お気楽王の日記

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ライラの冒険シリーズⅠ・黄金の羅針盤

2008年06月05日 | 
ライラの冒険シリーズⅠ「黄金の羅針盤」フィリップ・プルマン著

今年映画化されたライラの冒険の原作です。
指輪物語、ハリポタに続くイギリスの人気ファンタジー。

最初のページにミルトンの失楽園の引用があり、
次のページには作者からのメッセージが書かれている。
「黄金の羅針盤は全三巻から成る物語の最初の部分をなしている。
第一巻の舞台はわれわれの世界と似た世界であるが多くの点で異なる。
第二巻の舞台はわれわれが知っている世界である。
第三巻は各世界間を移動する。」

失楽園。アダムとイブ、エデンの園からの追放。
この物語はキリスト教の大いなるテーマを含んでいるようだ。

主人公ライラはオックスフォード大学の学寮で育てられている少女。
街の子供達が謎の「ゴブラー」にさらわれ、ライラの友達ロジャーも消える。
彼女のおじ、アスリエル卿も消える。
学寮長にアスリエル卿から預かっていたという真理計を受け取り、
ライラは旅に出る!
船上生活者ジプシャン、魔女、イオレクという戦う熊などに
出会い、助けられながら北へ北へ。
コールター夫人、ゴブラーに追われながら
ロジャーとアスリエル卿の救出に向かう。

パラレルワールドのようなライラの世界。
人間には必ずダイモンといわれる動物の守護精霊がつく。
彼らは魂のようになくてはならない存在で、ダイモンが死ねば人間も死ぬ。
助け合い、慈しみあう存在。

子供のダイモンは善、無垢である人間の魂?
だから子供にはダストによる悪い影響がない?
ダスト=塵。
二元論?キリスト教?天地創造?

アスリエル卿はアンチカトリックに見える。
教義よりも化学を追い求め、神秘の存在をその目で確かめずにはいられない人。
オーロラの中に浮かぶ別世界の街に消えるアスリエル卿・・・。
ライラはどんな宿命なのか?
次の巻を読めばあきらかになるんだろうか。

第1巻はシリーズ全体では導入部にあたるけど
ライラの生活や冒険がとてもおもしろいので
何も考えずに読んでもかなりおもしろかった。
読み終えた後、「あれはこういう意味なのかな?」と
思い出して考えたりして、もう一回楽しめました。
児童文学というカテゴリーだけど全然そう感じなかった。

イギリス、アメリカの冒険物は
キリスト教の神秘的な側面をとりあげることが多いですね。
アン・ライスのヴァンパイア・クロニクルズシリーズなんて
話が原始キリスト教まで広がっていって
しまいには失楽園のサタンの話にかぎりなく近い話もでてきちゃったり。
ヴァンパイア・クロニクルズっていうのは
映画化された「インタビューウイズヴァンパイア」の原作です。
トム・クルーズ演じるレスタトが無敵になっちゃうわけです。
根気がある人にはおすすめです。


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