Music First スタッフブログ

名古屋市栄にある中古CD・レコード店スタッフの日記。

ピクルス通信no.82 シワスモオワリマス

2010-12-26 09:10:50 | ピクルス通信
職場はビルの7階にあって、休憩室の窓をあけると栄の南西方面の空が望めます。


問題です。その眺めの中で最も多く目にすることのできる文字1字は何でしょうか。


ヒント。アルファベットです。


答え。「P」です。


駐車場の「P」です。


加えて「PARCO」の「P」がとどめの一撃。


※ ※ ※


今年も例年のごとく、リスニングの中心はピアノでした。


なかでも収穫だったのは、キューバのピアニスト、チューチョ・バルデスを知れたことです。


グラミー賞を受賞したビッグバンド、“イラケレ”のバンドマスターであり、来日も度々しているのでご存知の方も多いことでしょう。




Briyumba Palo Congo
Chuho Valdes : Briyumba Palo Congo


1999年、ブルーノートからの作品。


力強いタッチ、クラシックの素養確かな技巧、幅広い音域を豊かに行き来するダイナミックでエネルギッシュな演奏。影響を受けたのはマッコイ・タイナー、ビル・エヴァンスと語るだけあって、リリシズムも冴えています。


複数のパーカッションやベースとの絡みあいで生み出されるリズムの洪水に溺れます。


おおらかかつダンサブル。特にスローテンポの曲での昂揚感は押さえようがありません。


この一枚では《Embraceable Of You》《Rhapsody In Blue》を取り上げ、ガーシュインとラテンとの相性の良さを教えてくれます。


Lucumi
Chuho Valdes : Lucumi


こちらは彼にとって最初のピアノソロ作品になります(1986 messidor)。


彼のピアノの輪郭が、強度がありメロディアスでもあるオリジナル曲の質の高さが、よりはっきりとわかる1枚です。


ライナーノーツによれば「彼のインピレーションはアフリカのヨルバ族が信仰する神に負っている。ヨルバ族の信仰はキューバでも今なお根強く残っている」とあります(新大陸発見後アフリカより奴隷としてキューバに連れてこられた人々の中で、その多数がヨルバ族だったそうです)。


アフリカンなルーツを音楽にこめるランディ・ウェストンやアブドゥーラ・イブラヒムとも相通ずる芳香を感じさせる作品です。


※ ※ ※


今年も1年に渡り、ピクルス通信をお読みいただきありがとうございました。


皆様にとってよい2011年が訪れますように。シーユー♪


若竹純司

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
よいお年を! (久保田豊秋)
2010-12-27 12:36:09
今年はいろいろとありがとうございました。
若竹さんのおかげで音楽の幅が広がりました。
また来年もよろしくお願いします!
出会いに感謝 (若竹純司)
2010-12-27 23:04:23
久保田豊秋さん

こちらこそ、1年を通してコメントありがとうございました。励まされ続けました。また、イベントにもお越しくださり、ありがとうございました。

私も久保田豊秋さんの日記に影響されること多々ありました。

来年もよろしくおねがいします。

よいお年を!

P.S. 年越しのコーヒーはモノンクルの豆になります!(二度目の来店ではクロワッサンサンドを食べました。安くて美味しかったです!)