閃光

　いまさらですが、先週１１月２９日発売のマガジンに載っていた『あひるの空』の話。

　この回のタイトルは『閃光』

　紆余曲折を得て、主人公達はとある強豪チームとの試合に臨むことになりました。色々あったバスケ部も、この試合に勝ちさえすれば再び活動をはじめられることが出来ます。
　とはいえ、相手はいままで物語に出てきた中では最強のチーム。対する主人公チームは物語がはじまって以来一度も勝っていない。はっきり云って勝てる見込みは零に等しいです。
　それでも主人公達は奇跡を起こそうと、顔を上げて闘いに赴きます。
　一度は手放してしまった。まだ一度も手にしていない。自分達にとっての大事なものを掴むために持てる以上の力を出し尽くそうとするその姿は、タイトル通りの眩い閃光を放っています。
　そして、そんな彼に惹かれている人達の姿もちらほら見られます。

　これだけでも充分面白いのですが、そんな中でひとりだけ興味深い動きを示すキャラクターがいます。ヒロイン役の女の子です。
　彼女は以前から面白い動きを見せていて、僕が注目したのはこんなモノローグが出てきてからです。

『ヨーコはいつも練習真面目で　バスケもすごく上手くて
　そーゆう…　周りの人達のまぶしさでできる自分のカゲが　最近スゴク辛いんだ…』

　この主人公達と逆行するような心の動きがすごくいい！　今回の話でも、主人公達の試合から目を逸らしてカラオケに行こうとしているし。

　閃光を放つ主人公達と、その光から逃れようとするヒロイン。
　『あひるの空』からますます目が離せません。