年中無休の弁護士日記               

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裁判員裁判に被害者参加弁護士として関わってみて(続)

2012年06月16日 15時48分27秒 | Weblog
塩谷の死体遺棄:スーツケース殺人、被告に懲役18年 「納得いく結論出せた」裁判員、充実の表情−−地裁判決 /栃木
毎日新聞 2012年06月16日 地方版

 宇都宮地裁(井上豊裁判長)で15日開かれたスーツケースに入れられた女性の遺体が見つかった事件の判決。井上裁判長は求刑通り、平垣巨幹(きよみき)被告に懲役18年を言い渡した。だが、公判で出された求刑意見は、弁護側の「懲役10年」から、被害者参加制度を利用した遺族の代理人弁護士の「無期懲役」まで幅広く、難しい裁判となった。それでも判決後に記者会見に応じた裁判員は「納得のいく結論を出せた」と充実した表情を見せた。

 判決で、井上裁判長は半年前から殺害を計画して実行したとして「強い殺意に基づく冷酷かつ残酷な行為」と非難。準備していたスーツケースに遺体を入れて山中に遺棄するなど証拠隠滅も図り「犯行後の態様も悪質」と指摘した。

 記者会見で、裁判員を務めた野木町の40代男性は「当初は市民感情(を反映させよう)として、重い刑ばかり考えていた。評議を進める中で、他の判例を聞いて出した結果で、納得がいっている」と裁判中の気持ちの変化を吐露した。また、補充裁判員を務めた20代の女性は「被害者の遺族の意見(陳述)は重要で、参考になった」と話した。【松本晃】』
 

上記の記事によると,やはり,裁判員が被告人に重い刑を科そうとしてしても,裁判官が過去の裁判例を出してきて,従来の量刑基準に沿った宣告刑へと誘導するようです。
 
 これは仕方ない面はありますが,それでは,せっかく裁判員裁判を導入した意味が乏しくなるような気もします。

 もっとも,今回,私は,記事にあるように,被告人に無期懲役刑を求めましたが,殺された被害者の遺志(意思)からすると,それでも,厳しいのかもしれません。というのも,被害者の人となりをその両親(今回の裁判では,被害者参加人)から聞いているうちに,被害者は私に,被告人が真に反省しているなら,軽い処分でいいですよ,と言われるのでないかという気がしてきたからです。


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