エンタメモンスターのひとりごと

エンタメ好きが綴る感想ブログです。

『サイレントヒル』血の繋がりを越えた母の愛

2016-12-19 20:00:00 | 洋画
※グロテスクな表現アリ。


夢遊病の娘のシャロンが発作時に叫ぶ「サイレントヒル」という言葉。
疑問を持った母のローズが調べると、
ウェストバージニア州に実在するゴーストタウンだということがわかる。

娘の発作の原因を突き止める為に、夫に内緒で娘を連れて封鎖された街サイレントヒルへ向かうのだが、そこは想像を絶するほどに恐ろしく、1度入ったらけして出ることのできない場所だった...。


タイトルだけは知っていたが、
映画を視聴するのは今回が初めて。

もの凄く面白かった。
思っていたよりストーリーがちゃんとしていたのと、VFXの迫力が凄まじくて見ごたえ十分。
2回目視聴の時は結末を知っているので、
クリーチャーが出てくる度にアレッサの心の叫びを痛いほど感じられて悲しくなった。

見終わってからは真っ先に母は強しという言葉が浮かんできたし、
例え血が繋がっていなくとも子どもへの愛は通常の親子となんら変わりない描写に胸を打たれた。


劇中では『現実世界』『表世界』『裏世界』の3つの世界が平行して描かれており、
そのうちの『裏世界』では間隔を空けて何度も闇の時間が訪れるのだが、
サイレンが鳴り響き白く霞んだ表世界から
真っ暗になる時の「ズーン」とした音がなんだか好き。
でもそのあとに現れる悲惨な光景やクリーチャーたちによる惨劇には震える。


そして何といってもあの"妄信教祖ババア"が真っ二つにされるシーンにはスカッとした。

理不尽な理由でクラスメイト全員からいじめを受け、教師(ババア)も助けてくれず、逃げ込んだトイレでは清掃の男にレイプされ、更にババアの指示で生きているのが不思議なくらい重度のやけどを負わされるアレッサ...。

そりゃ怒りや憎しみが募って死神やらあんなクリーチャーまで誕生しちゃうよな、
可哀想だなんて言葉で片付けられないわ。
本当に長年の恨みを晴らすことができて良かったねと思うシーンだった。


それに衝撃的だったシーンは山ほどあるけど、
特に驚いたのは"レッドピラミッドシング"というドでか過ぎる筋骨隆々のクリーチャーが、人間の身ぐるみ以前に人体ごとむしり取って避難所である教会のドアにバチコーンと投げつけるシーン。

まさかそんな惨いシーンがあるとは思っていなかったので、目が点になった。
これがまた生々しいのなんのって!
ホントこれを考えた人の頭どうなってるの...。
そしてこの惨劇を映像にしてしまうのがスゴいの一言。
これでPG-12って嘘みたい。
レッドピラミッドシング怖すぎ。


と、言いながらレッドピラミッドシングと"ダークナース(バブルヘッドナース)"のデザインがめちゃくちゃ良くて惹かれた。

何あのおどろおどろしい中にもセクシャリティ(筋肉や胸等)を感じる姿はっ!!!
初めてフィギュアを欲しいと思ったくらい。

ダークナース軍団のシーンでは何故か
"だるまさんがころんだ"を思い出さずにはいられなかった。


更に切なさを極限まで濃縮させたラストが凄くお気に入り。

あれは"良心"の肉体に入り込んだのか、
良心が元の肉体に還ったのかは曖昧だったけど、
けして不幸な雰囲気ではなかったのが印象的だった。