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公認会計士試験学習用ブログ
(あくまでも自己の利用を意図)

棚卸計算法と継続記録法それぞれの特徴と、制度上どのような方法が採られるかの説明

2010年12月29日 18時36分10秒 | 財務会計
棚卸計算法では払出に関する記録を行わない
ため、棚卸計算法は事務的に簡便な方法
あるといえる。しかし、棚卸計算法によれば
当期払出数量は、期首在庫数量と当期受入
数量の合計から、期末に実地棚卸を行って
確かめた期末在庫数量を差し引いて間接的
一時的に把握されることになる。そのため、
減耗数量が当期払出数量に含まれ、正確な
売上原価・製造原価の算定が害されるおそれ
がある。
また期中に在庫量が明らかに
ならないため、在庫管理を行う事ができない

これに対し、継続記録法では、棚卸資産の
種類毎に受入と払出の数量を継続して記録
するため、その帳簿記録によって棚卸資産の
当期払出数量を直接的・個別的に把握する
ことができる。したがって減耗数量が当期
払出数量に含まれることなく、売上原価・
当期製造原価をより正確に計算することが
できる。
また帳簿記録により、
期中の在庫量が明らかになるため、
在庫管理を有効に行うことができる。
さらに払出の都度、売上原価を
確定させることも可能となる。しかし、
継続記録法によれば帳簿記録によって
期末在庫数量を明らかにするため、実地棚卸
を行わない限り、減耗数量を把握することが
できないという問題がある。


制度上は、売上原価および製造原価を正確に
算定し、適正な期間損益計算を行うために
原則として継続記録法が用いられる。そして
期末に実地棚卸を行うことにより減耗数量を
把握し、売上原価と別に棚卸減耗費を計上
する。
ただし、重要性の乏しい棚卸資産に
ついては例外として棚卸計算法を用いること
も認められる。