安積咲

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郡山市における武田氏講演会について思う事

2013-07-02 23:01:23 | ブログ記事
郡山市の武田邦彦講演会(正確には「市民のための建築セミナ-」)これに郡山市が後援している件について、昨日、市役所に確認しました。残念ながら、昨日の時点でも郡山市の後援は確定済みで、変更はないようです。

「市民のための建築セミナ-」これは郡山市建築行政協力会の主催で、平成8年から行われているセミナーだったそうです。そこで市の側としても、長年の信用に基づき、後援を承諾した部分があったようです。

ちなみに、「こおりやまポータル」はNPOの運営するサイトになりますので、市役所の直轄サイトではありません。なので、市役所の職員は、その内容と直接には関係ないという事です。

職員の方のお話では、「氏の発言に何かと問題があった事は知っていたが、主催から「最近は発言も落ち着いてきたし」との説明を受け、それならと承諾を決めた」と教えていただきました。(後援といっても、どなたかも確認されていたように、名義のみの話なので、金銭的なバックアップなどは一切ないとの事です)

お話を伺って問題と思ったのは、主催の方が氏の問題発言について承知の上だという事です。今までのトラブルも知らない訳ではないのだと思います。それでも尚、氏を講演会に呼んでもいいと思えるものがあるようです。「多少問題があっても良い事を言うから」くらいの認識かもしれません。

これは、「武田がこれだけ酷い事を言っている」という抗議は、あまり効果がないのかもしれません。「酷い事」の内容、その対論をしっかり示さなければ、納得してもらえるのは難しいでしょう。

例えば「酷い事」が「東北の野菜や牛肉を食べたら健康を害するから、捨ててほしい」といったようなものなら、「いい加減な事を言うな」ではなく「その時点で東日本の野菜の汚染度がどのようなものであったか・発言がどれだけ県産品への打撃を与えるか」を冷静に論理的に説明できなければ。

氏の発言のいい加減さ、馬鹿げた極論と暴言、その内容が、福島県に良い影響を与えるものかどうか。「子供のためを思って感情的になっただけだ」という逃げ場を与えないような、芯のある論拠を用意する必要があると思います。

郡山市の人間で武田氏を未だ評価する人間がいる理由のひとつに、震災後いち早く学校の校庭の除染を始めた前市長が、氏のブログを参考にしていたから、という実績があります。これが「ちょっと言葉が過ぎても良い事も言うし」の根拠になっていると思います。

そしてもう一つは、悲しいかな、氏がテレビに出続けている有名人、という事もあるでしょう。有名人だからと持ち上げるのは馬鹿らしい、という人でも、誰しもそのような心理はあるのではないでしょうか。ツイッターでも、有名なアカウントに話しかけられたと喜ぶ人は少なくないのですし。

すでに氏のいい加減さに気づいている人はそれが愚かに見えるでしょうが、氏の発言は間違いを指摘しづらい巧妙さに溢れていますし、誰もがネットでの評判を知っている訳ではなく、現にメディア露出が続く人を、そこまで悪人と思っていない人もいるでしょう。

このセミナーに氏を呼ぼうとした主催も、震災直後の功の部分を評価し続けているのかもしれません。もしも主催に抗議をするとしても、その認識を頭ごなしに責めるような方法は良策とは思えません。

このセミナーの震災以前の活動は分かりませんが、すでに何度も行われているという事は、それだけの実績があり、市との信頼関係もあるという事でしょう。時にそういった関係は判断を鈍らせる事もありますが、震災時に人を助けたのはそれまでの地元の信頼関係でもあったと言う事を忘れたくはないのです。

市や主催に抗議をするのであれば、その行動を責めるのではなく、その行動が引き起こす、福島県に対するマイナス面を、分かって頂けるように訴えたいと私は思います。その上で、より良い選択を次回はして頂けるように。

これは、今回の武田氏の件のみの懸念ではありません。最近になって地元の分断という話題を良く目にするようになりましたが、こういった問題の時に、外部から強く抗議する声が一方的に叩きつけられる事も、分断の要因になるという可能性を分かって欲しいのです。

困った人はどこにだっています。納得行かない行動をする人、そのせいで迷惑を被る人、必ずいるのです。それを「正しい立場」からその意見を押し付けるやり方は、「対話」とは程遠いと思います。もし本当に「対話が重要」と思うのであれば、ネットで一時的に怒りをぶつけるような方法は有用でしょうか?

私は、本当の戦いとは、正しさを押し付け相手をねじ伏せるのではなく、そんな己の憤りを押さえ込みながらでも、相手との理解できる状態を作り上げる事だと思っています。

今回の件に関しては、すでに提言書を作って動いて下さってる方もいます。(ほかにも独自に抗議されてる方々もいるようです)私は、市の方に、せめて後援を取り下げて欲しいという旨を手紙で送ろうと思います。

同じような事は、これからも起こると思います。だからこそ、長く粘り強く、話を聞いてもらえる方向に動いて行かなければ。今回何も結果が出なくとも、これから少しずつでも残念な事態が減って行く事になればと願って。

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