きのう何食べた？１

　「きのう何食べた？」１巻　よしながふみ著　講談社

　40代のイケメン弁護士、シロさんは、美容師のケンちゃんと同棲中。２人はゲイで、毎月の食費は、共同生活費の中から、２万５千円と決めているので、いえ（家）食中心だけど、お料理上手で、ナルシストのシロさんの作る料理はおいしくて、ヘルシー。

　仕事をきっちり６時に終えて、スーパーに寄って、食材を見てから決める献立のたてかた、安売りの底値を把握しているあたりは、私と同じで、思わず笑っちゃいました。まぁ、ご飯つくりをする人は、おのずから、そうなりますわね。違うのは、体型を気にするシロさんのメニューには、あまりカロリーの高そうなものが出てこないことと、お酒を飲まないこと。月々の食費の上限を２万５千円に設定しているあたりも、自称主婦の私より、立派！スイカ好きで、ホールスイカを見て、悩むところなんかも、親しみが持てます。

　男の料理というと、味はともかく、材料費が高いとか、栄養のバランスを考えないとか、後片付けをしないとか、思われがちですが、家庭料理を作る上で、性差は関係ないと思います。１人暮らしか、他に食べてくれる人がいるかで、食事の内容が変わるかな？家族で暮らしていても、食べる時間がマチマチなら、私なら、一生懸命に作らないかも。家事の中で、料理だけは好きなので、１人暮らしの頃でも、割にまめに作っていましたが、やっぱり一緒に食べてくれる人がいた方が作りがいがあります。特に、ケンちゃんみたいに、「おいしい！」って言ってくれる人がいたら、作るのが楽しみですよね。

　中学生くらいの時に、何かで、「料理がうまい妻だと、夫は浮気をしない」という文を読んで、忘れられませんでした。料理が特別上手じゃなくても、ゆっくり、ていねいに作っていると、まぁまぁおいしくできるし、作るのも楽しい、ということに気づいたのは、最近。余裕のない、イライラした気持ちで、作っても楽しくない。ご飯の時間に合わせて、主菜や副菜、汁ものなどを、手順を考えながら、同時進行で作るのは、けっこういろいろな機能を使います。

　「きのう何食べた？」の中でも、料理しているうちに、シロさんの「いやな気分」がちょっとリセットされるシーンが出てきますが、日常の作業って、そういう効果があると思います。

　（私なら、炊き込みご飯の日に、「卵と筍とザーサイの中華風炒め」は作らないけどな～）なんて思ったけど、シロさんの冷蔵庫には、筍の細切りの水煮が残っていたのかな。あれは、保たないから、早く食べちゃいたかったのかも。

　そういう我が家のきのうの晩ご飯は、牡蠣フライ、自家製コロッケ、ゆで卵のフライに、自家製ピクルス入りタルタルソース、ブロッコリーとトマト、レモンの飾り。白菜と油揚げの味噌汁、青唐辛子の紫蘇巻きの漬け物、赤カブの甘酢漬け、ズイキの白ごま酢和え。甘酢和えと、白ごま酢と、酢の物が重なっちゃたのは、よくなかったな。フライものはカロリーが高いのに、量が多すぎましたね。

 

　コミックスの帯には、「大奥」３巻の紹介が載っていました。12月20日発売。こちらも楽しみです。