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北欧jazzとオーディオ

amplifier Oct.2012

2012-10-22 | audio
 SiCと云う次世代の半導体が昨今注目を浴びている。
そもそもハイブリッドカーやスイッチングレギュレータ、インバータなどが
本来のアプリケーションではあるのですが…

 オーディオにおいてはこの素子はどうなのか?と云うところです。
先日、MJ誌にて、金田氏が発表したことによって、アマチュアオーディオの世界では
注目を浴びています(?)。

 素子の特徴としては、非常に高い耐圧、熱耐性、寄生容量の少なさです。
そもそもオーディオとは取り扱っている桁違いのオーダーを取り扱う事が前提の素子なので
オーディオ用として使うには、イマイチ勿体無い気もします。
Vgs-Idカーブを見る限りでは2SK2554と比較する限りリニアリティーにおいては
明らかに劣っている様に見えます。実際にはアンプとして使用する時は
NFBを掛けてしまうので、ある程度の線形性が出ている領域で使う分には問題ないはずなのですが
実際には熱量の問題でVdsの電圧をある程度掛けると、あまりバイアス電流も流せない。
つまり、素子の線形性の良い領域で使うことはなかなか難しいと思います。
ただ、NFBの動作が支配的なので、制御は可能です。
そうすることによって生まれるSiCのメリットとは?
桁違いに寄生容量が小さいという事。
実は耐圧を上げると必然的に寄生容量が減ると云う話を聞いたのですが
耐圧やオン抵抗等の関係から通常のSiのMOSFETではそのような素子を私は知りません。
技術的には可能であっても、主となるアプリケーションの
要求仕様と一致せず、実用化されることはないのかもしれません。
今回金田氏がSiCの音を絶賛しているのは寄生容量が小さいという事が
実はかなり大きいのでは?と云う私の推察です。
つまり素子の反応がすこぶる良いという事です。
ただ、NFBの制御が追いつかなくなると発振してしまいます。
今回発表された回路ではハイサイド側に100Ω、ローサイド側に1kΩが
ゲートに挿入されています。この値が適正なのかどうかは
オープンループのゲインのf特だけでは無く位相特性を示し、
位相余裕を示すべきであると思いますが…
残念ながら測定機材が非常に高価なためなのかどうなのか知りませんが
この手のアンプの評価で見たことはありません。
因みにその手の測定器は200~300万程度はしますので
個人での所有は難しいと思われます。
その気に成れば、オシロで測定する事は出来ます。

実際にSiCの導入すべき箇所として大きく2つ考えられます。
一つは上記にある出力のMOSFETです。
もう一つは整流平滑に使うダイオードです。
アンプに使う整流平滑用のダイオードは真空管のB電源だと1A程度で十分だと思います。
ヒーターもDC点火で数A程度あれば十分です。
逆に出力がMOSFET等の場合は20~30A程度は必要です。
この辺は出力に使用しているコンデンサの容量に起因するところが多いです。
ソフトスタート回路を内蔵した場合は電流容量を減らしても大丈夫かもしれません。
検証は必要ですが…
起動時のコンデンサのチャージにおけるラッシュカレントが一番大きいという事です。
へんてこな回路を考えている私は…
アンプ一つに20個も整流ダイオードが必要なことが判明…
しかも、一部は整流管使っているにも関わらず…
単価が決して安くないだけに…バカになりません。
とは云え、気の狂ったケーブルやVintageの真空管から較べると十分安価ですけど…。
一部のマニアの間ではモジュールで5万円するボリュームや
1個1000円以上する抵抗で作ったアッテネーターで15万円Overというツワモノもあるらしいですが…
ブリッジダイオード出してくれないですかねぇ~?
決してお金を掛ければ良い音が出る訳では無いですし
理論と数値を突き詰めれば、良い音が出るどころかオーディオと言う文化
を衰退へと追い込んだのもどこぞの国だったりします。
とは云え、新しい技術の中にも素敵な音楽を聴くために
素晴らしい要素がいっぱいあると思います。
小信号系の素子が出てきたらall SiCのアンプなんて事も出来るかもしれません?
ZDが出来るかは知りませんが…
いっそのこと、SiCのPowerOPAmp作ってしまえば…(バタッ


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