Belle Epoque

美しい空間と、美しい時間

堂島・リバー・ビエンナーレ

2009-08-15 | art... bijutsu
アートを体感すると、自分と、日常の輪郭がくっきりします。
生きる手ごたえをくれる。
それがアート。
美しいものがあればうっとりする、衝撃的な作品があれば考える。
いずれにしても、いつもは気に留めないでいる「わが身」の根底にある感情が、見知らぬ刺激を受けることによって、にわかに明らかになる。

わたしも、見落としてきた自らの心と向き合うことになり、驚いています。
ありがたいこと。大切にしたいこと。やりたいこと。するべきこと。
これらをいつも、外からのヒントによって気付かされてきました。今回も、大いに。

真剣な思いが形になったものは、どうしてだかそれが伝わり、心を打つ。
どこかにごまかしがあるものは、それが浮き出てくる。でも見つめる。
悲しみや怒り。そのなかに見出す小さな幸せ、喜びが、キラリと輝く。
映像や、オブジェの外観すべてにこめられた魂の数々。スケールも大きい。
こんな場所が、都会のど真ん中にあるなんて・・・・・。



『堂島 リバー ビエンナーレ 2009』

という、素晴らしい催しに行って参りました。

【堂島 リバー フォーラム】にて。
09年8月8日から9月6日まで。

“ビエンナーレ”をうたっているからして、これから隔年で、大阪の中心で、名実共にこんなスケールの大きい展覧会を誰もが味わえるようになります。ブラボー!!!

もう一回行きたかったので、生粋大阪っ子の友達へ久々に電話して、
「ねえ、堂島リバーカフェでごはん食べようよ。ABC放送の隣の。」
といったら、意外、
「どこ?ABCの隣にそんなとこあったっけ?」という返事。

あら、、まだ隠れ家な存在だったのね。
わたしのMODEの先生であるアンテナ高い彼女に、ひとつ良い場所を提供することができました。

・・・・・・・・・・・・・・・・
【堂島 リバー カフェ】
なんといっても景色が美しい。居心地もたいへん良い。
人にもモノにも目利きの取締役さま自らが選んだ、生え抜きのスタッフさんたちは、たいそう細やか、かつたいそう美形の青年ぞろいでした。
お料理もお菓子もお茶も、お手頃価格なのに、すごくおいしい。
しかも、メニューはまだまだ進化するらしいです!お近くのひとは、ぜひ。
ランチタイムついでにアートが鑑賞できる、しかもほぼ貸切で☆
たいへん素晴らしい穴場です。
・・・・・・・・・・・・・・・・

アート展はたいてい、作品保護その他様々な理由で、撮影を禁じています。
けれど、ここはその柵がない。
撮影はご自由にどうぞ(※フラッシュは不可です)、ということで、カメラでメモを取ってまいりました。

まずは衝撃的なビジュアルのものから。



この巨大なものはなんでしょう?・・・フィリピンで、外貨獲得した人たちが祖国へ送る荷物たち、の外箱を取った状態、を紹介する作品なのです。

ものへの感謝を感じていますか?
ぎゅうぎゅうに詰められた箱の中には、ぬいぐるみや鳥かご、ハイヒール、衣類。本。
愛する家族へ届けたい愛が詰まっています。
一瞬ぎょっとしますが、この巨大なタワーは、愛の箱。想いが積まれている。中に入ると、自分もその愛の一部になれる。
ものは、こめられた愛を語るときが一番輝く。


こちらは、ロシアの作品。ちょっとロマンチック。



「空から落ちてきた月を恋人として、一緒に暮らす」
という設定で、月と暮らす日々を写真で残しています。やわらかに光る三日月は、最初鈍い光り方で元気なかったのに、かわいがられて嬉しそうに輝きを増してくる。
川で橋を渡ってデートする月。光が水面に映えてきれいです。

本人(本月)も、ただいま来日中!
窓の外の特等席にいました。


これは、ボリビアのウユニ塩原にて。アルゼンチン生まれのアーティストによる。



映像作品です。
潮の音、風の声がゴウゴウと流れるのに包まれ、映像はひたすら静寂を語ります。
世界の果てを見ているような気がします。

果て・・・・
彼らからしたら、こちらこそが果てなのかもしれないのに。



さて、こんな静かな作品ばかり紹介しましたが、これらは他の作品で上がった体温を鎮めてくれるような役割のようにわたしは感じたくらいで。

展覧会のテーマ、『Reflection : アートにみる世界の今』。
実は、強烈に印象的な作品群が勢ぞろいでした。
感動して、涙が流れてしまいました。
数時間、感覚を総動員して夢中で滞在したのです。


印象に残ったのが、トマス・オチョア『シジフォスの神話』
「自爆テロの理由を、あなたはどう考えますか。」
(いわずもがな、かのお話です。)
この問いかけを、スイスやフランス、ドイツ、イギリスの街頭で行ない、右のスクリーンに映す。
同じ問いかけを、ムスリムの人々に行ない、左の画面で。
交互に、ただ乞われるままカメラに対してだけ意見を語る人々の間には、くっきりと意識の差が見えます。驚愕でした。

「なぜ彼らは自爆テロに至ったのか」
その根底にあるものは何なのか。知らなくては答えが出せない、知り過ぎても答えが出せない。
宗教が政治に利用されると、こんな悲劇が起こる。
政教分離はやはり徹底されるべきだと思いました。


宗教が一向に平和に寄与しない、その皮肉を痛みのこもったまなざしで描いた映像作品のもうひとつが、スーハ・ショーマン『神の名において止めよ』
ユダヤ、キリスト、イスラムが共通して唱えている「寛容さ」のメッセージに矛盾する現実。傷つき血を流し死んでゆく人々の映像と、教会で祈る大勢の人たちの姿が交互に映し出されます。

それにしても。

人は大きな問題に関しては立場と感情を定めやすいようです。
戦争はいけない。人を悲しませたりしてはいけない。
見知らぬ国や人のことを断罪するのは簡単にできますが、さて、そういう本人は、身のまわり全部を平和にやりくりできているのだろうか?
会社のみなさん全員と上手くいっている、近所から聖人と慕われる。
そんな例はほとんどないと思います。
小さな平和を守るほうが、ひとにとってはよほど難しいのが現実で、それがきっと、雪だるまのように積み重なっていったら、大きな事件になるのでしょう。


アートは、美しさへ導くばかりでなく、美しさを考えさせる。
美しさの、在り処を。

ぜひ、お訪ねください。




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