至福の日々

日々の哲学

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2018-02-06 17:47:16 | 小説
 気にもとめずに歩いていると、そこには猫が横たわっていた。どうやら寝ているらしい。しかしその猫には寝ていながらこちらの存在を認識しているような起きているようなところがあった。疑問点としては、寝ているようで起きているのか、それとも起きているようで寝ているのかがわからなかった。けれども、私はその猫に会ったとき嬉しさのあまり微笑した。
 その通りを通り過ぎると、今度は人の往来の激しい道に出た。私は誰にも目をつけずにひとり黙々と下を見て歩いた。そして目的地につくと立ち止まって一度空を大きく見上げた。空は晴天ところどころ曇というような空で、道行く人はその空の存在に気づいていないような気配を催していた。太陽はどうやら雲から出たばかりらしく、その橙色の光を建物の窓に反射させながら移動していた。
 祈り、祈ることを人はなぜ欲しないのか。

この話はフィクションです。

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