当社でも数十人の学生がブースに足を運んでくれました。


中小企業はこういった合説に参加することで、学生さんに認知してもらえるのでお薦めです。
参加費用は数十万円しますが、行政主催の合説とは比較にならないくらい学生さんが来ます。


今年度から採用サイトを立ち上げたので、その更新作業に追われています・・・。



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プレミアムフライデーの矛盾

2017年03月01日 | 人事労務ネタ
先週の金曜日からプレミアムフライデーが始まりましたね。

消費喚起という意味ではいい方向に働くかもしれないですが、中小企業が実施するには課題が山積みです。

今回は、プレミアムフライデーの矛盾点を論理的に考えてみようと思います。

特に、プレミアムフライデーに年次有給休暇の消化を充てるような場合です。

①時間単位有休の問題
まず、15時から終業時刻までを時間単位有休扱いにする場合はどうでしょう。
時間単位有休は、労使協定を締結した上で、年間で5日まで(1日所定が8時間の会社なら40時間まで)と決まっていて、それを超えると労基法違反になります。
毎月最終金曜の15時以降を時間単位有休扱いにすると、時間単位有休がプレミアムフライデーの為にほとんどなくなってしまい、現実的ではありません。
法律的にはギリギリセーフですが(終業時刻18時だとして毎月3時間、年間36時間だと5日=40時間に満たない)、時間単位有休の趣旨にそぐわないでしょう。
なお、時間単位有休は計画的付与の対象外なので取得の強制はできません。

②有休の計画的付与の問題
それではと、会社として午後をまるまる休みにして、半日有休扱いにするというのはどうでしょうか?
半日有休は通達ベースでOKとされているので、5日を超えても時間単位有休のように労基法違反とはなりません。
しかし、毎月強制的に午後有休扱いにすると、今度は計画的付与の限度にひっかかってきます。
有休の計画的付与(会社があらかじめ有休取得日を指定する)は、年間で5日を超える部分のみとされています(5日は自由に使わせろという趣旨)。
プレミアムフライデーすべてを計画的付与にする場合、具体的には付与日数が11日以上ないと成立しません。
つまり、会社を閉めて強制的に半日有休扱いも難しいという結論になります。

③それでは公休扱いにするか?
公休や特別有休扱いにする(休みの数そのものを増やす)の一部の大企業以外は難しいでしょう。
ただでさえ中小企業は人手不足です。給料を下げずに休みを増やすなんてありえない選択肢です。

そもそも、労基法の年次有給休暇と密接に絡んでくる問題なのに、その辺の議論をすっとばして「プレミアムフライデーがはじまりました!」なんて言われても、どうも違和感があります。
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法律で残業時間の上限を定めることを検討しているそうです

2017年01月22日 | 人事労務ネタ
知らない方も多いと思いますが、現行の労働基準法では、時間外労働の上限時間は定められていません。

時間外労働の限度に関する基準という告示が存在しますが、これは法律上の拘束力がないので無視しても罰せられることがありません。

いい例が電通でしょう。

時間外労働の限度に関する基準では1ヶ月の時間外労働の上限は45時間(1年変形採用だと42時間)と定められていますが、電通の36協定の協定時間は70時間だったそうです。
※特別条項ではなく、通常の時間外労働の上限が70時間

また、この限度基準を守っていたとしても、特別条項を別途協定すれば繁忙期は上限なしで時間外労働を命令することができてしまいます。

実は、この特別条項の上限時間を労基法で定め、法律上の拘束力を持たせようとする動きがあるそうです。

具体的には、
1ヶ月80時間
1年 750時間(45時間×6ヶ月+80時間×6ヶ月)

この案が有力だそうです。

現在でも、80時間超の特別条項を労基署に届けると、臨検の対象になりやすいとは言われていますけどね。


※1/30追記
特別条項の改正に変更がありそうです。
1ヶ月80時間→100時間
1年750時間→720時間(月平均60時間)

注意しておきたい点として、現行の限度基準(1ヶ月45時間、1年360時間)に変更はないので、
毎月60時間まで時間外労働をさせてもOKというわけではないということです。
(特別条項発動は1年間のうち半分が限度)




※2/15追記
2月14日に行われた「第7回働き方改革実現会議」によると、更に変更がありそうです。
1ヶ月100時間上限設定見送り
1年720時間→そのまま
限度基準(1ヶ月45時間、1年360時間)を法律上明記し違反した場合は罰則適用



※3/18追記
政府、経団連、連合は罰則付き残業上限規制に合意したようです。
上限設定見送り1ヶ月100時間未満
経団連は100時間以下と主張していましたが、安倍晋三首相の100時間未満とする要請を受け入れた形のようです。
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