北海道新聞2011.06.21.夕刊第２面
イアン・ソープの泳ぎを再び、楽しめそうです。
五輪狙い現役復帰のソープ
スムーズな泳ぎ健在 実戦感覚徐々に
かつて競泳男子自由形で世界新記録を連発したイアン・ソープ(オーストラリア)が、11月のレース復帰に向けてスイスで泳ぎ込んでいる。来年のロンドン五輪出場を目指して現役に復帰した28歳の元スター選手は実戦感覚を取り戻そうと懸命だ。
11、12日にモナコで行われた欧州グランプリ最終戦の会場を、スイス代表チームとともに訪れた。レース前のプールを使って練習し、母国の選手らと再会。「実際にレースを見るのはいいね。昔からの知り合いと会うのもいい気分だ」と大会の雰囲気を満喫した。
2000年シドニー五輪、04年アテネ五輪で計５個の金メダルを獲得したソープは、06年に電撃引退。ことし２月に復帰を表明し、自由形の五輪金メダリスト、アレクサンドル・ポポフ(ロシア)らを育てたゲンナディ・トレツキー氏に師事した。同氏がヘッドコーチを務めるスイス代表に３月末から合流し同国テネロの施設で順調にメニューをこなす。
トレツキー氏は「練習量はまだ最も多い時の六十パーセント」と説明。４年以上のブランクがあるが「精神的に強くなった。水の中でのスムーズさは変わらない」と評価する。ソープは「復帰を決断した時は、どこまでやるか半信半疑だった。今は本気で取り組もうと思っている」と競技への情熱を口にした。
(モナコ共同)
